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よもやま話:今夏の必需品はクーラーより無停電電源?


 関東では東京電力の原子力発電所トラブル隠し問題で、原子力発電設備の改修点検作業が進められています。ニュースでも報じられているとおり、稼働中のほとんどの原子炉が停止したままで、今年の夏は電力不足が懸念されます。突如の停電も予想され、天気予報ならぬ「でんき予報」も登場するとのこと。
 「万一、停電してもすぐに復旧するから大丈夫!」とたかをくくっていると大きな落とし穴が…。目の前のパソコン、作業中に一瞬でも停電したらどうなりますか?せっかく仕上げたワープロ文書やプレゼンテーションもパーになってはじめから作り直しに。このやるせなさとむなしさは腹立たしいの一言につきます。まして、締め切りが迫っていたならもうパソコンより自分がヒートアップの暴走状態になったらそれこそ大変です。
 今回はそんな悲劇を防いでくれる無停電電源(UPS)について紹介します。

○ 無停電電源とは

 読んで字のごとくといえば不親切ですが、想像通りの機器です。停電や落雷、あるいは予期せぬ電圧変動で商用電源から電気の供給がストップしたり不安定になっても常に一定の電気を機器に与える装置です。電気機器は一瞬停電しただけで動作が停止します。パソコンでは今までの作業内容がすべて消え、電源供給が復旧してもシステムを再起動しなければなりません。無停電電源はパソコンやサーバーといった瞬時の停電で被害が甚大になるような機器に用います。無停電電源は、停電が起きると瞬時にバッテリに切り替わり、充電しておいたバッテリ電源を外部機器に供給します。この瞬時に電気供給が途切れるのを完璧に起こさないように設計されているところが無停電電源装置の大きな力です。接続は至って簡単。家庭用電源とパソコンの間につなぐだけです。Windowsパソコンでは専用の接続ケーブルを使うとシステムと連動した電源供給操作ができます。

○ どのくらいもつの?

 無停電電源は、ちょっと大きめのバッテリーのようなものです。そして、電気供給量は製品のもつ内蔵バッテリの容量で決まります。パソコンとディスプレイを一台ずつつないだ場合、一般向け製品ではおおむね5分程度です。そんなに短いのかといわれそうですが、無停電電源はもともと停電時に電気の途切れを防ぐのが目的です。停電したらすぐにシステムを止めるための予備電力を供給するために導入する機器と考えなければなりません。といっても、実際は規格値以上にもちます。停電したらすぐにディスプレイを切れば、パソコン単体だけならその何倍以上ももちます。機器によりですが、10分から長ければ30分はもちます。

○ 購入するときのポイント

 ポイントは供給電気の容量で、一般向けであれば350 VA前後, または500 VAと書いてあるものを選びます。VAは電力量で数値が大きければそれだけ消費電力の大きい機器または複数の機器をつなげられます。パソコン一台とディスプレイ一台であればこの程度で十分まかなえます。おすすめはしませんが、無理すればもう一台パソコンをつなげられます。あまりたくさんの機器をつなげると停電が起きたときすぐに内蔵バッテリが底をつきてしまいます。お値段は店頭価格で15,000円前後です。

○ メーカーは

 オムロンやAPC、サンワサプライが製品を出しています。以下のページを参考にしてみてください。
○ 私の場合・・・

 私も5年以上前に導入しています。実はジャンク屋で売っていた払い下げ品で、当時5,000円くらいで買いました。それでも十分今でも現役で使えます。わざと電源を落として試験しましたが、ちゃんと動作してくれています。こんなものでも「備えあれば憂いなし」。バッテリもニッカド電池を交換するだけなので、当分はやっていけそうです。


2003年6月23日発行 第119号


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