特集:インターネット心理学(男性編)ちょっと風変わりな特集を今週と来週の2回に分けてお届けします。題して「インターネットコミュニケーションにおける男と女の心理」。男と女と言っても男女の人間関係ではなく、ネット上での男性と女性における心の表れの違いはどんなところにあるのかをクローズアップしていく企画です。今回は男性編です。 特集をはじめる前に 今回の特集は、メーリングリストなどコミュニケーションを楽しむ場で、トラブルや論争などあるいは感情表現を露骨に出すときに、男性と女性の違いはどこにあるかを触れていきます。これを書くにあたっては、私の偏見を入れないよう努力していきます。また、内容は今までの私の経験をもとにしています。したがいまして、状況によっては当てはまらないときもあり、個人個人で該当しないケースも多々あります。ここは違うという箇所がありましたらご指摘いただければ幸いです。 男性は妥協的 男性はメーリングリストなどで論争が起こると、とことん最後まで自分の主張を貫くよりも、妥協策をとる方向へもっていこうとします。また、真剣な話になると真っ向から立ち向かわず、ちゃかしたり話をすり替えようとするところも多くあります。女性は徹底的に自分の意見を押し通そうとする傾向が強く、男女間に違いが明確に見えます。これは、討論のスキルも関連するのでしょうが、ネット上では強い意志で立ち向かう意気込みが男性はやや弱いように感じられます。 言わずともわかってくれている期待感が強い 古いコマーシャルですが、「男は黙ってサッポロビール」と言ってビールを飲むシーンがありました。男性は、主張を体で表し、言葉に出さずはっきりと言うのを避け、相手は自分の主張がわかっているだろうと期待を込めてしまう傾向があります。文字で主張を伝えあうメーリングリストでは、身体での表現は通用せず自分の意志を的確に言葉で伝えないと誤解や行き違いが起こります。その結果、からまわりの以心伝心が生じ、男女間では口論となるときもあります。女性ははっきり物事を述べるので、男性はこのときがやりにくい思いをする場合があります。しかし、ネット上ではこうした男性の「期待感」は通用しないので、考え方の切り替えは必要です。 はっきり物事を言うのが不得意 上に書いた話に関連しますが、はっきり物事を言うのは女性の方がしっかりしています。「〜が悪い」と強い調子で言うのは男性は一歩引くところがあります。ネット上での討論はよいものはよい、悪いものは悪いとはっきり明言した上でその主張の経緯を述べて話を展開することが多くあります。こうしたときに、中途半端な主張となるとそれが誤解を生みやすく、逃げ道をつけてしまうと何をもっとも伝えたいのか論点がわからず、無用なけんかとなるときも見受けられます。イエス、ノーの回答を嫌う傾向があるのか、どちらかをはっきり言うのが苦手なのは男性の方に多いように感じます。ネットでのやりとりは感情表現ができないので時として明確なイエスノーを伝えるときがあります。このときは、毅然とした態度をとるのが大切です。 保守的? これは一概には言えませんが、「長いものに巻かれる」的な結論をとりやすいのが男性に強く、我が道を行く姿勢が強いのは女性が多いように感じます。日常生活上の行動が深く関連するのですが、何かを変える気持ちを強くもっている人が女性に多いのかもしれません。ここは断定できないのですが、改革的な意気込みが男性って意外に弱いのかもしれません。 それでは男性はネットに不向きかというと、そうでもありません。たとえば、妥協的な姿勢は時として柔軟な解決を見いだす糸口にもなります。ただ、明確にお互いの主張を出し合わないとコミュニケーションがうまくはかれないのが文字だけのやりとり。その点を認識しながらスキルアップしていくのが男性側の宿題とも言えます。 次回は女性編です。女性編は書くのが難しいので気を引き締めなければ。 2001年 7月14日発行 第71号
|
前の記事
記事一覧
次の記事
全バックナンバー
MLweeklyトップページ
|
|
![]() |
ML weeklyは「まぐまぐ」の発行システムを利用しています。 マガジン発行ID: 0000026807 |