コラム:バイアグラそんなに売りたいですか?日に日に増すスパムなどの迷惑メール。バイアグラ、ドクターの無料診断、アダルトサイトに格安保険…、同じ内容のスパムが連日送られてくるときもしばしば。。。 さて、近頃のスパムメールに奇妙な傾向が出てきました。件名の記述が人が読むにはとても特殊な記述をしています。v;i@gr@ってなんだろうと首をかしげてしまうような表現です。この記述、最近のスパムメールのあくなき配送手段として考えられた工作なのです。 今回はここまでするのかと思うような奇妙なスパムの配送手段を「バイアグラ」を例にコラムとしてお届けします。 ○ 最近のスパムの傾向 今までスパムメールといえば、単にHalf price Viagraなd唐突で人が目を通しやすい件名で送られてきました。しかし、メーラーの振り分け機能を使えば、件名にviagraを含むメールはゴミ箱行きにすれば、たとえ送り届けたとしても人の目につかず消去されます。これではスパム業者も送っても意味なしと、新たな手段に出たのです。 ○ 機械に選別されない記述で対抗 メーラの振り分けは特定の単語を用いるので、単語の一部分を記号に置き換えてすり抜ける方法をとってきました。バイアグラを例にするとこのような記述をしてきます。
v1@gr@ v;ia^gra viAGra
○ アドレスも巧妙に スパムの送信はセキュリティの甘い送信サーバーを不正利用したり、独自に多様なドメインを用いています。最近は紛らわしい名前のドメインを取得して送ってくるケースも増えてきました。たとえば、yahooo.comのようにoが一つ多くついたドメインなどです。ドメイン指定でゴミ箱行きにする設定から逃れる手段として考えたのでしょう。そのほかにも、YAHOO.COMなどわざと大文字表記にして送ってくる場合もあります。 ○ メーラーも振り分け機能強化の傾向に 巧妙な手口のスパムに対してメーラーの振り分け機能もアルゴリズムの強化で上記のような記述のメールをはじく工夫がされています。こうなってくると、アルゴリズムのいたちごっことなり、より大量のスパムメールがインターネットに氾濫する危険も出てきました。 ○ 集中砲火のスパムに懸念 今までは膨大なアドレスの収集からスパムを送っていましたが、最近はメールが届くアドレスに対して件名や送信アドレスを変えて同じ内容のメールを一つでも相手の受信トレイに紛れ込ませる集中砲火のような手口になってきました。エラーアドレスに対しても相応に行うとすれば、インターネット全体の負担もよりいっそう大きくなってきます。国際的な迷惑メール防止条約のような取り締まりが確立されなければ、このままではムダな情報量でネットをがンクしかねません。国際的なネットの健全化対策を望みたいです。
2003年 11月28日発行 第127号
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