コラム:顔が見えない人と向き合うときの心構えしかしながら昨今、ブログや掲示板で見かける書き込みの中には実際に顔を向かい合わせたときでもできる言動なのか眉をひそめる内容を見かけます。見ず知らずの人に対して無礼を通り超えた暴言や無責任な書き込みが罪悪感なしに平然とされる光景は人としての品格にも関わる重大な問題です。 そこで、見えない人同士、これだけは押さえておきたい、そしてわきまえておきたい心構えについてまとめてみました。 ○ お互い対等な立場で接すること インターネットを利用しているのはみな自分と同じ「人」なのです。だからこそ大切なのが、相手を対等な立場で接していかなければなりません。たとえ姿は見えなくても、自分自身の目の前には人がいるのだという自覚をもたなければなりません。そして、他人を尊重するという姿勢をもって接する心構えが大切です。 ○ 想像と偏見で他人を決めつけない 姿が見えない人と接するときに注意したいのは、相手の人物像を頭の中で描く点です。メールやブログの内容から人柄や生活行動を連想することになります。その際、理解しがたい考えや、自分とは価値観の違う意見を述べているのを見て認めたくない思いをするときがあります。しかし、それをもとに相手を偏見視していくと、自分の勝手な想像だけで相手を見つめていくようになります。たとえ、自分が受け入れがたい内容があっても、それだけで相手の人物像を悪い印象で決めつけることは慎まなければなりません。 ○ 人を見下すべからず 相手への偏見が発展すると、その人を見下す感情が表れてきます。対等な立場から自分が上の立場にいると思い違いをするようになります。さらにエスカレートすれば学歴や社会的身分、出生や容姿などあらゆる因縁をつけて相手をさげすむようになります。もし、モニタ画面の片隅に鏡があればそのときの自分の顔を見てみるとよいでしょう。他人をあざ笑うかのような人相の悪い顔をしているに違いありません。それに気がつかなくなれば自分自身こそ他人から冷淡視されます。 ○ 他人を自分と比較して優越感に浸る対象とするな! 今に始まったことではありませんが、とりわけ最近目につきやすいのが、根拠もなく他人を見下して優越感に浸ろうとする行動です。インターネットを利用するときはたいてい自分一人でパソコンを使っています。それだけに、自分の都合のよい世界を作っては周囲の人も自分に都合のよい見方をします。そのときどうしても、自分が主人公、あるいは一番偉い存在となりがちです。他人は自分の優越感を満たす存在ではない。このことを十分肝に銘じておく必要があります。 ○ 相手を自分の都合のよい悪人に仕立て上げない 自分の気に入らない人や相性のあわない人に出会うと、想像だけで自分の都合のよい悪者に仕立て上げてきます。それが発展すると次はその相手に対して攻撃的な態度をとるようになります。罵声を飛ばしたり、言いがかりや決めつけだけで根拠のない中傷をするようになれば、それはいじめと同じです。実生活で仲間内でこそこそ他人の悪口を言い合い、悪者扱いにする行為と遜色ありません。自分の小心さが陰湿な行動になる典型例です。恥ずべき行為であることを忘れないようにしなければなりません。 ○ うさばらしに他人を傷つけるのは言語道断 日常生活でのストレス発散や、心を癒すために他人を傷つける行為は人として最低のレッテルを貼られます。ばれなければよいなどという言い訳をすれば言語道断です。ネットでは相手と対面しないからこそ、人として尊重し合う気持ちをもたなければいけません。モニタに描かれているのはコンピュータが作り出した幻影ではありません。心の通った感情を持った人が作り出したものなのです。人の感情を傷つけて暗い喜びを味あうようなあさましい自分になってはいけません。 ○ 紳士・淑女として振る舞う 紳士・淑女という言葉を見かけなくなりましたが、見知らぬ人と接するときとても大事な心がけです。礼儀をもって、人と関わっていく、相手の素顔が見えないからこそとるべき振る舞いです。おのずと適切な言葉遣いもしなければならないことに気がつきます。対面していなければ何でもまかり通る、そのような礼儀知らずな態度が恥と思えるのもこうした心がけから表れてきます。 ○ 大人の自覚を常にもとう 「外に出たら大人としての振る舞いをしなさい」とよく親に言われましたが、インターネットも家の外の出来事と同じです。他人に迷惑をかけない、礼儀正しく振る舞う、節度ある行動を心がける、相手を思いやるなど大人としての行動をもつことは日常生活同様、ネット上でも重要です。年齢や世代を問わず、見ず知らずの人と接するときにわきまえなければならない基本中の基本なのです。 そして常に大切なことは
2007年 11月23日発行 第278号
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