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特集:管理人があわてないためのメーリングリスト引っ越しマニュアル

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 無料のメーリングリストサービス御三家といわれたfreeml, Infoseek ML, Yahoo!グループ。ITベンチャー全盛を風靡してきたサービスも時代の変化で勢いが衰え、Infoseek MLに続きYahoo!グループも廃止を決定しました。今まで築いてきたコミュニティも突然のサービス終了が決まるとに管理人は引っ越しを余儀無くされ右往左往してしまいます。

 今回は、メーリングリスト管理人が次の定住先を見つけるためのメーリングリスト引っ越し対策について解説します。

<引っ越しのための準備>

● メーリングリストでの継続・移行を優先

 現在利用しているメーリングリストのサービス終了をきっかけに、SNSや他のコミュニケーションサービスへの移行を考えたくなります。それでも、まずはメーリングリストでの移行を優先することをおすすめします。

 移行の際にメーリングリスト以外のシステムを検討するときは、自分だけで判断せず、メンバーの意向を聞くことも大事です。自分では使いやすいシステムでも、メンバーの中には反対の人もいます。また、運営していているメーリングリストの活動に最適なシステムを選ぶのには時間もかかります。熟慮せずに決めてしまうと使い勝手が悪いなどの理由で、その後の活動に支障をきたします。

 まずはメーリングリストで引っ越しをして。移行後にあらためてシステムについて検討するのが得策です。

● メーリングリスト移行先を見つけよう

 メーリングリストの引っ越しで頭を悩ませるのが、移行先となるサービスの選定です。

 メーリングリストのサービス選びとして、無料か有料のどちらのサービスを選ぶかが分かれ道です。しかし、無料のメーリングリストサービスではfreemlぐらいしか残っていません。

 InfoseekやYahoo!の現状を目の当たりにすると、freemlもいつかはサービスが終わってしまうのではないか気がかりです。確信はありませんが、今のところfreemlはすぐにサービスを終了するような兆しは見られません。

 一方、有料メーリングリストはサービスを終了しているところはさほどありません。今後も長く活動をしていくのであれば、この機会に有料メーリングリストを利用するのも選択肢の一つです。リーズナブルな値段で提供しているサービスでは、 ホープムーンのメーリングリストサービスがあります。WordPressを使ってのサイト運営も含めた活動にまで広げるのであれば、レンタルサーバーを使ってメーリングリストを運営するのも検討の価値があります。

 具体的なサービスについては次のページにまとめてあります。

● 引っ越しに必要な作業

 メーリングリストの引っ越しは結構面倒です。メンバーへの告知を繰り返したり、サーバーからデータ類が数多く収集する作業があるためです。特にデータの取り忘れは禁物です。サービス終了後に気がついても永久に入手できません。

 メーリングリストの引っ越しで欠かせない作業をまとめておきます。

・ 登録アドレスのリスト取得

 最も大事な作業です。移行前にメーリングリストに登録されているアドレスのリストをサーバーから入手します。登録アドレスは重要な個人情報ですので、外部に流出しないよう厳重に保管してください。

・ 案内文の保存

 メーリングリストの案内文も原文が残っていないときは必ず取得しておきましょう。忘れてしまうと作り直すのに手間がかかります。

・ 投稿メールのアーカイブ

 これまでに投稿されたメールのアーカイブは大事な資産です。すべてダウンロードして残しておくようにしましょう。引っ越し後はメンバーだけに閲覧できる方法を考えなければなりません。急ぐ必要はありませんが、パスワードをかけたページを作るか、移行先に圧縮して保存するか考える必要があります。

・ 写真などのデータ類の対処

 アーカイブ以外にメンバーが保存した写真やファイル類もダウンロードしておきましょう。移行先で再公開するかは必要に応じて決めます。

● 移行スケジュールを立てる

 メーリングリストの引っ越しはサービス終了前に済ませなければなりません。終了までの期間は長いようであっという間です。きちんとスケジュールを立てて作業を進めていくのが大切です。

 移行を決断したなら、以下の段取りを立てます。

  1. 移行日を決める
  2. 移行先の選定と契約を済ませる
  3. メンバーに移行の告知と日程を知らせる
  4. 案内文を取得し、移行先に登録する
  5. 移行日前日に登録アドレスとアーカイブを取得
  6. 移行日当日に新サーバーへアドレスを登録
  7. 現在のサーバーで移行実施を通知
  8. 移行先のサーバーで移行完了を報告
  9. 新サーバーの使用方法などを周知
  10. サービス終了前日にデータの取り忘れがないか確認
  11. 移行作業完了

<メンバーへの告知と移行>

● 移行の経緯とスケジュールを告知

 メーリングリストの引っ越しはいきなり実行するわけにはいきません。きちんとメンバーに事の経緯を説明して、どのようなスケジュールで作業を行うのかをメーリングリスト上で知らせなければなりません。引っ越し作業は登録メールアドレスを扱うため、勝手に何かをされたと誤解されてしまう恐れもあります。

 メーリングリストの引っ越し前には次の点を周知します。

  1. メーリングリストのサービス終了など移行の理由
  2. 移行先のサービス
  3. 移行の日程
  4. 移行前に行う作業内容

 これらは一回だけでなく、同じ内容を何回か繰り返しメーリングリスト上で知らせるようにしてください。一回では周知しきれていない場合があるためです。メンバーに心配をかけないようにするのが管理人のつとめです。

● 登録アドレスを移行する際の注意

 管理人が登録メンバーのメールアドレスを新しいメーリングリストのサーバーに移すには二つの方法があります。ひとつは、承認式の招待登録で、招待メールをメンバーに送って本文に記載してある承認手続きをメンバー自身が行うことで登録を完了させます。もうひとつは承認なしの登録で、管理人が一方的に登録手続きを済ませます。承認なしの登録は事前に現行のメーリングリストで実施の周知をしておかないと、一方的に登録されたと受け取られトラブルを招きます。予告なしに実施しないよう気をつけてください。

 また、引っ越しを機会にメーリングリストを退会したい人もいます。退会したい人は事前に手続きをするよう呼びかけることもしておきましょう。

 登録アドレスの移行作業はメンバーへの配慮を要します。管理人は慎重に作業を進めるよう心がけてください。

● 移行先で使い方を周知

 新天地でのサーバー設定が済み、メールアドレスの登録、ならびに前サーバーからのデータを移し終えればひとまず移行作業は完了です。管理人の投稿で新サーバーでの活動が始まります。

 新サーバーで活動を始めたなら、メールの投稿アドレスの案内や入会手続きの取り方、さらにアーカイブの閲覧方法に加え、新機能があればその使い方の説明をメーリングリストで伝えます。特に新しい投稿アドレスと入退会の手続きは必ず教えておかないと以前のままを踏襲してしまい、新しいサーバーに投稿や事務手続きができないと問い合わせが寄せられます。こうした事務的な案内は管理人の大事な仕事だけに忘れずに行ってください。

 なお、古い入会案内文は以前のサーバーのアドレスが記載されたままです。一度読み返して、新しいサーバーに対応した内容に書き換えてから登録しておきましょう。

<コミュニティは大事な財産>

● 少しでも活動していれば存続させよう

 メーリングリストを古流活動に利用するのは近頃下火になってきています。しかし、一同に集まった仲間との交流の場を一度解散してしまうと、再び同じ規模を作り上げるのはきわめて困難です。

 SNSが主流となっている現在のネットコミュニティでは、チャット間隔でのやり取りは得意でも、じっくり議論したり投稿メールを保存して再利用するには不向きです。また、メールというシンプルでどんな端末でも搭載されているシステムを使ったコミュニティはメーリングリストしか実現できません。だからこそ、幅広い有意義な交流にはメーリングリストは今なお健在です。

 現行サービス終了に伴うメーリングリストの引っ越しは、あらためて自分が作った交流の場を再確認できるよい機会です。管理人として運営しているメーリングリストが少しでも活動しているのであれば廃止せず、新天地を見つけて継続していくよう、ぜひ考慮してほしいと願っています。


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