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特集:ML管理人になるための下準備


 メーリングリストが簡単に、いくつでもできるサービスが脚光を浴びるようになり、掲示板感覚でメーリングリストの開設ができるようになりました。その反面、メーリングリストの基礎知識なしに衝動的に作ってしまったために、管理人として運用にまでこぎ着けない現状も見え始めています。メーリングリストはいいかげんな気持ちで作ると大勢の人を巻き込んでしまうだけに、最低限の知識と自覚をもって開設するようにしなければなりません。

 そこで今回は、メーリングリストを開設するための心の準備について取り上げます。

○ メーリングリストの仕組みは必ず知っておこう
 メーリングリストって何だかわからないけど、つくって人を集めれば何とかなるでは管理人はつとまる以前の問題です。メーリングリストを掲示板やチャットと同じものと思っていたり、ホームページの延長みたいなものと思って安易に作るケースもあるようです。何事もそうですが、まずはメーリングリストはどんな仕組みか理解してから始めましょう。

○ 身内のメール交換の感覚とは違います
 もちろん、友達同士だけのメーリングリストにするのであれば別です。インターネット中の人を集めて始めるメーリングリストを作るのであれば、面識のない人とやり取りをする自覚をもっておきましょう。参加してくる人は初対面の人ですから、日頃から顔見知りの友達同士の接し方をすれば失礼です。今ま
でメールは友人だけのときであれば、特にわきまえる必要もありませんでしたが、広く仲間を募るのであればまず友達感覚のメールのやり取りでは成り立たちません。メーリングリストを始めるときはこの点を自覚する必要があります。

○ まずはメーリングリストに参加してみよう
 頭の中で知識を詰め込んでもわかりません。まずはメーリングリストに参加してみましょう。メーリングリストのメールを実際に読んで、どういったやり取りがされているのか肌で感じとるのが一番です。月刊ML紹介を参考にお気に入りのメーリングリストを見つけてみるとよいでしょう。

○ メールソフトの最低限の使い方はマスターしよう
 基本と言えば基本ですが、これが不十分では管理人として事務処理がままならなくなります。メールの読み書きや、できれば整理の仕方をマスターしておくのは必須です。

○ まとめ役の自覚をもつこと
 メーリングリスト管理人は掲示板以上に人のまとめ役としての役割が大きいと思ってください。掲示板では興味のある人が見たいときに立ち寄ればよいのですが、メーリングリストは違います。常に、メールで参加している人へ情報を配信します。そこで繰り広げら得るコミュニケーションを円滑に維持しなけ
れば不愉快なものでも一方的に全員に送りつけてしまいます。ましてけんかや口論をかいま見セては、せっかく入ってくれた人に気分を害するような思いをさせてしまいます。こうしたコミュニケーションのまとめ役を担うのが管理人の仕事です。いいかげんな対応は大勢の人に不愉快にさせることにもつながります。作ったからにはまとめ役の自覚をもっておくようにしたいものです。

○ 作れば盛り上がるものでない
 メーリングリストは作っただけでは何も始まりません。入会者が増えても話題が出なければ誰もメールを書いてくれないでしょう。管理人はエンターテイナーの役割も必要です。盛り上げ活動や入会者の歓迎などメーリングリストでの地道な活動をして軌道に乗せていく仕事があります。入会者任せではメーリングリストは閑古鳥が鳴いてしまいます。

 メーリングリストの管理人は、言い換えればパーティを主催するホストのようなもの。人をもてなす役であり、それは大勢の人をまとめていったり、楽しい場を作っていくように活動していくのが肝心です。メーリングリストを開設するのは簡単ですが、こちらは努力が必要です。それを忘れないよう心の準備はしておきましょう。


2000年 5月6日発行 第9号


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