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よもやま話:メルマガを10年書き続ける秘訣

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 メーリングリスト週刊情報誌ML weklyは2000年3月4日に創刊号を発行してから10周年を迎えました。10年間、一度も穴を開けることなく一人で発行し続け、今日に至りました。創刊号が産声を上げた2000年は、インターネットが家庭へ急激に浸透しはじめた頃でした。当時はまだNTTのテレホーダイが全盛のダイヤルアップ接続が主流で、ADSLのようなブロードバンド常時接続環境はやっと出始めたばかりでした。それから10年、今では光ファイバーが当たり前のインターネット環境になり、ブログ、SNS, Twitterとあらゆるネットサービスが提供されるに至ってます。

 インターネットのめまぐるしい進化の中、10年間継続して発行しているメールマガジンはまだそう多くはないはずです。今回は創刊10周年を記念して、10年間メルマガを書き続けるための秘訣を綴っていきます。経験者は語る程度で大それた内容ではありません。気軽に読んでもらえれば幸いです。

 まずは一般的な話として、発行者の意欲や活力を維持する秘訣です。

● 根気だけでは続かない

 昭和のスポ根のように、根性や精神力を前面に出しつつ根気だけでメルマガの発行を続けてもいずれ疲れ切って記事を書くのがつらくなってきます。漠然と記事を書き続けていれば、しだいに中身が薄れ読者離れに歯止めがかからなくなります。長くメルマガを書き続けていくには、根気以外に、強い意志をもって記事を書く何らかの意義を自分で見いだしておくのが大切です。

● 自分だけしか書けないテーマほど長く続く

 その強い意義に当たるのが、メルマガのテーマです。テーマはメルマガを長く続けていくための意欲につながる重要な要素です。特に、誰もが取りかかりやすい話題や一時的な流行をテーマにすると、同業のメルマガとの差別化が難しく、ブームが去れば下火になり発行意欲も薄れて自然消滅しがちです。一方、自分ならではのオリジナル性の高いテーマは独自色が出せるので、常に我が道を歩き続けることができます。この開拓的な執筆…発行の繰り返しが長く続く結果につながっています。

● やめたらおしまいと思うとがんばれる

 さらに、独自のテーマでメルマガを発行していると同業者がいないこともあり、自分がここでやめてしまえばこの分野のメルマガはなくなってしまうだけに、なんとか書き続けていこうと底力が出てきます。不思議なことに、発行を長く続ければ続けるほど、「やめたら終わり」という気持ちが強くなります。この分野のスペシャリストという自覚意識が自分でも気がつかぬうちに高まっているのもきっと書き続ける原動力になっているのかもしれません。

● 横ばいの読者数は愛読者のいる証し

 メルマガを発行していれば読者数は常に気になります。じわじわと読者数が減っていくと、発行も潮時かと踏ん切りをつけたくなります。しかし、減少がある程度横ばいになってくるとそれ以上急激な落ち込みがなくなってきます。これは、根強い読者がいることを意味しています。もちろん、単に登録だけしているだけで中身に目を通していない読者も含んでいますが、実際に愛読している人もいるのは間違いありません。愛読者とのつながりも発行をやめてしまえば途切れてしまうので寂しくなります。こうした常にいる読者がいる限りは、とことんがんばろうと思う力がみなぎります。

● 後で読み返す楽しみは長くなるほど大きい

 長く書き続けていくほど楽しくなるのが、今までに自分が書いてきたメルマガを読み返すことです。発行当初はこんな記事を書いていて中身もずいぶん薄かったのだなと、振り返っては今の内容との違いにほくそ笑むのもちょっとした楽しみです。また、最初は純粋に思いを綴っていたのが、いつしか論理的に密な内容に変わっていったなど文章力の進歩や変化にも気がつきます。自分の論述スキルをじっくり検証でき、今後に役立たせていこうと考えると一層のやる気もわいてきます。

● 書き続けていれば大きな機会に恵まれる

 きちんとした内容を書き続けていけば必ず誰かが一目を置いて読んでいます。その発行姿勢を続けていれば実を結ぶ出来事が必ず訪れます。その一例が、ヤフーなど大手ポータルサイトからのリンクです。ニュース記事の中で参考リンクとして採用されたり、ときには大手新聞社やテレビ局から取材や記事の放映依頼が舞いこみます。地道な活動が大きな実を結ぶ喜びは発行活動を長く続けてきたやりがいを感じ、さらなる向上心を沸き立たせてくれます。

 それ以外にもML weekly特有ですが、作業の効率化や記事の再活用が発行の継続に大きく寄与しています。

● メルマガ発行をプログラムで処理

 ML weeklyは掲載応募を受けたメーリングリストのデータ抽出や、記事の編集を手作業ではなく自作のプログラムで自動処理しています。おかげで、特集記事や編集後記を執筆しておけばあとはプログラムを実行するだけで発行日から目次、本編のレイアウト、そして掲載メーリングリストのリスト化といったすべての工程を瞬時に仕上げることができます。最初にプログラム化しておいたので発行作業が実に快適で重宝しています。

● すべての記事はサイトで公開

 もともとメルマガで掲載した記事はHTMLコンテンツとして二次利用するつもりでいました。その際、メルマガ発行時に見落としていた誤字を修正したり、内容の補足、文章のブラッシュアップをしてから公開しています。さらに公開後から時間が経過して記事中の掲載サイトがリンク切れになったときは適宜修正するなど細かな作業も施していました。HTMLコンテンツは他のコンテンツとあわせて全文検索できるようにして、サイト全体で活用できるようにもしました。アクセス解析からどの記事が利用度が高いか把握し、その後の特集記事の企画に役立てています。特定の記事には他のサイトからリンクされるだけに、サイト運営とメルマガの記事を有効活用していくとやりがいが出ます。

 メルマガを10年続けるのは気がついてみればあっという間です。しかし、長く続けていくには自分なりの動機付けややりがいを抱いていなければ成し遂げられないと自負しています。次の目標は発行15年です。達成できるようがんばって書き続けるよう努力していきます。

 最後に、これまで愛読ならびに応援してくださった読者のみなさまに厚く御礼申し上げます。


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2010年3月27日発行 第306号


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