特集:メーリングリストこの一年'20032003年は、SARS、イラク戦争、星野阪神、そしてフセイン元大統領拘束とさまざまな出来事がありました。とりわけイラクに関わる出来事が印象的と言えます。今ひとつ上昇傾向が感じられない景気動向、何かがあればまた逆戻りと、不安だけがいつもぬぐいきれない暮らしがいったい何年続いているでしょうか。 メーリングリストこの一年、振り返ってみましょう。 ○ 事業に限界?これからどうなるML開設サービス 今年も撤退するメーリングリスト開設サービスが相次ぎました。現存するメーリングリスト開設サービスも、資本投資が困難なのか新機能を追加したり、システムの拡張に目立った動きがありませんでした。メーリングリストビジネスは、他のサービスと融合した大規模大量メール広告配信ビジネスの一環にすぎなくなり、「コミュニケーションの提供」というイメージが消えつつあります。大手サービスのFreeMLも、メーリングリストそのものを全面に取り上げるプロモーションから、個人の関心のある話題を重視してメールマガジンで取り上げるなど、事業展開も変わりました。メーリングリストを育てる活動が少しずつ薄れていくのは残念なところですが、現状としては収益との兼ね合いでなかなか難しいのでしょう。 ○ メールマガジン発行サービスも撤退の動きが メールマガジン発行ビジネスも頭打ちとなり、Pubzineがサービス終了を発表しました。メルマガはインターネットが生み出した新しいメディアと当初は注目されましたが、発行されるメールマガジンが内容軽視で広告ばかりのものや、持続性が短いなど購読があっても実際に目を通されない実状がおもむろになってきました。また、法人のメルマガも一方的なサイト更新案内や、商品紹介ばかりの内容など即効性の高い利益追求を盛り込むものが多く、発行者と読者の間に利用面での溝が深まっています。急成長したメールマガジンビジネスも、大きな見直しが必要とされてきています。 ○ メーリングリストシステムの商品化で開拓の道 サービスとして培った技術を業務用パッケージとして販売する動きが、今年のメーリングリストの大きな進展でした。また、開発中のシステムが業務用に成長しサービスとして用いられるようになったのは明るい話です。
FreeMLは、半年以上メール投稿のないメーリングリストは削除するようになりました。おかげで、メーリングリストを探す際にも大変便利になるばかりか、同業のメーリングリスト運営者にとっても埋もれた中から浮かび上がるきっかけを得ました。メーリングリストがリサイクルされる体制はとても喜ばしい配慮です。 ○ 多様化するコミュニケーションツール 掲示板、メーリングリスト、そして最近注目されているウェブログと、インターネットで人を集めて主宰するツールは多彩になってきました。数年前はメジャーな存在だったメーリングリストも今ではone of them。メーリングリストの良さをみんなでアピールしていくのが大切と言えます。しかし、ビジネスとして成り立たさなければサービス利用も途切れてしまうのが現状です。個人ユーザーとしては手も足も出せません。 これから先、メーリングリストが生き残るにはどうすればよいのか。手探りが続きそうです。
2003年12月20日発行 第128号
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