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特集:デジタルペンであなたの手書きを電子化しよう

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 紙に手書きしたメモを電子化して、パソコンやネットに保存できるデジタルペンが注目を集めています。電子化した手書きデータはスマートフォンやタブレット端末で閲覧できるほか、他のソフトを使って編集・加工もできるため、アナログとデジタル双方の利点を生かした活用ができます。

 今回は最近のデジタルペンについて取りあげます。

● デジタルペンとは

 デジタルペンとは、紙にメモやイラストを手書きするとデジタルデータに変換してくれる筆記具です。見た目はボールペンと同じですが、内部は集積回路やセンサーが組み込まれた一種のハイテク情報機器です。価格は1万5000円程度が主流で、進学や就職祝いに贈る高級筆記具と同じくらいの値段です。

 使い方は簡単です。デジタルペンを使って鉛筆や万年筆と同じように紙に筆記します。すると、デジタルペンは自動的に筆跡を読み取ってデジタル情報に変換します。書き終えたあとはパソコンやスマートフォンにつないで筆跡データを転送します。あとは付属のソフトを使ってデータの管理したり、PDFファイルに変換して思い思いの用途に活用します。

 デジタルペンは、ミーティングの内容を記録したり、イラストの下書き、アイデアやレシピのまとめなど、その場で書き留めたものを電子化して残したい用途に大いに力を発揮します。電子化すれば紙の劣化やインクの変色で内容が読みにくくなる心配がありません。また、不慮の焼失などで原本を失っても、クラウドサービスに保存しておけば永久に記録を残しておけます。

 デジタルペンは、紙に書く感覚はそのままにデジタルならではの機能を活用できる現代ならではの電子文具です。

● きめ細かい筆記と確実な電子化が可能

 手書きを電子化するには、タブレット端末上で手書きメモアプリとスタイラスペンを使う方法があります。しかし、タブレット端末は筆記の細やかな動きに反応してくれません。スタイラスペンもタッチ感度を上げるため先端が太丸い形状をしています。そのため、小さな文字を書き詰めたりりイラストの繊細な描写は困難です。

 ほかに、手書きしたものをイメージスキャナで取り込んだり、最近ではスマートフォンのカメラで撮影して専用アプリで補正・保存する方法があります。これらの場合、画像のかすれが生じたり、取り込む際に原本が曲がって傾くなど、思い通りに保存できないときがあります。

 デジタルペンはボールペンと同じ感覚で紙に書くため、細かい描画もきちんと電子化してくれます。また、インクのかすれも起こしません。手書きの電子化は今のところデジタルペンが最も優れています。

● デジタルペンでできること

 製品により異なりますが、デジタルペンには次のような機能があります。

・ 手書きをデジタル保存

 デジタルペンの基本機能です。手書きをデジタルデータ化してパソコンやスマートフォンに保存できます。

・ パソコンやスマートフォンで表示

 デジタルデータは、パソコンやスマートフォン、タブレット端末を使って紙に書いたものとそっくりそのままに表示できます。拡大や縮小表示も自由自在です。

・ デジタル化したデータのPDF出力

 取り込んだ手書きデータは独自のファイル形式だけでなく、PDFファイルとして出力することができます。Microsoft OfficeのWord形式に保存できるものもあります。

・ クラウドサービスへの転送

 EvernoteDropbox, Google Driveなど、インターネット上のサーバーにデータを保存できるクラウドサービスへ転送できます。クラウドサービスに保存しておけば、インターネットが使える端末さえあればいつでも閲覧できます。

・ 文字認識によるテキスト化

 付属の文字認識ソフトを使って手書き文字をテキストに変換することもできます。最近の手書き文字認識技術は精度が高く、少々汚い文字でも正確に認識してくれます。書き取ったメモや原稿の下書きをテキスト化して、ワープロで編集するときに便利です。

 最新の手書き文字認識技術を試せるデモがあります。デジタルペン付属の文字認識ソフトや、手書き文字認識つきメモアプリはこの会社の技術を採用しています。

・ ベクトルデータ出力

 手書きのイラストをベクトルアウトライン化して、AdobeのIllustratorやPhotoshopで読み込めるファイル形式に出力してくれる製品もあります。紙に書いた下絵をパソコンで仕上げたいときに便利です。ただし、デジタルペンでの描画はプロ用のペンタブレットに匹敵するほどの性能はありません。簡単なスケッチやラフに限られます。

 これらの機能は製品に付属のユーティリティソフトから利用できます。ユーティリティソフトはパソコン用のほか、スマートフォンやタブレット端末用もあります。

● デジタルペンの種類

 デジタルペンは筆跡の記録方式により二種類あり、両者それぞれに一長一短をもっています。

・ レシーバー型

 筆跡をレシーバーという小型の検知器を使って記録するタイプです。デジタルペンを使用するときは、紙の上端にレシーバーを置いてから書き始めます。この技術はイスラエルのペガサステクノロジー社が開発したもので、日本で販売されている個人向けデジタルペンはこの方式を採用しています。

 レシーバー型は、使用する紙を選ばないのが特長です。メモ用紙からノートまでどんな用紙でも使えます。反面、ページを変えるごとにレシーバーにある改ページボタンを押したり、位置ずれを防ぐためにレシーバーをきちんと固定するといった煩わしさがあります。また、改ページ処理をしたあとに同じ紙に書き足してもデジタルデータは上書きされず、新規ページとして扱われます。レシーバーは赤外線と超音波を使って筆跡を検知しますが、検知できない死角領域もあるため筆記の際は注意が必要です。

・ 専用ノート型

 専用ノートを使って筆跡データを記録するタイプです。専用ノートには、ノートの種類、ページ、座標を情報化した特殊なドットパターンが印刷されています。筆記中は、ペン本体についている赤外線カメラがドットパターンと筆跡を読み取りデジタル化します。この技術はスウェーデンのアノト社が開発したもので、アノト式とも呼ばれています。日本では業務用のデジタルペンで採用されています。

 このタイプは、ノートに書き込むだけで簡単に手書きを電子化できます。筆記中に面倒な機器操作を必要とせず、レシーバー型特有のデジタル化できない死角もありません。また、ノートに書き足したときはデジタルデータも重ね書きされるため、ノートとデジタルデータは常に同じにすることができます。しかし、必ず専用ノートを使わなければならず、用紙の融通がききません。専用ノートは高価なために消耗品の費用がかさみます。

● 発売中のデジタルペン一覧

 現在入手できるデジタルペンを紹介します。

・ airpen Pocket

 文具メーカー老舗のぺんてるの製品で、レシーバー型のデジタルペンです。USBケーブルまたはBluetoothを使って筆跡データをパソコンやスマートフォンに転送します。レシーバーを固定できる専用の下敷きなどアクセサリーも豊富です。

    商品名取り扱いショップ
     airpen Pocket++ (iPhone, iPad用)   Amazon  楽天  Yahoo 
     airpen Pocket (Android, Windows, Macintosh用)    Amazon  楽天  Yahoo  

・ Tegaki Link Personal

 ゼブラウィングが開発したレシーバー型のデジタルペン。大きな特徴は紙に書いた内容をその場でスマートフォンアプリで表示できる点です。書いたものがきちんとデジタル化できているかを確認するのに便利です。手書き文字認識用のソフトウェアも付属しています。

    商品名取り扱いショップ
     Tegaki Link Personal    Amazon  楽天  Yahoo  

・ Inkling

 ペンタブレットメーカーで有名なワコムが開発したレシーバー型のデジタルペン。デジタル化したデータはAdobe PhotoshopやIllustratorのファイル形式に保存できます。ベクトルデータのため、Adobeのソフトでの加工が自由にできます。筆圧感知機能もあり、筆の感覚で下絵を描くことができます。イラストを描く人向けの製品です。

・ Livescribe Sky Wifi Smartpen

 アメリカのLivescribe社が開発した世界でも数少ない専用ノート型のデジタルペン。専用ノートに書き込んだ内容はパソコンやスマートフォンを介さずWiFi経由でクラウドサービスのEvernoteへ直接転送できます。ペン本体にはICレコーダーも内蔵しており、書きながら同時に録音もできます。筆記データや音声の記録容量に応じて、2GB, 4GB, 8GBの製品があります。

追記: Livescribe Wifi スマートペンが日本国内でも取り扱いが始まりました。ソースネクストショップで低価格で購入できます。現在、2GBと8GBプロパックを販売しています。ペン本体のほかにノートやインクも安く手に入ります。

 Livescribeの製品は日本では販売していません。入手は並行輸入品を購入するため定価より割高です。価格も取り扱っているショップによりばらつきがあります。

 ※ 楽天アメリカダイレクトで購入の際は、商品受け取り時に関税と消費税の支払いが必要です。

 このデジタルペンは実際に購入しました。製品についての概要や使い心地をブログにまとめてあります。

● Evernoteを活用しよう

 デジタルペンで書いた内容は、クラウドサービスに転送すればいつでもどこでもパソコンや携帯端末で閲覧できます。

 クラウドサービスの中でもEvernoteは文書ファイルの保存管理に優れています。たとえば、手書き文字を認識して検索できる機能をもっています。デジタルペンで書いた手書きを検索するのに役立ちます。

 今までEvernoteのアカウントはもっていたものの、使い道がなくてそのままにしていた人には、デジタルペンは活用のきっかけになります。

 Evernoteは無料で利用できますが、本格的に使うときはプレミアムにアップグレードするとよいでしょう。ソースネクストからお得なプレミアムパッケージも発売しています。

 最近はドキュメントリーダーを使った紙文書の電子化がオフィスで積極的に進められています。手書きのメモも電子化すれば、デジタルならではの新たな活用に道が開け、仕事にも大いに役立つでしょう。この機会にデジタルペンを使ってみてはいかがでしょうか。


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