コラム:ネタという言葉の使い方を考えるとりわけネット掲示板で目にする「ネタ」という表現、読んでいてその意味が本来の使い方と違う気がして気になっていました。昨今、日本語の乱れが著しく社会問題とされています。その代表例の一つと言えるのではないでしょうか? 今回は、「ネタ」という本来の使い方と誤った使い方について取りあげてみます。 ○ もともと「ネタ」とは ネタとは、題材や材料という意味で、「種」を逆読みして俗語にした表現です。たとえば
○ 昨今のネタという意味 私自身、ずっと不思議に思っていましたが、最近のネタという表現は次のような意味で使われているのではないでしょうか?
○ 「〜のネタ」と使うのが基本 ネタという言葉は、話のネタのように「〜の」と前置きがつくのが普通です。なぜなら何の題材かという前提がなければネタという意味をなさないからです。現状は、単にネタという言葉を伝えたい側だけがわかっている使い方をして相手に使っています。そのためー0お受け手は、わかっているようでわからない言葉を聞き流す形であいまいに解釈することになるのです。 ○ 日本語の乱れと国語力の低下 昨今のネット社会の普及は、文字入力の手間を省くために簡易的な表現を多用します。その結果、あいまいな表現が多くなっています。その代表例がこの「ネタ」ではないでしょうか。また、本来簡潔に表現するのであれば、的確な日本語表現をしなくてはなりません。しかし、そのための国語力が若年層になればなるほど低下しているのではないでしょうか?「うざい」、「キモイ」といった表現が氾濫するのも表現力の低下が影響していると言えます。きちんとした日本語を使う習慣そのものが失われては、コミュニケーションそのものが円滑にできなくなります。それは、人と関わり合いをもつ実生活そのものに多大な影響を及ぼすでしょう。 ○ ネットはきちんとした表現でやりとりを 文字でのコミュニケーションが基本であるインターネットでは、相手に自分の意志を的確な表現を使わなければ、自分の意志を伝えられません。だからこそ、貴とんとした日本語表現が必要なのです。「ネタ」のような受け手側にどう受け取ってよいのか曖昧になる表現を当たり前に使っているのでは、誤解を招いたり以心伝心そのものがままなりません。きちんとした表現をした書物に目を通したり、新聞やニュースなど日本語表現が適切なメディアから知識を得る努力は欠かせないと言えるでしょう。 人間関係が軽薄していくと危惧される昨今のコミュニケーション、そうならないためにも適切な日本語表現を身につけていきたいところです。
2006年 10月28日発行 第265号
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