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特集:フリーメールでメーリングリストへ参加していいの?


 前回の続編で、メーリングリストにフリーメールを使って登録するのはよいのかどうかについて触れてみます。

 フリーメールには三種類あり、「転送メール」、「Webメール」、「POP3アカウント」があることは前回お話しました。特に、無料インターネットサービスでもらえるメールアドレスは、スパムと呼ばれる電子ダイレクトメールに悪用されるとして参加を断られることが多くあります。
 それでは、無料メールアドレスでメーリングリストに参加するのはよいのかどうか白黒はっきりさせたくなります。
 答えは、ケースバイケースです。しかし、ある程度の明確な線引きはできます。種類別にまとめてみましょう。

○ 転送メール
 これは有料、無料問わず「ダメ」です。理由は配送エラーが生じたときに主宰者が原因を追求できないときがあるからです。配送ができないメールは主宰者に通知されます。その際、メールの配送エラーや配送経路を読み取りながら該当するメールアドレスを見つけ出します。転送メールの場合、まれに配送先を突き止められても登録した転送メールアドレスを見つけ出せないときがあります。そうなると、永久に配送エラーが止まらない事態を起こし、運営上支障をきたしてしまうのです。
 メーリングリストで最も登録を好まれないのが転送メールアドレスです。

○ Webメール
 Yahooメールhotmailなどのメールアドレスです。これは、基本的には「ダメ」です。ただし、容認しているメーリングリストも多くあ
ります。
 このメールアドレスが嫌われる理由は、保存できるメールの容量が小さいからです。一日のメール量が多いメーリングリストでは、ちょっとメールを読み出さないうちにメールボックスが満杯になり配送エラーを起こしてしまうのです。頻繁にメールチェックをしないアドレスであれば気づかぬうちにメールがたまりっぱなしになってしまうのです。利用者はそれで被害は被りませんが、メーリングリスト側は配送エラーの対策をしなければならず迷惑な話です。
 さらにもうひとつ理由があります。これは最近少なくなってきましたがメーリングリストへメールを送ると「文字化け」を起こして読めないメールを配送してしまうのです。メーリングリストの配送システムと相性が悪かったり、もともと英語でのメールシステムを日本語対応に改造してWebメールを提供しているところでは日本語処理に不備があり誤動作を起こしている場合もあります。幸い、こうしたトラブルは少なくなってきています。
 Webメールは、頻繁にメールチェックをしているアドレスであってメール量の少ないメーリングリストであれば使用しても大きな問題はないでしょう。もちろん、使用を禁止しているところでの参加は控えましょう。

○ 無料インターネットプロバイダのメールアドレス

 現在のところあまりおすすめはしません。これには、いくつか理由があります。たとえば、送信メールの末尾に広告が挿入されるものでは、これがメーリングリストへ流れてしまい、目障りで悪印象をもたれてしまうからです。無料メーリングリストサービスでは利用上広告が入りますが、これは周知のものですから参加者も納得がつきます。しかし個人のメールにつく宣伝広告はその限りではありません。無理やり広告を見せつけられたという印象を受けてしまうのです。これがメーリングリストで嫌われる理由の大きなひとつです。
 また、これは他の無料メールにも共通なのですが、「タダ」というだけに取得も簡単なら破棄も簡単です。使い捨てと同じで、不要となれば廃棄してしまい、あとは忘却のかなたにいってしまいます。メーリングリストに登録したまま廃棄してしまうことも多く、これまた配送エラーを起こす原因のひとつで主宰者に苦労をかけてしまうのです。なるべくであれば、この無料プロバイダのアドレスも控えた方がよいでしょう。容認しているメーリングリストでも極力他のアドレスを使う方が望ましいです。


 最後に、メーリングリストを主宰している管理人さんへ

 単にフリーメールだからお断りというのは好ましいとはいえません。もちろん、主宰する上でフリーメールは支障をきたすことは多いです。でも、それは悪用した行為をする人を責めるべきであってフリーメールそのものが悪の元凶ではありません。
    フリーメール=悪いもの
という方程式は成り立たない点はふまえてほしいところです。

 メールを保存できるメールアドレスを使ってメーリングリストに参加するのが、自分もそして主催する側どちらにも安心して気持ちのよいコミュニケーションができます。無料の見返りを大勢の人に押しつけないようにするのも大切です。


2001年 2月10日発行 第49号


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