よもやま話:見たくも見られたくもないFacebookの知り合い表示Facebookの知り合い表示機能は、自分のページに表示させないように設定できないばかりか、自分を表示対象から外すこともできません。対処のすべがない機能に、憤りと不気味さを覚えます。 ● 勝手に知り合いを見つけ出すFacebookの「知り合いかも」機能 Facebookの機能の一つである「知り合いかも」は、友人とのつながりや自分が登録した略歴情報をもとにして、Facebookに登録している人を機械的に分析して、知り合いと判断した人を表示する機能です。Facebookにアクセスすると否応なしにトップ画面に表示されます。 Facebookの「知り合いかも」は、長く連絡が取れずにいた親しい友人が見つかる半面、二度と顔も見たくない因縁の人物が登録している事実を知ってしまうきっかけにもなります。当然、自分が相手の情報を知り得たのならば、相手も自分の所在を知るかもしれません。Facebook上で自分の情報が表示されたとき、相手も自分のことを覚えていれば、双方で因縁の再会を果たしてしまうのです。 とりわけショックを受けるのは、因縁の人物が自分が友人登録をしている人の友人だったことを知った瞬間です。一覧表示には友人登録をしている人の名前が付記されるため、想像もしなかったつながりに、まさに「因縁」の意味をかみしめる思いです。あってほしくなかったことが現実に起きたときの衝撃は胸にずしりと響きます。 知り合い表示がきっかけで、相手から何かメッセージが送られてくることもなければ、直接顔をあわせることもないでしょう。しかし、機械が勝手に望みもしない縁結びをしたことには、腹立たしさと不気味さを覚えます。 ● 一覧表示を消すことも検索対象から外すこともできない Facebookの知り合い表示機能には、自分の意志が反映されないやっかいな問題があります。本来ならあってよいはずの、一覧表示の削除はおろか、他人のページでが自分を知り合いの対象として表示させないように設定することができません。つまり、自分が望まなくてもFacebookにアクセスすれば知り合い一覧を見せつけられ、他人に知り合いではないかと自分を知らされてしまうのです。 一覧表示は、自分が見たくない知り合いが表示されたときは右上の×印をクリックすると削除できます。また、設定から自分をFacebook上で検索できないように設定すれば、他人のページに知り合いとして表示される確率が低くなるといわれています。しかし、一覧表示も検索対象も根本から拒絶する方法を用意していないのです。利用者が解除のできない一方的な機能の提供は、サービスとして納得がつきません。 ● 知り合いは自発的に探すことに意義がある Facebook上で人を探す際に、自分自身が検索機能を使うことに問題はなく。同様に誰かが自分を検索しても違和感は持たないでしょう。親しい人から連絡を受けたとき、Facebookで検索して見つけたと聞けば、登録してよかったと思うに違いありません。また、望まぬ人に検索されても、そこは知らぬが仏で見過ごすでしょう。 しかし、常に機械が知り合いを見つけ出して表示するのは誰が喜ぶでしょうか。これはという人を見つけても、どことなく連絡するのをためらいます。勝手に表示されたと聞いたら相手は不気味に思うでしょう。そして、同じように自分も誰かに存在を見られていると考えれば、気持ちのよいものではありません。 知り合い探しは自分自身でするからこそ意義があり、価値もあるのです。それを機械が一方的に表示しても喜びません。余計なおせっかいどころか、甚だ迷惑です。 ● 同意のない一方的な知り合い表示機能はなくすべき どんな機能も、利用する側が望まないときのために拒否できる設定を用意するのは、サービスを提供する上で欠かせぬ配慮です。知り合いを表示する機能も例外ではありません。交流サイトで利用者の意志に関係なく、望まない人を表示したり表示されたりするのは不安をかきたてるだけで、好意的には受け入れられません。願わくは、Facebookの知り合い表示機能は廃止してほしいと切望しています。 Facebook以外でも、同様の知り合い表示機能を取り入れるSNSが増え始めています。交流サイトは、人と人との心をつなぐサービスです。それだけに、利用者への配慮を怠り、機械に依存した機能やサービスの一方的な提供は模倣してほしくないと強く主張したいです。
2015年6月26日発行 第371号
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