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よもやま話:携帯2008年秋冬モデルdocomo FOMA P-01Aレポート

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 これまで携帯電話は、通話とメール、iモードで携帯サイトを軽く閲覧できれば十分で、5年以上も同じ携帯電話を使い続けてきました。以前、ML weeklyで紹介した富士通のF2051という今では化石のような機種です。しかし、この携帯電話の調子が悪くなり、通話に支障が出てきました。また、古い携帯電話を使い続けても、割高な基本料金を支払い続けるため費用面でも損をします。そろそろ、おサイフケータイやワンセグ、QRコードの読み取りなど時代に合った機種が使える機種への切り替え時と感じました。そこで思い切って発売したばかりのdocomoの新型携帯電話を一括払いで購入しました。機種は、パナソニックのFOMA P-01A、WオープンスタイルのVIERAケータイです。

 今回はML weekly番外編として、このP-01Aの使用レポートを紹介します。なお、写真入りの紹介記事をブログで公開していますので、そちらもぜひご覧ください。

Panasonic P-01Aについてはこちらを参照してください。

● P-01Aを選んだ理由

 以前から、新しく携帯電話を買い換えるとしたら、次の条件と決めていました。

  1. とにかく機能がぎっしり詰まった高性能機
  2. ワンセグが視聴できる
  3. おサイフケータイが使える

これらの条件で去年からP905iやP906iをずっと検討していました。理由は

    横に置いてワイド画面でワンセグが見られる

点にありました。ノートパソコンでメールや文章を書きながらワンセグ放送を視聴したかったからです。予算が調い、P906iをそろそろ購入しようとした矢先に新機種が発表されたので、迷わずP-01Aを選びました。

● デザイン

 外観は突起物もなく、角もなめらかに作られています。20〜30代にターゲットを置いたおしゃれなデザインです。色は赤、白、黒、ピンクの4色で、いずれも強烈な色ではなく淡い色合いに仕上がっています。男性よりも女性向きの色に感じます。男性が選ぶには光沢のあるメタリックな色がほしい気がします。私は、赤(グラマラスレッド)を選びましたが、これも当日悩んだ末に決めました。P906iにあるメタルがあれば悩まずにすみました。

 携帯を閉じたときの上蓋には淡い色で表示されるデジタル時計のほか、着信やメール受信を知らせるヒカリドロップスと呼ばれる丸いイルミネーションが光ります。輝度のきつさがない丸い表示がしゃれています。

● 価格

 高機能だけに価格は6万円と高額です。ずっとドコモの機種を使い続けていたおかげで5年以上の契約者に適用される「ご愛顧割」で3,150円引きになり、さらに貯まっていたドコモポイント2,500円分を使って54,000円で購入しました。大手家電量販店で購入したので、 10%のポイント還元がついており、実質48,000万円弱といったところです。同時購入で割り引きされると言うことなので、2GBのmicroSDメモリも買いました。2,500円が20%割引で2,000円でした。

● 使い勝手

基本操作

 操作体系はこれまでのパナソニック製の携帯電話と変わりはありません。今まで富士通の携帯電話を使っていたので、使い方は一から覚え直しです。印象としては、設定項目が細かすぎて、目的の項目にたどり着くまでに手間がかかります。細分化されすぎていて複雑な気がします。

 パナソニック独自の機能である、携帯電話を縦と横に開閉できるWオープンスタイルはP-01Aでも快適です。設定次第で横に開いたときは自動的にワンセグを起動するようにもできます。横に開くときはほとんどワンセグを視聴するときなので、手間が省けてとても便利です。

2WAYキー

 新機能の目玉は、縦に開いたときと横に開いたときにキーの配列が入れ替わる2WAYキーです。縦で使うキー配列を横開きで使おうとすると、これまでは配置の違いを意識して操作しなければなりませんでした。新た搭載された2WAYキーでは、数字や上下左右のボタンが縦に開いたときと同じ配列になるように自動的に変更され、さらにキー表示も同時に切り替わります。この切り替え機構が実によくできており、縦開きにすると機械的に縦表示用のシートが覆うようになっています。この機械的な構造がデジタルツールにアナログ的な雰囲気を漂わせています。

ワンセグ

 P-01Aのワンセグは画質・感度ともに抜群です。テレビで培ったVIERAブランドだけに鮮明でくっきりとした映像です。横画面にしてワイド表示で視聴すると鮮明さが一層はっきりとわかります。残念なのは、搭載している液晶のサイズが3.1インチとワンセグのライバルであるSHARPのSH-01Aの33.3インチ、NECのN-01Aの3.2インチと比べて小さい点です。見比べるとやや画面が小さいと感じます。しかし、受信感度は他機種と比べ優秀です。鉄筋ビル内にあるドコモショップで同じ位置で受信感度を比べましたが、P-01Aはどのチャンネルでも受信できるのに対して、SH-01Aはほぼ同性能、N-01Aは一部のチャンネルが受信できず差が出ました。

 P-01Aのワンセグ視聴で最も優れている点は、横置きでの2WAYキーとの連携です。横画面で置いたまま視聴するとき、チャンネル切り替え操作がとても便利です。キーが縦に開いたときと同じ配列になっているので、直接数字キーでチャンネルを選択をする際に間違えることがありません。この改善は前機種ののP906iよりも優れた点です。

通話・iモード

 通話品質はここ最近の機種と比べれば変わらないと思います。古い年代物のF2051と比べると音質は格段によいと通話相手から言われました。クリアで携帯電話を少々耳から遠ざけても良好に聞こえると好評でした。感度に関しても申し分ありません。今のところ鉄筋コンクリートのビルの中でも問題なく使えます。

 iモードは7.2Mbpsの高速パケット通信ができるようで、亀が歩くようなのっそりとしたF2051のデータ通信と比べれば見違えるほど速いです。iモードサイトに接続すると1秒程度で画像つきのコンテンツがすべて表示されます。それゆえに、ムダな画像がついたサイトでも途中で中断する間もなく読み込んでしまうので、パケット代を浪費するときがあります。

バッテリー

 さすがにワンセグやiアプリなど、音声やディスプレイ表示、負荷をかける作業をしていると3時間弱くらいしかバッテリーがもちません。当然といえばそれまでですが、長時間連続して使うときはバッテリーの消費を気をつけなければなりません。

カメラ

 510万画素のカメラが内蔵されており、オートフォーカス、顔検出機能と進歩した性能を持っています。撮影した画質はあたりさわりのない品質です。集まった仲間で記念撮影したり、デジカメの持ち合わせがないときに手軽に写真を撮るにはちょうどいいです。16GBのmicroSDHCに対応しているので、たくさんの写真を撮っても余裕で保存できます。ただし、他の機種と異なりフォトライトがついていません。

マニュアル

 分厚いマニュアルが一冊だけ入っていたのにはびっくりしました。必要な情報だけをまとめたクイックマニュアルがあると便利なのですが、使う人が少ないのでしょうか。本体にマニュアルが内蔵されていますが、必要な項目に行き着くには手間がかかるだけに、手元に置いておける薄いマニュアルがほしいところです。

● 総合評価

 とにかく高機能で、短時間に使いこなせる代物ではありません。おおざっぱに使い勝手を試してみたところ、P-01Aは使い勝手が洗練された携帯電話という印象です。その一番のポイントが縦・横いずれに開いたときにもキー配列が迷わない2WAYキーといえます。価格が下がったP906iを買うよりも、洗練された最新のP-01Aを選ぶ方が長く使うには絶対によいです。6万円は価格としては高いですが、長く使っていくのであればよい買い物です。

● iPhoneがほしかったけど・・・

 最後に余談ですが、今回購入したP-01Aは日本国内で使う携帯電話としては機能面で充実しており、これといった不満はありません。すなわち、欠点が少ないそつのない製品です。これは他の機種にも言えることですが、群を抜いた個性が携帯電話にはないと感じています。

 実は、P-01Aを購入する以前にアップルのiPhoneをずっと考えていました。細かい操作を必要としない使いやすさと軽快なタッチパネル、薄い平板のようなデザインは個性的で魅力的でした。しかし、個性だけでは国内で使う携帯電話には定着しない結論となりました。

 その理由は、日本国内で育まれ成長してきた携帯サービスが利用できない点でした。ワンセグ、おサイフケータイ、iアプリなどは日本独自のもので、いきなり鳴り物入りで持ち込まれてきた海外製品では使えません。いくら個性があって性能のよい製品でもその土地に親しまれているサービスを使えなければ魅力を失ってしまいます。iPhoneはほしかったのですが、結局品定めの段階で候補からすんなり外れました。iPhone発売当初の活気が瞬く間に失速したのもうなずけます。

 GPSやiコンシェル、フルブラウザなど試していない機能やサービスが山ほどあります。パケット代と相談しながら今後ゆっくり使ってみます。なにしろ、着うたやデコメールも初体験という浦島太郎の状況です。これで携帯電話も時代について行けそうです。


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2008年11月27日発行 第290号


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