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特集:シルバー世代のネチケット


 高齢化社会といわれる昨今、年輩者のインターネット利用ももはや当たり前となりました。ウェブサイト閲覧だけでなく、掲示板に書き込みをしたり、メーリングリストに参加して交流を深めようと積極的に挑戦している人も多いことでしょう。インターネットでは年齢に関係なくコミュニケーションができるのが長所ですが、年配者にとっていささか若年層とのやりとりにぎくしゃくしたり、あるいは親睦を深められない障壁ができる場合があります。
 今回は敬老の日に近い特集として、年輩の方が意外に見落としがちなネット上のワンポイントを紹介します。生意気と思わずどうかおつきあいください。

● ネット上で実年齢は関係なし

 ネットでのやりとりはお互い顔が見えません。それゆえに、年齢に関係なく知り合いを作ることができます。たとえ自分が年輩でも偉くも何もありません。また、年輩だからといって優遇されるわけでもありません。日常生活では年齢相応の待遇があってもネットでは関係ないのです。この点をふまえておかないと、いろいろな人とのコミュニケーションは図れません。

● 意見を言う立場はみな同じ

 年齢や立場を意識しないからこそ、さまざまな角度からの意見や議論ができるのがインターネットでの醍醐味です。日頃、年功序列または若輩者ゆえに自分の言いたかったことが言えない意見がたくさんあります。そうしたしがらみがない場がネットの特徴なのです。もちろん、年配者への敬意ははらいますが、意見を主張する立場は年齢に関係なくおなじであることを十分心得ていただきたいのです。

● 反論を不服としないこと

 特に年輩の方は、若者から注意をされたり自分が知らないことを若い人から指摘されると過剰に抵抗を感じる人が少なくありません。言われた途端、強がりを見せたり別のことを持ち出して自分の方が立場が上であると主張する人も実際によく目にします。さきほども述べたように、ネットでは実年齢がわかりません。あくまでも全員が対等な立場で接しあっている点を忘れてはなりません。聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥というように、人から教訓を得るよい機会と思うほうが賢明です。そして、そのくらいの心の余裕も大切です。

● 若輩者を見下さない

 どうしても若者とわかってしまうと、自分の方が上の立場と思いがちになり、偉そうな態度をとりがちです。そうすると、人を見下して相手の気分を損ねるような言動もしがちです。年齢を意識しない場では年齢で人を見ることはかえって失礼です。自分の方が上なんだという意識をもって接するのではなく、同じ仲間という姿勢こそがコミュニケーションでは大切です。日常生活ではいつも上の立場にいても、それをネットに持ち込むことはまかり通りません。

● 年配者としてのおごりは禁物

 自分の方が年輩で人生経験も豊富とばかりに、ここぞとばかりに若い人に自分の教訓を押しつけたがる人も少なくありません。中には、若い人の話を否定したり、持論でねじ伏せようとします。しかし、これは第三者から見ればおごりです。いろいろな人の話を聞いてそれをふまえて話をするのが建設的です。時代の変化や価値観の違いを十分認識した上で主張していかなければ、年齢の壁を取り除いて腹を割った話はできません。時代遅れの考えを押しつけていることさえあるのです。

● 人に物事を尋ねるときは頭を下げる

 職業で要職にあたっている人に多く見られ、私のところにも質問メールで威張った態度で寄せられるときがあります。「〜してくれたまえ」とばかりに自分が人に聞く立場を自覚できない言葉で人にものを平然と聞く人さえいます。自分の社会的立場がどうであれ、インターネットでは関係ありません。年齢を問わず人に頭を下げて聞く姿勢ができないのであれば、ご自身で調べものをすることをおすすめします。参考までに、私のところにこのような高飛車なメールがしばしば届きます。あきらかに言葉遣いからして若者ではなく、相応の年輩であることがわかります。

● お互い敬意をもつこと

 一番大切なのは、相手に敬意をもって接することです。これは若者、年配者どちらにもいえます。人を敬う気持ちを大切にすれば、お互いがうち解けあってよい関係を築きます。自分の方が偉いという気持ちをもつのではなく、相手の立場を理解した上で振る舞う姿勢が必要です。

 ネットでのコミュニケーションは、ふだん向かい合って話すことの少ない立場の人と直接接する機会を得られます。そのよさを大切にするには、自分の身分や立場で人を比較したり見下ろしたりするのは相手に失礼です。若年層にも言えることですが礼儀あってのよいやりとりができるのが一番です。

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