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特集:最近のMLプロバイダ事情(1)


 今まで、MLプロバイダといういえばMajordomoやfmlといった既存のソフトを使ってメーリングリストを提供しているのが通例でした。しかしながら、ヘルプの文書が英語だったり、馴染みにくいコマンドや専門用語が多く、管理者も利用者も使いにくさを感じる部分はたくさんあります。
 今年に入ってML開設プロバイダは大きな躍進を見せ始めました。特に日本語での管理処理やメッセージの通知、そしてマウス操作での参加登録、WebでのML管理の強化といった使い勝手を改善したサービスを打ち出してきています。これからは、付加機能をつけたコミュニケーションサービスの充実さをウリにMLプロバイダは成長していきそうです。

 今回は、ホットになりつつあるML開設プロバイダのサービスについて取り上げてみます。特に、FreeMLとegroupが提供している利用形態にスポットをあててみます。

○ 開設手続きが変わった
 今までは、メーリングリストを作るときは申込みフォームに詳細な個人情報などを記載する手続きをとっていました。しかし、これが結構面倒で、技術的な設定項目は初めての人にはわかりにくいものです。特に、複数のMLを作るとなったら個人情報を再度記入しなければなりません。
 こうした手間を省くため、いっそ最初にユーザ登録をしてもらい、入力する情報もできるだけ簡素化したシステムを導入したのがFreeMLとegroupです。ML開設手順は次の通り。

Web上でメールアドレスとパスワードを記入し仮ユーザ登録をする(無料)

メールで登録の確認が即時届き、指定のURLへアクセスする

ユーザ登録完了。MLの開設もできるようになる。

ユーザ登録を済ませると、プロバイダのトップページに登録したメールアドレスが表示され、自分専用の画面になります。おそらくクッキーを使っているので、別のパソコンでアクセスしたときはメールアドレスとパスワードを入力すれば専用画面に入ります。
 あとは、MLを作るのに必要な手続きをとるだけ。FreeMLはトップページにフォームがあるので迷わないのが工夫した点といえるでしょう。入力を終えるとあっというまに必要なアドレスが発行され、即運用が開始できます。
 このシステムの長所は、少ない手続きで簡単にいくつでもマウス操作でMLを即時開設でき、廃止もすぐにできる点です。手軽さと簡便さを考慮した仕組みといえます。反面、MLの所有者の情報をプロバイダが把握していない点に注意が必要です。ユーザ登録には住所は電話番号といった項目は用意されてい
ません。

 実際、私も試しに作ってみました。率直な印象は、ほんとうに簡単にメーリングリストができてしまいます。今までは、手続きをして数日後に設定完了のメールをもらいテスト運用する段取りでしたが、こうした時間の手間もなくなりました。しかも、廃止ボタンを押せば一発でMLを閉鎖できます。つまり、
廃止手続きは不要です。「気軽にMLを作る」という点では一目おけるもの
があります。
 一見、「MLの安売り」のようなイメージを抱いてしまいがちですが、一度体験するとこの手軽さは手放せなくなります。プロバイダ側からすれば、これが顧客確保の最大の目玉といえるのかもしれません。

 MLの進化ともいうべきこのシステム。試してみる価値は大です。また、ML開設をしない人も登録だけでもしておくと便利です。それは、次回のお楽しみ。

次回は、続編としてユーザ登録で簡単にMLも参加できる仕組みについて触れてみます。

○ 参考ページ

2000年 4月17日発行 第6号


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