特集:メーリングリストこの一年2006景気回復と報道はされているものの、どことなく実感がわかない、きっと一部の人には実感があるのではというようなこの一年。ホリエモン逮捕に始まり、王監督率いるWBC日本代表の活躍、ワールドカップサッカー日本チームの大敗、夏の甲子園の両エース好投、いじめによる自殺問題の表面化に、知事の談合問題。明るい話題もあれば、深刻な問題も多い一年でした。また、モラルの低下も大きな社会問題として真剣に取り組まなければならない要素として浮かび上がってきました。 さて、今年の流行語大賞にMixiが選ばれ、新たなネットコミュニケーションの形が広く認知されました。メーリングリストもビジネスとして10年の大きな節目となり、それとあいまって一つの進化を果たした年となりました。年末恒例の「メーリングリストこの一年」、今年一年を振り返ってみます。 ○ freeMLがリニューアル。SNSとMLを融合 メーリングリストの最大手であるfreeMLが大規模なリニューアルを果たしました。個人でのコミュニティを視野に入れたハッピーコミュニケーションとして進化しました。個人の日記やフォトアルバムが開設でき、それを閲覧した人の足跡を残して人脈を広げていくMixiのようなシステムを盛り込みました。そして、開設者が主催しているメーリングリストへも誘導していく新たなコミュニケーションのスタイルを提案しました。メーリングリストとの融合が機能的にも発展段階にあるため、今後の進化を期待するところです。しかしながら、「メーリングリストはすたれた存在」という風潮を払拭するには十分印象深い出来事でした。 ○ Infoseekメーリングリストが楽天IDに統合 Infoseekで提供されているメーリングリストが楽天IDに統合され、楽天サービスの一部として扱われるようになりました。基本機能は以前と変わらずログイン方法が変更になりました。できることならメーリングリストシステムの機能向上を望みたいところです。このシステムは前身のEasyMLから変更がなく、いささか機能性が乏しいだけに発展を願うばかりです。 ○ メーリングリストビジネスが10年 FreeMLが創業して今年で10年、他の同業者も同じ時期にビジネス展開を開始し、メーリングリストビジネス10年となる節目となりました。無料で開設できるメーリングリストはサービス開始当時脚光を浴び、一つのビジネスモデルを作り上げました。インターネットベンチャー全盛期ともあり、数多くのメーリングリスト開設サービスが立ち上がりましたが、弱肉強食の企業買収や競争で少しずつ撤退、廃止が相次ぎ、気がついてみれば10社弱が生き残る程度になりました。しかしながら携帯向けサービスの新たな市場開拓も見られ、さらには前述のようなSNS型の融合システムなどメーリングリストは進歩を続けています。メーリングリストはインターネットに密着した存在になったことがこの10年の大きな布石といえます。 ○ メーリングリスト開設の手引きも10年 こちらはトップページができて10年なので本格的なコンテンツ公開をはじめたのは来年で10年になります。何か特別企画のコンテンツでも作ろうか検討しています。よくぞ続いたサイト運営と自分でも驚いている次第です。何かお祝いの行事でもしたい気分です。 今年はネットコミュニケーションの形が変貌していく兆しを感じた一年でした。Mixiの対等と、2chのような匿名掲示板の運営責任の表面化が印象深かったです。モラルの低下による匿名掲示板の存在意義と異論、そして今まで軽視されてきた誹謗中傷への追求と管理者の責任が報道でも取りあげられるようになりました。そのような中、各個とした基盤を確立しているメーリングリストのコミュニケーションは時代に左右されない要素をもち備えていると実感しました。このよさは今後も維持してほしいと願う次第です。
2006年12月26日発行 第267号
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