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コラム:暗い喜びに心を支配されないで


 「仕事やプライベートで遺恨が残るような人に対して、その腹いせにスパムメールを送りたい」、時折、こんな相談のメールが送られてくることがあります。今回は、それに対する回答ではなく、毅然とした話をいたします。興味本位ではなく、真剣な内容で話を進めます。

● 特定の人にスパムを送りつける方法

 先に述べますが、特定の人にスパムを送りつける方法があるかどうかについては一切お答えできません。正直なところ私も不明です。ですから、この回答に関する内容は一切触れません。

● 暗い喜びに支配されないで

 心に残るような憎しみをもつと、陰湿な行動を考えるようになります。特にネットの場合は、一人の世界になりがちなので、その状況を察知して助言してくれる人がいません。しだいに、相手が苦しむ姿を連想し、歯止めのかからない心の奥底で冷淡に笑う快楽を求めようとします。これが「暗い喜び」です。暗い喜びに支配されると、どんどん泥沼にはまりこみ自分自身で歯止めがかけられなくなります。精神衛生上、大変危険な状態に陥ります。

● 日常生活にも影響

 暗い喜びとは恐ろしく、自分では気がつかないうちに表面にも表れるようになります。日常生活でも、ささいな一言にこうした陰湿な行動をほのめかしたり、あるいは人が嫌がることを平然とやってのけようとしてきます。何気ない独り言ですらその陰湿さが見え隠れしてきます。そして、自分だけが気がつかず、いつしか同僚や知人から距離を置かれる事態に発展することもしばしばあります。孤立した自分に気がついたときは、それこそ孤独感に胸を痛めるでしょう。それでは手遅れです。

● 我を忘れずに

 自分が不快感と思うようなことは他人にはしない。この気持ちが一番大事で忘れてはならない道徳です。まるで自分だけが馬鹿を見ると考えても、人との関わりは重要であり、そう思ってしまっては他人からも慕われなくなります。やっていいこと、いけないこと、その区別ができる自分だけは必ずもってほしいのです。

 特定の人にスパムメールを送ったところでそのような喜びで満足してはむなしいものです。そのくらいの気持ちをもてる余裕をどうかもってください。この一線を越えたら問われるのは実行した人になるのですから。


2004年 5月21日発行 第136号

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