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特集:気をつけようテロ関連ウイルス


 アメリカで起きた突然の同時多発テロ事件、そして米英によるアフガニスタンへの軍事行動は全世界に緊張と不安を与える歴史的な惨劇となりつつあります。軍事行為だけでなく、私たちの身の回りでも炭疽菌の被害をいつ受けるかわからない想像を超えた事態を直面するかもしれない恐怖感が漂っています。生物兵器、自爆行為、さらにはサイバーテロも想定される危険事態のひとつとなっています。

 日常生活でパソコンとインターネットは不可欠な道具となり、コンピュータウイルスは無差別に生活を破壊させてしまう悪質なプログラムです。今後、サイバーテロのようなコンピュータ社会を破壊するような行為に出てくると、私たちも自分自身で防御する心構えを意識しなければなりません。

 サイバーテロは今後どうなるかはさておき、情報社会を混乱させる悪質ないたずらも後を絶えません。最近、テロ事件を警戒している私たちの心理をついたコンピュータウイルスが登場しています。典型的なウイルスは、感染すると他の人にメールでウイルスを送信し、感染者を増大させていきます。そのため、うっかりが多くの人を巻き添えにする結果となります。「これは怪しい」と見抜く力があれば、こうしたウイルスの氾濫も弱められます。

 そこで今回は、テロまがいのウイルスの見抜き方や身近なウイルス感染防止策を紹介します。

○ 炭疽菌情報を装ったウイルス

 最近、炭疽菌に関連する情報を送りつけてくるウイルスがあります。添付されているファイルをクリックすると感染し、他の人にメールでウイルスを氾濫させる症状をもっているようです。英語で書いてあるので、私たちは幸いにも被害にあう確率は低いだろう?と思いますが、知り合いで英文を扱わない人から英語のメールを受け取ったときは、添付されているファイルをクリックしないよう心がけましょう。

○ 画像ファイルを装ったウイルスの添付ファイル

 これはあくまで机上の話ですが、クリックすると極秘入手の写真を見ることができるなど、テロに関する情報を盛り込んで興味をそそるようなメールは気をつけた方がよいです。画像ファイルらしい名前の付いたファイルでも、実はプログラムでクリックするとウイルスが起動する仕掛けをしている場合があります。つまり画像データではないのです。画像ファイルそのものはウイルスを含むことはありません。拡張子を細工して、見せかけを工夫して氾濫をねらっています。
 対策は、ふだん画像データを送ってこない人からそれらしきメールを受け取ったときは警戒するようにして、クリックする前に確認のメールを送るなどしておくとよいでしょう。

○ .EXEとついたファイルは要注意!

 ウィンドウズパソコンを使っている人が対象です。.EXEというファイルはクリックすると起動するプログラムです。こうしたプログラムをメールでやりとりする人は限られた等かいないはずです。ふだんメールのやりとりをしている人同士ならまず送ることはないので、もしそうしたファイルが添付されてきたときはすぐさまクリックしないように、むしろ破棄するくらいの対策をとるのがベストです。

○ 感染したら必ず駆除しよう

 ウイルスに感染しても、それを駆除して修復するソフトが入手できますので、とにかく万が一感染したらすぐに対策をとりましょう。ウイルス防止ソフトを導入するなど、「備えあれば憂いなし」を心がけるのが賢明です。
 ごくまれに、感染しても一時的な発病で終わり、油断させておいてある日突然大きな発病をする時限式ウイルスが存在します。ウイルスに感染したら駆除ソフトを使って必ず除去・修復するのを忘れないようにしましょう。

○ パニックを起こさないように

 ウイルスに感染すると急にパソコンのハードディスクが音を立てて動き始め、何が起きたのか動揺してしまいます。そして、ウイルスとわかると右往左往するでしょう。ここで混乱してパニック状態になるとそれこそ収拾がつかなくなります。ウイルスに感染したら、とにかく気持ちを落ち着かせ、コンピュータに詳しい人に相談して対策を考えるなど冷静な対応をとりましょう。一度、パソコンの電源を切り時間をおいて頭を冷やすなどすると落ち着きます。

 心理的な盲点をついた行為は、不安と動揺を増幅させます。これが俗に言う情報戦術なのでしょうが、身を守るためには自己防衛力が不可欠と言えます。身近な生活を守るのは自分の大事な役目。コンピュータウイルスには十分気をつけましょう。


2001年10月25日発行 第83号


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