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特集:誰でもできる読みやすい文章の書き方(1)


 今回は趣向を変えて、電子メールでのコミュニケーションに役立つ文章表現のコツを紹介します。メーリングリストは文章で大勢の人に自分の気持ちを伝えなければなりません。それには、相手に読みやすい文章を書かなければ、伝わるどころか相手に不愉快な思いをさせてしまうときもあります。手紙や作文を書く機会が少ない私たちの生活、文章が下手なのでメーリングリストへメールを出すのに二の足を踏んでいる人も多いのではないでしょうか。
 私自身、決して文章を書くのは上手ではありませんし、特別な勉強をしたこともありません。経験をもとに、こうすると読みやすい文章が書けるというワンポイントをいくつか紹介します。

○ 初めのうちは「です・ます」調で書く

 文章を書き慣れない段階で、かっこいい表現にしよう、あるいは軽いノリで書こうとしても文章としては読みにくいものになりがちです。まずは、「です・ます」調をもとに文章を書いていくのがベストです。「です・ます」で書くと堅苦しくて読みにくくなるのではと思うでしょうが、決してそんなことはありません。むしろ、文章としては何を伝えたいのかはっきりするのでわかりやすくなり、コミュニケーションでは以心伝心がしやすいものになります。書く経験を積み重ねていくうちに、表現のレパートリが増え、自分なりの個性の出しどころがつかめてきます。そうなってくれば読みやすくて味のある文章表現ができるようになってきます。それからでも個性的な文章を書くのは遅くはありません。
 文章を書く基本は、まず「です・ます」調から。

○ 主語と述語をはっきりさせる

 最初の頃、これができるようで意外にできないのです。「○○は××です」というときの○と×が対応していない文章になると、読んでいる側は何を主張したいのかわからず、解釈から誤解も生まれがちです。
    「私の部屋に、デスクトップとノート型の2台のパソコンがあります。」
と書きたいところを
    「私の部屋に、パソコンがデスクトップとノート型の2台です。」
のようなあいまいな表現で書いてしまうことがしばしばあります。もちろん、上のケースなら読み取れはするものの、どことなく読み手に頭をひねらせてしまいます。
 文書を書くときは、「私は・・・何を言いたい」という構想を頭に浮かべます。そして、その構想を固定して文章を装飾すると主語と述語が動かないので主張をまとめやすくなります。頭に描いたまま文字にしていくと、主語と話の関連がしだいに離れてしまい、無関係な結びを綴りがちです。
 文章を書く前にこの一文で何を言いたいかを明確にしてから書きはじめるとよいです。

○ 適度に句読点を打つ。
    「今日は天気がいいです。そして気温も穏やかで心地よい風が部屋に入り込みすがすがしい気分にさせてくれます。こんな朝にはモーニングコーヒーとトーストの食事が最高です。そうそうテレビよりもラジオをつけてクラシック音楽を聴きながら食べるともっといい気分になるかもしれません。さっそく試すとしましょう。」
句読点がないと、息継ぎができずせっかくの文章も読むだけで疲れてしまいます。
    「今日は天気がいいです。そして、気温も穏やかで心地よい風が部屋に入り込み、すがすがしい気分にさせてくれます。こんな朝にはモーニングコーヒーとトーストの食事が最高です。そうそう、テレビよりもラジオをつけてクラシック音楽を聴きながら食べると、もっといい気分になるかもしれません。さっそく試すとしましょう。」
ケースバイケースですが、接続詞の後や文節の区切れに適度に句読点を打つのを心がければ、全体的に読みやすい文章になります。

○ 一文は短く

 文章を書くときよくやりがちなのが、だらだらと書き綴る長文です。「〜が〜で、そして〜で、〜があるので、〜がありますが、〜です。」のように、とにかく何でも一文で済ませようとしたり、思い描いているものを整理しないで書き綴ると起こりがちです。一文は長くても2行程度におさまるように工夫して次の文章につなぐように心がけていくと、単文でわかりやすくなります。
 聞いた話ですが、文屋さんは研修のときにまずこれを叩き込まれるのだそうです。

次回は、中級編をお届けします。


2001年 2月17日発行 第50号


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