特集:徹底比較!メーリングリスト vs チャットワークチャットワークはLINE同様、特定の人に短文メッセージを送ってチャットのような連絡が容易にできるだけでなく、音声での通話もできます。しかも、同時に100人と音声通話ができるため、ちょっとしたオンラインミーティングも開けます。ビデオ通話も搭載しており、Skypeよりも多彩な機能をもっています。チャットワークはIT企業で御用達のツールとして利用されており、KDDIのような大企業でも導入されています。 チャットワークは公式サイトで、メールに代わるツールと銘打って事業を展開しています。今回は、メーリングリストとチャットワークを比較しながら、どのような用途にそれぞれが向いているのかを述べていきます。 ● リアルタイムの業務連絡はチャットワークが最適 業務連絡の中でも、会話に近いやり取りをしたいときはメールよりもチャット感覚で使えるツールのほうが向いています。特に、メーリングリストで短いメッセージが頻繁にやりとりされると、他のメールが埋もれてしまい不便です。しかも、メールは受信をしないと取り込めないので、すぐに返事が欲しいような連絡には不向きです。 こうした、会話のやり取りに近い連絡業務はチャットワークが威力を発揮します。チャットワークは、メッセージを送るとパソコンやスマートフォンに通知が表示され、すぐさま全員に要件を伝えられます。ささいな手直しや確認を伝えたいときなど、すぐに返答がほしいときは特に便利です。 ● 告知案内や深い議論にはメーリングリストが有用 メールの最大の強みは、長文やまとまった文章を扱える点です。告知案内や役割分担リストなどは、チャットの中で流れてしまうと読みにくかったり、必要なときに探し出すのが面倒です。 また、本格的な議論をするときもメールでやり取りするほうがしやすいです。まとまった文章を作り上げるのはメールのような大きな画面が好都合です。議論はじっくり練り上げてから本文を作り、最後に送信するのが基本です。チャットのようにその場ですぐに対応する必要性はありません。 形式的な業務連絡や、奥の深いコミュニケーションを図るにはメーリングリストに代わる効率的な手段は未だ見当たりません。 ● 万人向けの連絡手段はメーリングリスト、スマホ世代はチャットワーク 年配者にとっては、連絡手段のために新しいサービスや機能を習得するのに消極的で、人によっては憂うつをあらわにします。メーリングリストは電子メールの扱いさえ知っていればよいので、ITに馴染めない人でも違和感なく利用できます。なにより、新しく覚えるものはないだけに嫌悪感を抱きません。 チャットワークは、スマートフォンやITサービスを日頃から活用している人であれば習得も早く、使い勝手もよいと感じます。しかし、現代のITサービスに追いついていけない世代は同じように受け取ってくれません。せっかく導入しても一部の人は使わずじまいで、メッセージが読まれていないなどの問題も生じます。 世代的な面で見ると、メーリングリストは万人向けの連絡手段として最適です。チャットワークは、IT世代にとってはもってこいのツールといえます。 ● 用途と年齢層を考慮した選択が最適 チャットワークは、ソフト開発やウェブサイトの制作現場でリアルタイムのやり取りをするのに便利です。気がついた箇所や改良点などをすぐさま全員に伝えてすぐに対処する使い方が実現できます。メールではさすがに即時対応のできる業務連絡は果たせません。 一方、メーリングリストは文書としてまとめられた社内連絡を通達するのに便利です。いざ参照したい時にメールボックスに入っていたはずと連想しやすい利点もあります。また、学術的な議論をする場としてはメーリングリストは今なお健在です。論理的な議論のときは、時間かけて狩猟をまとめあげるので、その場でチャットをするよりも有意義な議論を展開できます。 チャットワークはリアルタイムで短文メッセージを繰り返すやり取りに適しており、メーリングリストは形式的な文章の配布や長文でのやりとりに優れています。適材適所で選ぶのが最も有効です。 そして、利用者の年齢層を考慮した判断も大切です。幅広い年齢層の人たちに一斉連絡するときは、メーリングリストのほうが浸透しやすく、若い世代が大半の連絡にはチャットワークのほうが使い勝手の面で好都合といえるでしょう。 メーリングリストとチャットワークは、画一的な優劣はつけられません。用途と年齢層を考慮しながら検討するのよいです。
2014年3月7日発行 第356号
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