特別企画:Huis Vita Nova
〜ふれあいのコミュニケーション〜
プロローグ:国も民族も違う仲間たちの中で
ML weekly特別企画として、数回にわたり人とのコミュニケーションで欠かせない要素とは何かを探してまいります。
さて、かねてよりお知らせしていますが、私はオランダで生活をはじめています。そして、予想外にも私の住むことになったアパートが、いろいろな国の人が寄り集まっているところになってしまったのです。ドイツ、イギリスなど言語も違えば年齢も20代もいれば50代もいる。まさに国と世代を越えた人たちがひとつ屋根の下で生活をしているのです。そうそう、残念ながら男だけの生活です。寝室は個室ですが、そのほかは共同。特にキッチンはリビングと兼用になっているので、ここで夜はそろって酒を飲んだり話をしたりします。
今でも放送されていると思いますが、NHK教育テレビで毎週火曜の朝と正午、そして水曜の24時に英会話の番組があります。「クロスロードカフェ2」というのですが、さまざまな国の人たちがクロスロードカフェという喫茶店で働いており、そこで繰り広げられるエピソードを毎週英会話教材に使っています。まさにその本物を今私は体験しているのです。喫茶店がアパートに舞台が変わっただけなのです。クロスロードカフェ2のサブタイトルに「ふれあいの会話術」と書いてあったので、私もそれをもじって「ふれあいのコミュニケーション」とつけてみました。
Huis Vita Novaとは、私の住んでいるアパートの名前です。Huisとはオランダ語で「家(house)」のこと。この発音が日本人には一番難しくて「ヘオス」あるいは「ヘウス」と書くしかありません。uiの部分は、「エ」と「オ」を同時に発音するような感じで発声します。日本語にはない発音なので日本人が一番苦労するらしいです(というよりしています(^_^))。Vita Novaはラテン語で、New Life。つまり「アパート新生活」というのが日本語訳で、オランダ語で発音すると「ヘオス フィタ ノファ」になります。二階建ての本来はアパートではなく一軒家を改築したような建物で、キッチン、トイレ、シャワー、洗濯機は共同。生活するには不自由はないものの、まさかこのようなところに住むようになったとは・・・。これにはいきさつがあるのですが、どこかの回にて紹介します。
登場人物は、ドイツ人とイギリス人それぞれ2人ずつの4人に、どうも「?」なオランダ人の大家。そして私。きっと後に新たな住人が増えるでしょう。かつてテレビで人気のあった「めぞん一刻」よりリアルで、さまざまな言葉が飛び交う生活。テレビ番組のようなおもしろおかしい完結というものはなく、ハートでコミュニケーションを肌で感じる毎日を過ごしていく奇想天外な日々を過ごしています。
海外での生活日記ならこのメルマガでのテーマにそぐわないので、ネットでも実生活でも何か忘れているようなコミュニケーションの欠かせない何かを、今私の生活から見つけだしてみようと考えています。言葉の違う人同士の、会話にはならないけどできてしまうコミュニケーション。ドラマでもなくフィクションでもない、本当にふれあいとは何か、私も興味があります。
プロローグはこれにておしまい。次回から生活のひとコマを取り上げながら愉快に話をしてまいります。どうぞお楽しみに。
2001年 9月19日発行 第79号
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