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特集:メーリングリストの歴史(最終回)


 メーリングリストの歴史、いよいよ今回が最終回です。舞台は1998年から現在に至るまでの話です。

○ メーリングリスト検索サイトの光と影
 今、メーリングリスト検索サイトの代表的なものといえば月刊ML紹介やML-GARDEN.COM, ML-worldなどが思い浮かぶでしょう。こうした検索サイトは老舗的存在として定番の座を確保しているだけに、安定した新着情報が寄せられています。それだけに、長く運営が継続されているわけです。
 こうした検索サイトはほかにもMLを紹介するサイトは今までにいくつか存在していましたが、短命で終わってしまう傾向にありました。メーリングリスト検索サイトは同じ趣向ではじめてしまうと二番煎じで、後追いのサイトほど知名度が低いため情報量で不利となります。掲載する側も大きなサイトに登録すれば十分という人も多く、後発のサイトは無視されがちになります。
 さらに、データの登録や更新作業もも大変です。毎日定期的に手作業で更新するとなれば慢性的に疲労がたまってくるでしょう。特に、リンク切れの削除処理が煩雑です。こうした背景のせいか、ML検索サイトを立ちあげたものの、半年で消滅したり、更新作業が停滞しているといった終焉を迎えるところが目立つようになってきました。
 ML検索サイトは大きいところではアクセス数が膨大ですが、それだけにメンテナンスも大変ではじめるには十分覚悟が必要といえるでしょう。

参考ページ
 主なML検索サイトを集めたリンク集

○ メーリングリスト開設プロバイダの競争激化
 1999年ごろから、インターネット広告の効果が注目されるようになり、無料メーリングリストの広告配信も目が向けられるようになってきました。
 とはいうものの、有料・無料いずれのサービスも横並び状態でした。メーリングリスト管理ソフトをそのまま提供するといったサービス形態が中心で、どこも提供内容は同じといったものでした。

 こうしたサービスを打ち破ってきたのが、FreeMLやEasyML(現インフォシークメーリングリスト), eグループ(現Yahoo! Groups)の3大MLベンチャーでした。これらのサービスの共通点は、今まで初心者には難しいイメージをもたせていたコマンド処理をブラウザで処理できるシステムを開発し、さらに専門知識がなくても簡単な手続きでいくつでもメーリングリストを開設できるというサービス形態をとっているところです。技術的な印象が強いメーリングリストを誰でも扱いやすいものに作り替えて提供する発想は、その後のメーリングリストの発展に大きく貢献しているといえます。そしてメーリングリストも新たなビジネス展開へ移ろうとしています。特定の関心をもつ顧客を確保しピンポイントで広告配信するビジネスです。これからは公正な方法で的確に広告配信するビジネスが飛躍のカギを握っています。メーリングリストビジネスはまさにその波にのっているといえるでしょう。そして、なによりメーリングリストにかけたベンチャーの熱い思いが今大きな花を咲かせつつあるのが注目の的といえるでしょう。
 そして、もうひとつ大きいのがユーザ宛のメールニュース配信です。利用者の数が増えるほど配信数は多くなり、必要に応じて広告やプロモーションを繰り広げられる絶好の媒体をたやすく発行できるのは大きいでしょう。

 2000年はメーリングリストサービスが革命的に向上し、大きなビジネスモデルに成長していくでしょう。利用する側もそして事業側も何か新しいものが生まれる、そんな何かをこれからもかいま見れるのではないでしょうか?

 4回にわたりお送りしたメーリングリストの歴史。いかがでしたでしょうか?急ぎで書いているせいもあり、まとまりのない構成になってしまったのは申し訳ない限りです。


2000年 7月22日発行 第20号


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