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コラム:メールでつながる級友との再会


 先日、一通のメールが届きました。「インターネットで見つけたよ。」となつかしい級友からのメッセージ。そこにはもうひとつ、「恩師が定年を迎えクラス会を開くから来いよ。」と。このメールを読んだとき、インターネットには心の絆を紡いでくれるすばらしさがあると感無量の思いが込み上げました。今回のコラムは、電子メールがつないでくれた級友との再会と、インターネットと心の絆について書いてみます。

 電子メールでやりとりする人は、身近な人や比較的最近知り合った人が結構多く、仕事などで頻繁に使う場合が多いと形式的な文章で味気ないコミュニケーションになりがちです。いつでも連絡ができて、仕事には不可欠なツールというイメージが強く、どことなく心のぬくもりが薄れたちょっとドライなつきあいを感じます。もちろん、新しい出会いがたくさん生まれるので、これまたコミュニケーションの新しい形態でもあります。私もインターネットのおかげで新しい出会いやチャンスをたくさん手にしました。メーリングリストの情報サイトを開設してから、いろいろな人と出会い、執筆活動という機会も得ました。未来の出会いはあったものの、過去の再会は以外にも今までなありませんでした。それが先日、ふと訪れた電子メールに今までにないぬくもりを深々と感じました。

 ことの発端は、同窓会サイトで有名な「ウェブ同窓会この指とまれ」に何気なく登録したことでした。登録をすると同窓生の一覧を見ることができ、なつかしい名前を見て何気なくメールを出してみました。その返事が来たとき、どんなに遠くにいても人と再びつながりがもてる喜びを体で感じとれました。実はまさかのグッドタイミングで、ちょうどクラス会の企画が進行しているときで、私は連絡が取れなかった一人となっていました。電子メールがつないでくれた級友との絆にインターネットは心のつながりを再び紡いでくれるあたたかさを私たちに提供してくれるものだと新しい価値を覚えました。

 電子メールは単なるメッセージ交換の道具ではなく、心のぬくもりも伝える配達人でもあるのだなと感じました。気軽なおしゃべりも楽しいのですが、級友から「今何やってるんだ」、「元気か?」とメッセージが寄せられると、あらためて自分が他の人の記憶の中に存在しているのだと孤独さから解放されると同時に、メールの一言一言があたたかさに満ちて心を和ませてくれます。インターネットと電子メールがこんなにあたたかいものだったのだなと今回あらためて感じさせられました。

 インターネットは見かけのつながりだけではなく、本当の心のつながりも手助けしてくれる存在。卒業式シーズンの今、ふとセピアな思い出を振り返りたくなります。そんなとき、級友にメールを書いてみませんか?忘れていた自分の何かをもしかしたら呼び覚ましてくれるかもしれません。


2002年 3月12日発行 第92号


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