特集:なりすまし詐欺に一泡吹かせる誘導尋問あの手この手いずれも、メッセージを送ってきた人がまったくの別人であるとは知らず、馴染みの知人と信じ込んだまま指示に従ったがために被害に遭っています。とはいえ、アカウントを乗っ取られて別人がなりすましていると即座に気がつくのは難しいでしょう。 なりすまし詐欺は振り込め詐欺と同じで、犯人は身近な人だと思わせて自分に近づいてきます。こうした手口に引っかからないようにするには、意表を突いた質問をして回答させるのが効果的です。今回の特集は、ネットでのなりすまし詐欺に役立つ誘導尋問のしかたを取りあげます。 ● まずは相手を見抜こう いくら気心知れた知り合いでも、いきなりメールやメッセージで金銭に絡む要求をしてくるのは不自然です。こうした内容が届いたら、まず次の点を確認しましょう。
● 別の手段で確認をとろう メッセージの内容に少しでも違和感や不自然な点があったときは、メッセージアプリ以外の手段で連絡を取りましょう。一番よいのは、直接会って確認することです。それができない場合は、以下の順で最も連絡の取りやすい方法を選ぶのが良策です。
注意点として、メールあるいはメールアドレスでログインするサービスを使っての問い合わせはしない方がよいです。当事者がパスワードの使い回しをしている可能性があるため、犯人にそのサービスを盗み見されている危険があります。ログインにキャラクター名やニックネームを使用するサービスであればこうした可能性は低いですが、あくまで最後の手段にしてください。 ● 半信半疑なときは誘導尋問をしてみよう 当事者と連絡が取れないときは、”とんち”をきかした誘導尋問をしてみましょう。たとえば次のような方法です。 ・ 方言でメッセージを送り方言で返すよう要求する 同じ方言を使っているときは、標準語ではわからないような方言でメッセージを送り、返答は方言でするように盛り込んでおきます。その地方出身の人でない限りわからない言い回しを使えば効果覿面です。 ・ ひらがなでクイズを出して回答させる 「いちたすいちをかなでこたえで」と相手に送る方法です。なお、「わたしのなまえをひらがなでこたえて」の場合はGoogleの機械翻訳で日本語訳ができてしまいます。計算問題は今のところ機械翻訳にかけても正しい日本語訳は出ません。 ・ 正解のない質問をする 仲良しの友達の場合、「俺の好きな回転寿司のネタは?」と唐突な質問も効果があります。その際、もともと正解のない質問をするところがミソです。「そんなもんあったのかよ?」のような、いつもと同じ口調で回答がくるかを知るのが狙いだからです。逆に「中トロです」のような平素な口調で、いかにも当てずっぽうとわかるような返答であれば怪しいと判断がつきます。 詐欺は日本人ではなく、外国人である可能性があります。最初に送られてきたメッセージがぎこちない日本語文のときは誘導尋問で相手に”ゆさぶり”をかけてみるのも手です。 ● 直接顔をあわせない金銭の貸し借りはしない 金品の購入や貸し借りを、直接顔をあわせずにするのはトラブルの元です。メールや通話アプリを通じての連絡だけですぐさま行動に移すのは避けましょう。文字だけの連絡は必ずしも本人が送ってきたとは限らないからです。 長いつき合いで信頼できる人であっても、金銭の貸し借りや立て替えは直接相手に手渡しするのが大切です。親しい仲だからこそ徹底しておきたい心構えです。
2015年8月30日発行 第373号
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