特集:迷惑メール対策術こちらが望みもしない一方的に送りつけてくる迷惑メール。最近、その数が急激に増してきました。日本では携帯電話でのダイレクトメールが乱発していますが、インターネットでのメールでは海外から寄せられるものが非常に多くなっています。その中には、HTMLを駆使して、Save **% of your moneyとうたって、怪しげな笑顔でドル札の束を抱えるおじさんや、ばんざいして喜んでいる女性の写真が眼前に飛び込んでくる不愉快なダイレクトメールが届きます。さすがに、こうしたメールは見た瞬間うんざりして、まして朝の仕事始めの時にはがっくりします。 こうしたダイレクトメール(スパムといいます)は、いくら放っておいても増えるばかり。少しは見なくてすむようにしたいものです。今回は、こうした迷惑メールが届いても「知らなかったことにする」方法をいくつか紹介します。 ○ そもそもなんでダイレクトメールが届くのか? これにはいくつかの理由があります。 ・ ホームページにメールアドレスが記載されている 自分でホームページを開設していたり、掲示板や業務用のサイトにメールアドレスを記載すると情報が収集されます。ダイレクトメールの発行はメールアドレスの数がものを言うため、今では手作業で収集するのではなく、自動的にホームページを巡回してその中からメールアドレスだけを抽出しています。 そして、このメールアドレスの情報が売買されてしだいにダイレクトメールの送信先として利用されていくのです。 ○ どうやって迷惑メールを排除するか? 電子メールを使わなくても実はこうしたメールが届く場合があります。iモードメールでは電話番号がメールアドレスになっていたため、番号を総当たりにメールアドレスを生成して無差別に送りつければ簡単にダイレクトメールが送ることができるわけです。これと似たケースが@niftyで、会員IDの規則をプログラムで組みメールアドレスを作成すればこれまた大量メールの送信先として好都合となります。 ですから、何もしなくてもダイレクトメールは届いてしまうのです。そして、日に日にその量が多くなってきます。次のような対策で、少しは見なくて済むようにできます。 ・ メールソフトのフィルタリング機能を使う。 有名なメールソフトには、メール振り分けのためのフィルタリング機能が付いています。この機能には、特定のメールアドレスからのメールが届いたら削除したりゴミ箱へ捨てることができるようになっています。設定をするとメールを受信したときに該当するメールは自動的に排除され新着メールで見なくて済むようになります。 ・ 着信拒否機能を使う @niftyやYahoo、gooのwebメールで用意されている機能です。特定のメールアドレスやドメインをもつ差出人からのメールは送られてきたら返送するようになっています。つまり、メールをパソコンに読み込む以前にすでにそのメールは返送され、読まないで済むようになります。@niftyでは着信拒否したメールがあったかどうか確認する機能があるので、「網に引っかかった」状況を知ることができます。 ○ 迷惑メール対策の仕方と注意点 上記の方法のいずれでも、次のような段取りで対策を試みましょう。 ・ まずは様子を見てアドレスを観察する ダイレクトメールの送信先は決まって同じドメイン(@から右の部分)が共通になっています。そして、メールアドレスをたくさん作って繰り返しダイレクトメールを送りつけてきます。ですから、同じドメインでダイレクトメールが届いたら、そのドメインからのメールを一括拒否するようにします。 ただし注意点は、hotmailなど比較的友人も使っているドメインの時はこの設定は避けましょう。届いてほしいメールまで拒否してしまいます。あまり見慣れないドメインだけにしぼって対策をしましょう。 ・ 着信拒否すると存在がばれる? 以前は、着信拒否をすると相手への返答メッセージから自分のメールアドレスが生きていることがわかってしまうため多用しない方がよいとされてきました。しかし、現在では一度に何万、多いものでは何十万という大量ダイレクトメールを流すため、エラーの数も莫大になっています。仮にその中から見つかったとしても結局のところ相手にとっては何万分の一の存在にすぎません。それよりも、こうしたエラーメールを含んだ大量メールアドレスの流通の方が加速しており、いずれにせよダイレクトメールは増え続けます。自分のところでカットするのが賢明と考えた方がよくなっています。 ・ ダイレクトメールの差出人に送ってもムダ これも上記と同じで、拒否してもそれがなくなっただけであなたのメールアドレスはもっとたくさんのダイレクトメール送信者に知れ渡っています。ひとつつぶしてもムダな時代になっているので、焼け石に水と言ったところです。 ○ 迷惑メールはワールドワイド ダイレクトメールは世界中から届きます。こうしたメールを出す相手方の心理は、「一万人に出してその中の一人が商談成立できればもうけになる」といった考えなのです。だから、下手な鉄砲数打てば当たる式に、莫大な数のメールを送信しても何とも思わないのです。もちろん、それがどんな悪影響をもたらしているかなど、少しも考えていません。 東京都では迷惑メール防止条例を検討していますが、世界レベルではとても対応できていません。だからこそ、少しでも見なくて済むようにしていかないと、結局迷惑メールの数がふくれあがるだけになってしまうことも心得ておいてください。 世界的に迷惑メールが根絶できる制度が望まれるようになってきました。何か具体的な策はないかいつも考えるばかりです。
2001年11月 6日発行 第84号
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