特集:スマートフォンとアプリでメーリングリストを楽しもう今年に入り、メーリングリストの分野においてもスマートフォン対応のアプリが登場しました。メーリングリストサービスの大手freemlが今春、iPhone向けに自社のサービスを利用できる専用アプリfreeml for iPhoneを公開し、さらに夏にはAndroid版のfreeml for Androidを発表しました。アプリの使い勝手は好評で、メーリングリストの新たな活用スタイルを拓こうとしています。 今回の特集は、実際にiPhone版のfreemlアプリの使い心地をレビューとしてまとめ、スマートフォンと専用アプリによるメーリングリストの新たな活用スタイルについて紹介します。なお、スマートフォンを持っていないため、iPadでアプリを試しました。 メーリングリストのしくみや活用方法などの基礎知識を知りたい方は下記サイトをご覧ください。 写真付きでのfreeml for iPhoneと、その後開発されたNTT docomo携帯版のfreeml for iアプリの使用レポートもあります。 ● 内蔵のメール機能だけでもメーリングリストは快適スマートフォンは内蔵のメール機能を使うだけでもメーリングリストを不自由なく利用できます。特に、メールを読む際に画面を指で上下になぞるだけで本文全体を一読でき、タッチ式のキーボードによる入力作業はボタンを繰り返し押して入力する携帯電話と比べてはるかに快適です。メールをじっくり読んで少々込み入った内容のメールを書けるのは従来の携帯電話より優れています。 このようなメールを読み書きする際の快適な操作環境に加えて、メーリングリストの利便性を高めてくれるのが専用のアプリです。 ● freemlのアプリはこんなことができる 今回公開されたfreemlのアプリはiPhone版とAndroid版の二種類があり、どちらも無料で入手できます。このアプリを使うと、freemlで提供しているメーリングリストサービスを統合的に利用できます。 アプリの概要と入手方法は下記のページに紹介されています。スマートフォン用アプリのほか、NTT docomoの一般携帯電話用iアプリもあります。 freemlのサービス全般はこちらを参照してください。 アプリは、iPhone版、Android版いずれも次の機能をもっています。
● freemlアプリのここがおすすめ 実際に試してみて、特筆すべき点を挙げてみました。 ・ 複数のアカウントを一括管理できるのはアプリだけ このアプリは、複数のアカウントを一括して管理できるのが最大の特徴です。複数のアカウントでウェブからfreemlを利用する際はその都度ログインし直さなければなりませんが、アプリでは起動時に登録したすべてのアカウントは自動的にログインします。パソコンや携帯電話、あるいはフリーメールアドレスなど複数のメールアドレスでfreemlを利用している人にとって、それぞれのアドレスで登録しているメーリングリストをひとまとめにできるのは大変便利です。 ・ アカウント一覧からメールの閲覧までタッチ操作でたどれる freemlアプリは起動するとアカウント一覧が表示され、アカウントを指先でタッチ(タップ操作)するとそのアドレスで登録されているメーリングリストの一覧を表示します。次に、メーリングリストをタッチすると、これまでに流れたメールの件名が表示され、読みたいメールをタッチすれば内容を閲覧できます。これら一連の操作を指先だけで操作できるのは実にシンプルでわかりやすく大変使い勝手がよいです。このアプリでのメーリングリストの閲覧はスマートフォンのタッチ技術を最大限に生かして作られているので、利用者からも好評を得ています。 ・ ブラウザでメーリングリストを利用するよりはるかに快適! ブラウザを使ってfreemlのサイトにアクセスすると、何度も新しいページを読み込むため動作に時間がかかることが多くストレスを感じます。アプリではインターネットからの読み込みが少ないため個々の処理が迅速です。また、ブラウザではあちこちに機能が分散していて目的の機能を探し出すのに手間取ることがしばしばあります。アプリでは作業項目が画面の上部と下部にまとめられているので、目的の機能が見つけやすいです。アプリの機敏さと直感的な項目の配置はブラウザよりはるかに快適です。 ● メーリングリストの設定管理は今後の課題 freemlアプリは産声を上げて間もないだけに課題はたくさんあります。一番の課題はアプリ上で管理人によるメーリングリストの設定作業がしにくい点です。現段階では、メーリングリストの細かな設定やメンバー管理作業はアプリ上からfreemlのウェブサイトを表示して操作するようになっています。ところが、いざ作業に入るとあちらこちらのページに飛ばされ、頭が混乱してしまいます。参加メンバーのブログ閲覧でも、ナビゲーションが不十分なため途中で戻れなくなるときがあります。おそらく、アプリの開発方針としてメーリングリストのメール閲覧と新規メッセージの作成機能を優先し、それ以外は今後進めていくのだろうと思います。アプリでのメーリングリスト管理操作の改善は今後に期待したいです。 ● スマートフォンアプリの登場でメーリングリストの活用がより柔軟に スマートフォンと専用アプリは、メーリングリストの活用スタイルををより柔軟にしてくれます。freemlのアプリはパソコン版と携帯版のメーリングリストの垣根をなくし、パソコン版のメーリングリストを外に持ち出せる新たな利便性を与えてくれたのです。パソコン版ならではのじっくりと話し合うメーリングリストも駅のホームやカフェで気軽に読んで返事を書いたり、携帯版ならではの仲間内によるメールチャットも気分転換に楽しめるといった、よいとこ取りの活用はアプリならではといえます。今後、freeml以外のサービスでも同様のアプリが開発されれば、これまで培われてきたメーリングリストの発展に大きな飛躍をもたらすでしょう。 ● タブレット端末専用のアプリにも期待 今回、iPadを使ってfreeml for iPhoneを使用しました。iPhone向けのアプリのため、iPadで使用するとiPhoneと同等の画面解像度で表示されてしまい、iPadに適した画面表示での利用はできませんでした。iPadの大画面表示に対応すれば、メール全体の内容を把握しやすく、メール作成や付加機能の使い勝手も向上するのは間違いありません。アプリの使い勝手は利用者から評価されているだけに、ぜひiPadなどタブレット端末向けのアプリ開発も進めてほしいです。 メーリングリストのアプリはメールとウェブに次ぐ新たなメーリングリストの利用システムとなるでしょう。それだけに、今後の開発が楽しみです。機会があればぜひ試してみてください。
2010年8月23日発行 第311号
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