コラム:メールではまず自分を名乗ろう電子メールを使って初対面の人に問い合わせや質問をしたり、あるいはホームページの感想を送るなどしたことがあるかと思います。私のところにも毎日メーリングリストに関するさまざまな質問メールや感想、掲載依頼といったメールが寄せられます。ときには一度にたくさんのメールが届いて返事を書くのが遅くなることさえあります。 こうしたメールで最近気になりだしたのが、自分を名乗らず要件だけしか書いていないものです。今回は名無しのごんべえメールが受け手側にどんな印象をもたらすか話をしてまいります。そして、自分を名乗る大切さについても触れていきます。 ○ 返事を書くとき誰宛にすればよいのかわからない メールを出した本人は自分自身ですから名前も知っていればどんな人物であるか知らないはずはありません。しかし、相手はどうでしょうか。どこの誰からのメールかわかりません。そのような人に好意的に返事を出そうと思うでしょうか。なにしろ、誰宛にすればよいのかわからず、書き初めの段階から戸惑わせてしまいます。 メールは電話での問い合わせとは違います。返信をもらうメールを出すのであれば、必ず自分を名乗りましょう。メーリングリストで大勢の人に読んでもらうのであれば特に重要です。 ○ 用件だけのメールほど無礼なものはない これは特に人に依頼をする体験の少ない人に多く見られます。一方的に要求だけを綴っただけのメールです。見知らぬ人にメールを送るのであれば自分自身を名乗るのは最低限のわきまえです。これを怠った時点で受けては差出人によい印象をもたない可能性が高くなります。「○○について教えてください」だけで、親切に回答してくれると思ったら大間違いです。見知らぬ人への礼儀は日常生活と同じです。これを絶対に忘れないようにしましょう。 ○ 自分を名乗れば狙われる? インターネットでの大きな勘違いに、「自分を名乗らないのが常識」というのが蔓延しているようです。特に女性にとって神経質になりがちで、トラブルに巻き込まれることを防ぐ自衛手段とされていますが本当でしょうか?これには大きな勘違いがあります。何でも隠せば解決できるというのは誤解です。なぜなら、自分を隠してもインターネットストーカーなどの問題は撲滅したでしょうか?していませんよね。 まず自分を隠して相手にメールを出そうというのであれば、あきらかに自分自身が相手を警戒している表れといえます。でもそういう人にメールを出すという時点で一考しなければならないはずです。自分が危険を侵してまでメールを出すことに意義があるのでしょうか?メールを出すというのは相手にもそれなりの素性(個人情報のことではありません)は気づかずして伝わっているのです。ですから、メールを出す時点で自己責任が課せられます。たとえ、名前を名乗らなくても文面を読めば男性、女性の区別はつきます。それゆえ、自分を隠しても結果的に無意味となるのです。堂々とした姿勢を見せるか見せないかで、相手の態度が変わります。隠せば隠すほど相手につけねらわれやすくなります。仮面をかぶっても安全なのではありません。 ○ 自分を名乗るのはハンドル、それとも本名? これはケースバイケースです。たとえば、ホームページの感想を送るときはコンテンツにハンドル名しか書いていないときは自分もハンドル名でもかまいませんし、内容から信頼できる人であれば堂々本名を名乗ると相手からも本名で返信が寄せられることが多いです。一方、連絡先に本名が記載されている場合はこちらも本名を名乗る方が礼儀としてよいでしょう。相手は素性を明らかにしているのに自分は名前を明かさず、あたかも仮面をつけて接するのは失礼です。もちろん、その判断は自分自身でコンテンツを見て信用できる人と見極め、自己責任で行います。こうした実名で公開している人のほとんどは自己責任力が強く紳士的です。インターネットで堂々と自分をアピールしているだけにメールへの対応も礼儀をもってしてくれます。 インターネットは元来、本名でやり取りをしていました。ところが心ない利用者の急増により自らを隠すのが当たり前と言われてきています。必要に応じてこの手段を使わざるを得ないのは事実です。しかし、それがすべてではありません。インターネットには尊敬できるすばらしい人に巡り会える機会がたくさんあります。そのチャンスを得るときには本名を名乗るのがよいでしょう。 少なくとも、見ず知らずの人には自分が誰なのか知ってもらうよう文頭で名乗るようにしましょう。メールでのコミュニケーションの大事なエチケットです。 2001年 4月 7日発行 第57号
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