特集:メーリングリストこの一年2009恒例のメーリングリストの一年を振り返る「メーリングリストこの一年」、今年はどんな出来事があったでしょうか。 ● ウェブベースのシステムをさらに充実させた大手MLサービス 大手メーリングリストサービスは、年々メール単体からウェブを基本としたサービスに力を入れており、今年も機能を充実させました。freemlは、フォト共有機能やメール本文に地図を表示できる新機能を取り入れて、いっそうの利便性を高めました。Yahoo!グループは、従来のメールを基本としたメーリングリストサービスからウェブを中心としたサービスへ位置づけを転換しました。リニューアル後、これといった特別な変更はありませんでしたが今後の開発に期待がもてます。freeml、Yahoo!グループ両サービスはいずれもコミュニティを基軸とした戦略は変わらず、これまで築き上げた「人の集まる場作り」を意識した機能の強化をすすめています。メーリングリストで培ったノウハウを生かしたサービス展開は今後も続くと見込まれます。 ● 携帯向けメーリングリストサービスの新顔は今年も増加 携帯向けメーリングリストサービスもブームは去ったものの、ミログメーリスやフレンド@メールほか新規参入する企業が名乗りを上げました。きさくなデザインのウェブサイトから、若者をターゲットにした事業展開をすすめています。今後は各社がターゲットとする顧客層にいかに応えるサービス作りをしていくかが大きな課題となるでしょう。一方、PC向けのメーリングリストサービスは休止傾向の一途をたどっています。老舗サービスの一つ「りすめーる」もそのひとつで、無料メーリングリストの募集を停止しました。今後も中堅PC向けメーリングリストサービスは縮小の動きに歯止めがかからない模様です。 ● 今後は新たなコミュニティサービスとの融合に活路を 今年はtwitterが一大ブームを巻き起こしました。SNS、オンラインゲームなど大規模なネットサービスは今後もそれぞれの分野で成長していくでしょう。しかし、これらのサービスには気のあった仲間同士がサービスを利用していないときに互いに連絡を取り合う手段が整っていません。メーリングリストの最大の強みである常に複数の人にメッセージを送れる機能は、大規模コミュニティサービスに一層の機能強化を与えられます。メーリングリストサービス内で独自の機能開発を推し進めるだけでなく、大規模コミュニティサービスとの事業提携していくことは、新たなメーリングリスト事業の活路として大きな選択肢になるのではと考えます。これについては、あらためて特集を組んでみます。 今年のメーリングリスト事業は大きな親展もなければ衰退もない平坦な一年でした。何か大きなきっかけができればまた新たな飛躍をするでしょう。それを期待しつつ来年を迎えたいです。
2009年12月25日発行 第303号
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