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特集:メーリングリストこの一年


 今年も、いや今世紀も残すところあと一週間。電子メールが誕生したのも20世紀。100年という時の流れの変貌はあまりにも目まぐるしく、変化の激しさを感じます。

 100年を振り返るよりもまずは今年一年のメーリングリスト関連のニュースをまとめてみました。

○ 何事も起こらなくて良かった2000年問題
 もうすっかり忘却の彼方にいってしまいましたね。2000年1月1日。山手線は一時停止したりする対策をとるなど、コンピュータ社会の一面を表した200年のお正月でした。

○ 使いやすくなったメーリングリスト開設サービス
 メーリングリスト業界はこの一年、急激な進歩を遂げました。今まで、覚えにくいコマンドを使ったメーリングリストのシステムを、ブラウザを使ってマウスクリックだけで管理できる便利なサービスが登場しました。しかも、無料というのがうれしいところ。参加する側もマウスクリックで登録でき、ブラウザで過去のメールも閲覧できるなど、使いやすい機能が満載。これからのサービス向上に期待できそうです。

躍進したメーリングリストサービス
そして、続々新規参入も
携帯電話のメーリングリストサービスも登場するなど、サービスの向上がめざましい年でした。

○ 躍進の裏側に・・・・
 こうしたメーリングリストサービスの進歩が、既存のMLサービス撤退にもつながりました。新規開設を打ち切ったり、業務終了をしたサービス会社も少しずつ表れ始めました。
 しかも、現在先行しているMLサービスプロバイダも合併、子会社かなど変貌が激しくなっています。ベンチャー企業も吸収・合併が激しく、ML業界も今後どうなるか注目されるでしょう。

主な業務提携
  • EasyMLが、オンラインショップ「楽天」の子会社に
  • egroups社。Yahooと業務提携。日本のYahooでも今後事業展開が期待される。
○ メーリングリストの入門書が登場!
 誰が書いたのって?。私です(^_^)。
 今年の私の10大ニュースのトップは、はじめて本を書いたことにつきます。8月に「超入門初心者もつまずかないメーリングリスト」というMLビギナーを対象とした入門書を、「すばる舎」より出版しました。2月に1カ月ちょっとの短期集中で本を書き上げました。さて、売れているのだろうか?
○ メーリングリストは作りやすくなったけど・・・気になる不安
 無料で簡単に開設できるメーリングリストが登場したものの、最近気になる点がいくつか見えています。
  • メーリングリストリストが増えすぎ?
     作っただけのメーリングリストが散在して、活動しているメーリングリストが見つけにくくなってしまった。せっかく参加するなら活気のあるところにしたいもの。でも、なかなか探せない現状が浮かび上がってきています。

  • お目当てのメーリングリストが探せない
     メーリングリスト開設サービスでも、月刊ML紹介のような検索サービスを提供しています。しかし、どの会社も自社の開設している公開メーリングリストをすべて掲載しているだけに、お目当てのものを探し出せなくなってしまいました。見つけても活動していなかったり有名無実の状態など、こうしたML乱発はメーリングリストそのものの質を低下しかねない問題にもなります。

  • 主催者の技能向上がカギ
     メーリングリストを運営していく技能やノウハウというものを知る手がかりがないのも現状。そのせいか、作っただけであとは何もしない主催者が多くなってきました。参加者にメールを出してもらうのを待っているだけでは何も活動は始まりません。また、トラブルの対処に困惑して参加者との間に亀裂を生じたまま停滞してしまうメーリングリストも少なくありません。ネットワークでの運営ノウハウを研修できるような場作りの必要性が出てきています。
 メーリングリストの発展はこれからも続くでしょう。21世紀のメーリングリストを予想する。そんな特集をしてみたいなと考えています。


2000年12月23日発行 第42号


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