特集:インターネット気になったニュース2015インターネットでも物議を呼んだ話題がいくつかありました。その中から特に気になったニュースを取りあげます。 <インターネット関連>● 日本年金機構から加入者情報が大量流出 インターネット関連の話題で最も大きかったのが、日本年金機構から125万件に及ぶ年金加入者情報が流出した事故です。事故発生後の調査から、不正なプログラムがコンピューターに感染してから上司へ即時に報告されなかったり、外部のネットに接続するコンピュータと内部のデータベースにアクセスするコンピュータを兼用してたりなど、ずさんな業務体制が数多く浮かび上がりました。 年金という重要な個人情報を扱う組織のあありにも無防備かつ危機意識のない体質に批判が集中しました。 ● 相次ぐ不届きな行動とネットへの投稿 今年も笑い事ではすまされない悪質な行動をネットに投稿する事件がありました。中でも目立ったのが、スナック菓子につまようじを差し込んでスーパーの陳列棚においたり、自ら万引きして店の外に出たりする様子を動画に撮って投稿した事件です。その上、警察を挑発しながら電車で逃走する一部始終までも投稿し続けました。犯人は逮捕されたものの、その後の調べでつまようじ入りの菓子や万引きはすべて自作自演だったことがわかりました。どういった動機で犯行に至ったのかはわかりませんが、悪質きわまりない行動に憤りを隠しきれません。 もう一つ気になったのは、幼児にタバコを吸わせる動画をSNSに投稿した事件です。動画を見た人から通報を受けた警察は、保護者を逮捕する事態に発展しました。幼い子どもにタバコを吸わせる行為もさながら、罪悪感もなく大勢の人目に触れるSNSに投稿するのは非常識を超えています。 不届きな行動のネット投稿は年々エスカレートするばかりです。当事者の自業自得で解決するだけでは歯止めはかけられそうにありません。 ● 翻弄される非建設的なネット批判 2020年東京オリンピックのエンブレムが海外で使用されているデザインと酷似していると指摘された問題をきっかけに、我こそ正義のご意見番とばかりに、第三者の行動に口出しをしては非建設的な非難を浴びせる風潮が高まりました。 国内の動物園で、イギリス王室のキャサリン妃が出産した第2子と同じ名前を生まれたばかりの猿につけたところ、イギリス王室に失礼だと抗議を寄せる騒動が起こりました。対応に苦慮した動物園側はイギリス王室に問い合わせると、同じ名前を動物につけるのは自由であるとの回答があり、騒動は決着しました。 また、香川県が作成したうどんかるたの読み札に違和感があるとの苦情が寄せられ、発売が延期となりました。作者には悪意の意図は一切なく、内容を変更をせず発売を開始しました。 これらに共通するのは、自分の狭い視野で目くじらを立て、自分本位の正論を並べている点です。自分の正論が認められることに喜びを得たいのか、あげつらいをして鬼の首を取ったかのような気分に浸りたいのか、 真相はわかりません。いずれにしても、部外者が言いがかりをつけて大騒ぎをするのには嫌気がさします。 <メーリングリスト関連>● 月刊ML紹介が静かに閉鎖 20年近くにわたり新着メーリングリストの紹介をしてきた小田嶋勝也氏による「月刊ML」紹介が告知なく閉鎖しました。1990年代、メーリングリストを作ったら月刊ML紹介で宣伝するのがひとつの定番でした。インターネットコミュニケーションを活性化させた功績は大きく、長きにわたる活動に敬意を表します。 ● IRORIが一年経たずにサービス終了 freemlの姉妹版として運営してきたグループコミュニケーションサービス「IRORI」が、1年足らずで幕を閉じました。LINEなど競合他社が同様のサービスを展開し、利用者が伸び悩み撤退した模様です。メーリングリストを作るならfreemlというような、ブランド力のあるサービスを打ち立てるのがいかに難しいか、思い知らされます。 2016年はモノのインターネット(IoT)が加速すると言われ、スマートウォッチ以外にもインターネットに接続して利用できる新たな道具が出回るとみられています。国内でインターネットプロバイダが登場して20年近く経ちました。今後、いったいどんな機器やサービスが登場し、そして注目されるのか楽しみなところです。
2015年12月31日発行 第377号
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