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コラム:コミュニティサイト運営側に求められる誹謗中傷書き込みへの積極対応

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 掲示板やSNSでは、特定の人物を名指しで誹謗中傷する書き込みが後を絶えません。学校闇サイトで標的にされると、被害者は未成年だけに大人以上の苦しい思いにさいなまれます。誹謗中傷被害が増加しているにもかかわらず、コミュニティサイトを提供する側は悪質な書き込みを野放図にし、削除の要請を求めてもなかなか応じてくれません。

 今回のコラムは、誹謗中傷に苦しむ人が増加する中で、コミュニティの場を提供する側が悪質な書き込みの削除要請に対して、積極的に応じる必要性を述べます。

● 深刻な誹謗中傷書き込み被害

 警察庁が発表したサイバー犯罪の検挙及び相談状況によると、誹謗中傷の相談件数は減少傾向はあるものの深刻な数値を示しています。

 ネットでの誹謗中傷は、自分は素性を隠して特定の人物や団体を名指しでおとしめるため、道徳的にも卑怯です。人を罵る言葉を連ね、精神的に追い詰める行為は人の道に反します。

 最近は、ネットでの誹謗中傷を救済するためのさまざまな組織があり、悪質な書き込みに対しては主宰者やサイトの運営会社に削除要請をしています。しかし、こうした取り組みにも壁があり、思うようにいかない現状があります。

● 見て見ぬ振りや野放しは中傷行為への荷担

 誹謗中傷の書き込みを削除してもらうには、コミュニティを開設している主宰者に依頼します。しかし、主宰者が削除に応じない場合、運営会社に要請するしかありません。ところが、運営会社も削除に応じないケースが少なくありません。

 運営会社は、現行法に抵触したり犯罪に結びつくなどの書き込みではない限り、外部からの削除要請になかなか応じてくれません。たとえば、以下のような理由をつけて対応を拒んでいます。

  • トラブルは当事者同士で解決してほしい。
  • 個人情報保護ポリシーで対応できない。
  • 当事者以外の第三者による依頼は受け付けない。
  • 情報の真偽が明確ではないので対処できない。

 こうした理由付けは、利用規約などに記されているものもあり、運営側もそれに基づいて回答しています。

 しかし、精神的な苦痛を強いられる誹謗中傷行為の現状を運営側が見て見ぬ振りをするのは望ましいとはいえません。野放しにしたまま何もしないのは、加害者の片棒を担いでいるようなものです。弱者に我慢をさせて時が過ぎれば事態が収束するような考えは、事なかれ主義の典型です。このまま同じ対応を繰り返していても、ネット上で誹謗中傷がなくなることはないでしょう。むしろ、被害者の増加を招きます。

● 方針を決めた削除介入の必要性

 インターネット上での誹謗中傷被害をできるだけ食い止めるには、運営会社も何らかの対応策をもっと講じてほしいところです。

 掲示板などコミュニティの管理者が対応しないときは、介入してでも書き込みの削除に相当する措置を積極的にしていく必要性は今後高まるでしょう。

 運営会社は、自らが介入して削除するのはリスクを伴うとして、積極的な措置に二の足を踏んでいるのかもしれません。しかし、それでは何も解決はできないでしょう。そこで、次のような方法を打ち立てて、削除への足がかりを講じてはと考えます。

  1. 外部から削除要請があったときは、その書き込みを確認する。
  2. 誹謗中傷、あるいはそれに相当する内容であると判断したときは主宰者に削除要請をする。
  3. 一定期間内に回答がないときは、書き込みの掲示の停止、または主宰者が削除をするまでコミュニティの一時停止。

 つまり、運営会社は削除そのものには手を出さず、主宰者自らに削除措置を促すのです。こうした方針は、運営規約等で明記した上で実施します。

 誹謗中傷対策はいたちごっこで、撲滅にはなりません。しかし、野放しするよりはよいと考えます。

 誹謗中傷で精神的に苦しめられている人を少しでも救済することは必要です。運営会社も弱い立場の人に手をさしのべる努力をしてほしいと願います。  


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2014年4月7日発行 第357号

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