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特集:デビュー前に抑えておきたいスマホ選びの基礎知識

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 路上や電車内で見かける携帯電話はスマートフォンが圧倒的に多くなりました。今使っている携帯電話もそろそろ買い替えの時期、いっそ自分もスマホにしようと考えている人もいるのではないでしょうか。

 しかし、家電量販店へ行くと携帯電話各社がずらりと最新のスマートフォンを並べていて、どれを買ったらよいのか見当すらつかず頭を悩ませます。

 今回の特集は、はじめてスマートフォンを買う前に抑えておきたい基礎知識や選び方、さらに購入後の注意点について取りあげます。

<スマートフォンの基礎知識>

● スマートフォンって何?

 スマートフォン(smart phone、略してスマホ)は、携帯情報機器から発展した、通話とインターネットができる新しい情報端末です。スマートとは英語で、賢い、きびきびした、すっきりしたという意味があり、直訳すれば賢くてすっぽり収まる電話機です。店頭に並んでいるスマートフォンを想像すると言葉の意味が理解できます。スマートフォンの代名詞とも言うべきタッチパネル操作はまさにスマートそのものです。

 それに対して、日本で普及してい従来型の携帯電話(フィーチャーフォンといいます)は電話から発展した情報機器です。この種の携帯電話から通話機能をとれば、所持する価値は半減します。さすがにiモードだけでは物足りないです。

 スマートフォンの大きな特徴は、アプリと呼ばれるソフトを組み込むことで使い勝手を自分好みに向上できる点です。従来の携帯電話でもアプリはありましたが数が少ないのに対して、スマートフォンには仕事からプライベートに役立つさまざまなアプリが無数に出回っています。

 スマートフォンと従来の携帯電話を食事で例えるなら、スマートフォンは好きな料理(アプリ)を自由に選んでトレイ(本体)に乗せるカフェテリア形式のランチであるのに対して、携帯電話はご飯、おかず、味噌汁(基本機能)があらかじめ用意された定食屋の食事のようなものです。

● スマートフォンの種類

 スマートフォンは、大別すると次の3種類があります。

・ iPhone(アイフォーン)

 アップルが開発した現在のスマートフォンの火付け役ともいうべき携帯電話。指先でのタッチ操作とアプリを使った今のスマートフォンを形成したのはこのiPhoneが最初です。

    長 所
    1. 画面のタッチ操作や軽快で、指の動きに合わせて思い通りに操作できる。
    2. 基本システムの扱いやすさは群を抜く。
    3. アプリの数が豊富で高機能。
    4. アップルのみが開発・販売し、一機種ないので選択に迷わない。
    5. ウイルス感染や不正アプリの対策がしっかりしている。

    短 所
    1. 国内ではソフトバンクauしか販売していない。NTTドコモでは取り扱っていない。
    2. ワンセグやおサイフケータイなど国内独自のサービスは使えない。
    3. 定価での販売で値引きがきかない。

・ Android携帯

 Googleが開発しているAndroid(アンドロイド)という基本システム(OS)を搭載した携帯電話で、さまざまなメーカーが製品を手がけています。

    長 所
    1. 国内の携帯電話各社が販売している。
    2. ワンセグやおサイフケータイは対応している機種であれば利用できる。
    3. Googleが提供しているサービスとの連携がよい。

    短 所
    1. 画面表示やタッチパネルの操作性がiPhoneと比べ劣る。感度の悪い機種は操作にストレスを感じる。
    2. 基本設定が多く、パソコン並みに振り回されることが多い。
    3. アプリの数はiPhoneと比べ少ない。
    4. ウイルス感染や端末内のデータ流出などセキュリティに弱い。
    5. Androidは機種ごとに最新版を配布しなければならず、使っている機種によっては更新が打ち切られる場合もある。

・ Blackberry

 Blackbeery(ブラックベリー)は、カナダのリサーチ・イン・モーションという会社が開発した携帯電話で、iPhoneが登場するまではこのBlackberryがスマートフォンの代表格でした。主に、幹部クラスのビジネスマン向けとして欧米で広く使われています。マイナーな機種ですが、タッチパネル搭載の機種が最近登場し、日本でも注目され始めています。ポルシェデザインとのコラボモデルも登場し、携帯電話ファンの間で話題を呼んでいます。

    長 所
    1. キーボードが付いているので、メールを打ちやすい。このキーボードがBlackberryの最大の特徴。
    2. 独自の暗号化通信をしているので情報のやり取りをする上で信頼性が高い。ビジネスマンに愛用されている理由はここにあります。

    短 所
    1. 国内で取り扱っているのはNTTドコモのみ。
    2. 日本語版のアプリが少ない。
    3. 画面が小さいのでネットサーフィンには不向き。
    4. 開発会社の経営に不安があり、今後の先行きが不透明。

● iPhoneとAndroid携帯はどちらが優れている?

 総合的な性能と使いやすさからいえば、圧倒的にiPhoneが上です。カタログではわからない指先で操作したときの反応の良さや、画面を縦から横に変えたときの反転表示のなめらかさなど、違和感のない使い心地はiPhoneの素晴らしい点です。

 しかしiPhoneは、あくまでアップル独自の世界観を打ち出して送り出しています。そのため、日本国内でしか利用されていないサービスは一切取り入れることはありません。つまり、ワンセグやおサイフケータイはiPhoneでは使えません。

 iPhoneは性能はよいものの、日本独自のサービスを利用する上では難があることをふまえておいてください。

<スマートフォンの選び方>

 スマートフォンを選ぶ際は、系統立てて整理しながら消去法で選別していくと絞り込めます。

 自分にあったスマホを選ぶときの機種選びの方針を紹介します。なお、BlackberryはNTTドコモしか扱っていない機種で、この機種を買いたい人にとっては他を比較する要素がないため対象から外します。

○ iPhoneにするかAndroid携帯にするか?

 スマートフォンを選ぶときの初めの一歩は、iPhoneにするかAndroid携帯にするを決めると方向性が見えてきます。

 iPhoneを買おうと決めたときは、取り扱っている携帯電話会社を選びます。

 iPhoneはソフトバンクauのどちらかの携帯電話会社しか販売していません。つながりやすさで選ぶならau、料金で選ぶならソフトバンクがおすすめです。ただし、ソフトバンクは携帯電話の周波数帯(プラチナバンド)を新たに獲得したので、今後の設備拡充で回線品質の改善が見込まれています。

 NTTドコモからiPhoneを販売してほしいという消費者からの要望はあるものの、現在のところ実現の可能性は期待できません。どうしてもドコモの回線でiPhoneを使いたい人は海外で売られているSIMフリー版を購入する方法があります。

 SIMフリー版のiPhoneは国内需要が高まり、大手家電量販店でも取り扱う店が出始めました。店頭のほか、オンラインショップでも販売しています。

 iPhoneのSIMフリー版はAppleの正規品ですが取り寄せは国内の正規ルートではないため、入手の際はリスクを伴います。購入後の設定も自分で行わなければならないため、はじめてスマートフォンを購入する人にはお勧めしません。

○ ワンセグやおサイフケータイは必要か

 iPhoneを購入対象から外せば、Andoroid携帯から機種を選びます。そのときに選定材料となるのが、従来の携帯電話で使える機能が備わっているかです。

 搭載機能として欠かせないのが、ワンセグやおサイフケータイ、赤外線、防水・防塵機能です。これらの機能をすべて詰め込んだスマートフォンを「全部入りスマホ」といいます。

 全部入りスマホは高機能であるため価格も高めです。予算を考慮して購入を検討してください。

○ 高速データ通信機能が必要か

 スマートフォンはウェブサイトを閲覧したり、動画を見るのにも大変便利です。その際、高速な通信回線があれば快適です。外出先でインターネットをフル活用することを考えているのであれば、NTTドコモのXiなど次世代高速回線に対応した機種を選ぶのが最適です。

 ただし、高速通信に対応したスマートフォンは最新の性能を搭載した機種が多く、値段も高めです。また、高速回線を利用するには専用の料金プランに加入しなければなりません。携帯各社は割引プランやキャンペーンを実施していますが、それでも月額のデータ通信費はかさみますのであらかじめ念頭に入れておいてください。

○ iPhoneも高性能スマホもいらない

 高機能で高価なスマートフォンを手に入れても宝の持ち腐れという人は、残りのラインアップから選ぶことになります。

 特定の機能を求めないのであれば、一つ前に発売された機種を選ぶのもよいです。値下げされて販売しているので、安価に購入できます。

 最近はスマートフォンの数が増え、発売されたばかりのものでも人気のない機種は破格値で売られています。まずはお試しでスマートフォンを使ってみたいと考えている人は、この手の値崩れ品を検討する方法もあります。ただし、後述するセキュリティ対策で不安があり、状況によっては買い替えサイクルが早まるかもしれません。

<購入後の注意点>

 念願のスマホデビューを果たせば、どこにいてもスマートフォンを使いたくなります。しかし、従来の携帯電話では気にかけなくてもよかった注意点があります。

○ バッテリーの消費が早い

 スマートフォンは小型のパソコンに匹敵する電子機器のため、電力を大量に消費します。従来の携帯電話と比べてバッテリの持続時間が短いため、使い方によっては一日使っただけでバッテリが底をつきます。帰宅したら充電を忘れずに心がけてください。スマートフォン専用の予備バッテリーも市販されていますので、ヘビーユーザーになったときは調達しておくと便利です。

○ 月額の通信費がかさむ

 スマートフォンは従来の携帯電話よりもデータ通信を大量に行います。上限つき従量制のパケット定額プランで何気なく外出先でネットを利用しただけでも、すぐにパケット上限額に達します。通話料金とあわせると毎月の支払額が増えることを覚悟しておいてください。購入時はフラットプランでの契約をおすすめします。

○ Andoroid携帯はウイルスの対策を

 Andoroid携帯は、個人情報をねらったウイルスプログラムが横行しており、ウイルス感染の危険と隣り合わせな面をもっています。携帯電話会社によっては無料のセキュリティプログラムを用意していますので、必ずインストールするようにしてください。また、Androidのシステム更新の通知が来たときは手順に従って速やかに作業するようにしてください。

 なお、Androidのシステムは機種ごとに用意しなければならないため、機種によっては更新プログラムの配布を打ち切られる場合があります。特に売れない機種は更新プログラムの配布が早々に終了する場合もありますのでご注意ください。

○ 置き忘れに注意

 スマートフォンは住所録や電話帳だけなく、アプリで使用しているネットサービスのアカウント情報や、人によっては守秘義務のある書類ファイルも保存しています。うっかりどこかに置き忘れたりすると、第三者に見られたりするだけでなく、盗難されればなりすましによる悪用もされかねません。

 スマートフォンを持ち歩くときは、使用時にパスワードを入力する設定にしたり、常に身につけておく習慣をつけるのが得策です、

 スマートフォンを身につけておくための便利なグッズも販売されています。

○ 歩きながらの使用は危険

 最近社会問題となっているのが、路上で歩きながらのスマートフォン操作です。従来の携帯電話よりも端末操作や画面の閲覧に神経を集中するため周囲への注意がおろそかになり、人にぶつかるなどのトラブルや事故を引き起こします。

 スマートフォンを使用するときは歩きながらの操作はせず、立ち止まって隅に寄るなどして他人の往来の邪魔にならないよう心がけてください。

○ 適度に目を休める

 スマートフォンは小さい画面の中に表示されている情報が多いせいもあり目が疲れます。目に負担をかけると視力の低下にもつながりますので、長時間の使用は控えて適度に目を休めることをすすめます。

 スマートフォンを実際に購入する際は、自分自身で実物を触ってから決めるのが最良です。安い買い物ではありませんので、販売店の店員と相談しながら自分に最適な一台を手に入れてください。


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