コラム:常時接続時代でもHTMLメールや全文引用はダメ!ADSLや光ファイバのおかげで、自宅で存分にインターネットが楽しめるようになりました。そろそろ我が家にも常時接続を導入しようと検討している方も多いでしょう。 そのような中、インターネット上で気になる発言があちらこちらで聞こえてくるようになりました。「常時接続なのだからHTMLメールを送ってもマナーやネチケット違反ではなくなった」、「全文引用は常時接続で認められる」といった意見です。これらの意見は、常時接続なら課金や伝送量の問題が解消されるので一方的に送っても支障はないという本末転倒な見解です。言い換えれば、相手への配慮という本質を忘れて、課金や受信時間の問題が解消すれば口うるさくマナーを言われる理由がなくなるものと論旨をはき違えているのです。 常時接続が普及しても、HTMLメールをいきなり送りつけたり、全文引用をするのは認められません。今回のコラムは、なぜそれらがいけないのか本質に戻って振り返ります。 ○ 常時接続ならまかり通るという誤まった認識 HTMLメールや全文引用をしてよいという意見の経緯としては以下のようなものがあります。
○ HTMLメールや全文引用はなぜいけないのか? 一番大切なのは、相手が望んでもいないのに一方的に無用なものを送りつけている行為だからです。常時接続になれば、少々の大きなメールでも負担はかからないのは事実です。だからといって相手がそれを望んでいるかもわからずに一方的に送って自分に非はないといえますか? HTMLメールでは、もし色とりどりのメールを相手の同意なしに送ったら受け手はどう思うでしょうか?好意的に受け取るでしょうか?独りよがりに色づけした読みにくいメールであれば相手は悪印象をもちます。単なる文字だけで済むメールをわざわざ不要な文字列をつけて大きくする必要がありません。また、HTMLメールは自らわかっていて送信していればよいですが、OutlookExpressのように出荷時からこの設定をしていると初心者はHTMLメールを知りません。無用に大きなメールを出しているのに気づいていないのです。結局、HTMLメールを意味なく送っているにすぎないのです。 全文引用も、相手が必要としているかわからないのに一方的に元の文章を後ろにつけても意味があるでしょうか?相手はそれを望んでいるのなら別ですが、おかまいなしに一方的に元の文をつけても相手は喜びません。そして、全文引用はなぜそれをするのかわからずみんながしているからという理由でしているのでは意味がありません。ビジネスマナーと豪語する人もいますが、なぜビジネスマナーなのか説明できるでしょうか?責任回避とマナーは別物です。 両者共通して言えることは、相手への配慮がなく一方的かつ根本を知らずに使っている点です。常時接続になればHTMLメールや全文引用がまかり通るという話は以心伝心の根本からかけ離れており、本末転倒なのです。 ○ HTMLメールや全文引用は同意があって送るのが基本 HTMLメールにしろ、全文引用したメールにしろ、相手は最初から望んでいるとは限りません。だからといって、「出しても大丈夫」、「わからないから送る」と言った発想は一方的です。メールは相手を考慮して送るのが基本です。 HTMLメールは、ほとんどのメールソフトが対応したとはいえ、読めない人もいれば「読みたくない人」もいます。特に後者は常時接続とは無関係であり、この根本的な理由をもっと認識しなければなりません。HTMLメールは特別なメールの形式です。相手の同意なしに送れば相手の気分を損ねるのです。全文引用も同じです。相手が望んでいる場合以外、意味もなく元のメールをつけても、誰も有益ではありません。 ○ 見ず知らずの人に出すときほど相手への配慮が重要 見ず知らずの人に送るメールほど、相手の立場を優先するのが大切です。自分中心で物事を考えて行動すれば、相手は一方的と受け取り不愉快な気分になります。相手は常時接続とは限らない、HTMLメールが読めるかわからない、全文引用を望んでいるかわからない、そうであるなら、無用なことをしても相手に煩わしい思いをさせるという意識を送り手自身がもたなければなりません。 ○ メールは送る相手がいるから成り立つ道具 メールの基本は自分の伝えたいことを人に送るための手段です。そして、相手がいなければ意味をなさない手段でもあります。だからこそ、メールを送る相手を大切にしなければなりません。常時接続が当たり前となってきたからといって、コミュニケーションに不可欠な人への配慮を軽視してよいのではないのです。自分の環境が基本という考えは通用しないのです。これは、技術がどんなに進歩しようと変わることのない意思伝達の本質です。 常時接続はメールを送る基本姿勢を変えてもよいといった天下御免が通用する理由にならないのです。技術的な側面ではなく、相手への思いやりの大切さをぜひ念頭に入れたメールを送るよう心がけてほしいです。 2003年 3月24日発行 第114号
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