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よもやま話:薄さと軽さに高性能を加えたiPad Airの魅力

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 アップルの初代iPadを購入して3年半、今なおウェブサイトの閲覧やメルマガの執筆で大きな戦力として活躍しています。ところが、昨年からは性能の問題で最新のOSにアップグレードできなくなりました。古いOSのまま使い続けていくうちにサポート対象外のアプリも増え、さらに内部メモリが少ないためにアプリが使用中に強制終了するケースが頻繁に生じ始めました。秋に新型のiPad Airが発表され、いよいよ買い替え時とばかりに、発売初日にさっそく手に入れました。色はスペースグレーで、奮発して64GBモデルを購入しました。

 初代iPadと比較するにはいささか時代にそぐわないところはありますが、驚くほど進化したiPad Airのすばらしさを書き綴ります。

● iPad miniと一瞬見間違えるほどの薄さと大きさ

 はじめてiPad Airを手に持ったとき感じたのは、一見iPad miniかと思わせるような軽さとコンパクトさでした。従来のiPadを固定概念でイメージすると縁の幅が均等なボディを思い浮かべますが、iPad Airは縦長の縁の幅が狭くなり、その分の広がりがなくなりました。iPad miniを若干大きくしたのと同じ形をしているので見間違えてしまいます。幅を小さくしたおかげで、手が大きい人であれば片手で両幅をつかんで持つこともできます。

 そして、持ったときの軽さに驚かされます。iPad Air Wi-Fiモデルの重さは469gで、前代の652gと比べてはるかに軽量化しています。ちなみに初代iPadは680gで、3年半で211gもダイエットしています。初代と比べると、ニュース週刊誌一冊分は軽くなったと考えてよいのではないでしょうか。

 目を見張るもう一つの点は薄さです。前のモデルのiPadの薄さが9.4mmであるのに対して、iPad Airは7.5mmと新型のiPad miniと同じにまで薄くなりました。2mmの違いは手にとったときに体感できるほどで、ここまで薄くなったのかと驚かされます。ちなみに、初代iPadは13.4mmで、実に3分の2以下にまで薄くなっています。

 iPad Airは、軽くて薄くて持ちやすいの三拍子が揃っており、軽さを重視する女性にも一目を置かれるのではと思いました。持ち運びや重さを考慮してminiを選択してきた人にとって、画面が大きくて見やすいiPad Airを検討する価値は大いにあります。

 今まで、10インチタブレットは大きいというイメージが強かったですが、幅を小さくしてスリム化したことによってその概念が崩れつつあります。バッテリの駆動時間はそのままで、よくぞここまでそぎ落としたと、驚きを隠せないほどです。

● ステレオスピーカー内蔵で響きのあるサウンド

 iPad Airで次に驚いたのは外部スピーカーからの音の良さでした。今まではモノラルスピーカーで、音は悪くないものの高音の強い味気ない音でした。iPad Airではステレオスピーカーが搭載され、中低音が出るようになりました。しかも、バスのきいた音が心地よく耳に伝わります。実際にゲームサウンドを外部スピーカーから出すと迫力が増しているのがわかります。

 音質に敏感な人には十分な満足度を得られるほどではありませんが、何気なくスピーカーから音を出して音楽を楽しんでいる人にはうれしい改良です。

● 圧巻の処理速度でネットやアプリがより快適に

 初代iPadからの買い替えのせいもありますが、今まで店頭で前機種を触ってきたことも踏まえても、iPad Airの処理性能は高速化しているのを肌で実感しました。

 特に、ブラウザの表示処理は明確です。グラフィック処理とWi-Fi処理を大幅に向上させているため、その恩恵を最大に受けています。Wi-Fi環境でネットに接続したとき、写真を数多く掲載しているサイトやfacebookのような複雑な処理の多いサイトにアクセスすると、ほとんど待たずに表示が完了します。この高速さは、アップルストアの店員もセールスポイントとしてアピールしていました。

 新たに64bitプロセッサを搭載したためアプリの起動も速く、描画や文字認識といった複雑な処理はまったくストレスを感じません。今後は64bit対応アプリが続々と登場するのが見込まれます。ゲームやメモアプリは描画のみならずジェスチャなどの複雑な処理を頻繁に行うため、64bitの力を最大限に発揮すればさらに快適さが増すでしょう。それだけに、パワーのあるプロセッサの搭載は頼もしくありがたいの一言に尽きます。

● カメラの映像は顔の表情が明るく描写

 今までカメラを搭載していないiPadを使っていたのではっきりと断言はできませんが、iPad Airでビデオ通話をすると、フロントカメラから映し出された顔の表情が強い照明なしでも明るく見えます。おそらく、レンズの性能だけでなく映像処理を内部で施している気がします。同じ条件でMacBook Proのカメラを使うと、顔が暗くて表情がきれいに映りませんでした。

 スカイプやfacetimeを使ってビデオ通話をするときには、特別な調整をしなくても顔の表情をきれいに相手へ送れるのはありがたい機能です。

● 緑色が強い液晶画面にやや違和感

 iPad Airで不満を挙げるとすれば、液晶の色合いでグリーンが強すぎる点です。ライトイエローが緑がかった黄色になったり、緑自体も濃い色をしています。もう少し、グリーンの階調を落としてもよかったのではないかと感じました。この色階調はiPad Air特有のようで、既に同様のレビューをしている人もいました。

 グリーンが強い影響で濃い青もやや紫がかった色合いが出ることもあり、全体的にコントラストがきついカラーバランスです。もう少し淡い色調でもよかった気がしています。使っていくうちに目に負担がかからないかやや心配です。

● 閲覧だけでなく高度な作業もこなす高性能タブレットに進化

 初めてiPadを手にしたときは、タブレット端末は情報を閲覧するための最良の道具と思っていました。iPad Airは、単なる閲覧だけでなく、指で作業のできる情報機器だと実感しました。

 初代iPadを手に入れた頃は、高性能なプロセッサは搭載できないだろうと考えていました。それゆえ、タブレット端末は高度な処理をするための道具ではなく、情報を得るためのツールであると捉えていました。しかし、その後のプロセッサの進歩はタブレット端末に新たな潜在能力を与えました。  

 iPad Airは、指を動かして写真を自在に操ったり、走り書きの文字を認識してテキスト化するような高度な作業を軽々とこなしてくれます。これらはマウスやキーボードでは操作の難しいだけに、指先で操作できるタブレット端末のほうが楽にこなせます。今後は、受け身だけでなく能動的な活用にもタブレット端末は力を発揮するとまざまざと感じました。しかも、性能を意識することなく、自然と要求を実現してくれるところはアップルらしさを引き継いでいます。安かろう悪かろうの製品を送り出さないところはさすがアップルです。

 iPad Airは、10インチクラスのタブレット端末で課題とされていた持ち運びや重さの短所を克服し、複雑な処理を必要とするアプリも余裕をもって動作させる優れた端末といえます。iPhone 5sで採用している指紋認証機能が搭載されなかったのは残念ですが、長く初代iPadを使っている人や、iPad2に物足りなさを感じてきた人には買い替える価値のある製品です。


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2013年11月8日発行 第352号

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