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特集:メーリングリスト活用最新事情


 メーリングリストといえば以前は趣味やフリートークを通じてコミュニケーションを深めあう場としての活用が主流でした。インターネットでの仲間作りに大いに貢献し脚光を浴びていましたが、掲示板やブログ、大規模コミュニティサイトの普及でメーリングリストも当時の活用が衰退してきました。その影響もあってか、メーリングリスト全体が活気を失いつつあります。
 このような状況にもかかわらず、メーリングリストそのものは今なお朽ちることなく活用されています。今回はわたしのところによく寄せられるメーリングリストの問い合わせをもとに、現在活用されているメーリングリスト事例について取りあげます。

○ コミュニティよりも連絡手段

 先にも述べたように、今のメーリングリストの大きな役割は不特定多数の人との交流よりも、身内同士の連絡手段としての活用が主流です。主な事例としては次の通り
  • 組合やサークルの定時連絡
  • 学校や塾の連絡網
  • 研究会のメンバー向けに議事録やスケジュールの案内
 とりわけ多いのが先生同士の緊急連絡や伝達の効率化といった教員関係者がメーリングリストを立ち上げています。

○ 携帯メールを考慮した活用

 メールはもはやパソコンよりも携帯メールの方が圧倒的なシェアをもっています。そのため、携帯メールを利用できる人への考慮が重要になってきています。主な活用としては
  • 友達同士の暇つぶしメールチャット
  • 小学生をもつ保護者同士の緊急連絡用
  • 外回りの営業マンと本部との一斉連絡
○ 課題は携帯ユーザへの配信と運営者の技術的な知識への不安

 これまでも気になる問題となっているのが、メーリングリストで携帯メールの利用者を登録しても携帯メールが配信されないといったトラブルです。これについては、利用者側の迷惑メール設定やメール配送時の遅延など技術的な要因があります。しかしながら、メーリングリストをはじめようとする人の大半はこうした現状に対応できる技術的な知識は乏しく、それがメーリングリストをはじめる際に大きなハードルとなっています。
 これはメーリングリストを提供するサービス会社のサポート体制の強化だけでなく、個人サイトでの情報提供が大きな役割を担うところです。少しでも意欲的なメーリングリスト運営者が増えるよう、わたしも尽力しなければなりません。

 時代とともにその役割が変わっていくメーリングリスト、だからこそ、消え去ることのないインターネット活用手段のひとつなのです。

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