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特集:インターネット気になったニュース2012

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 東日本大震災から一年、復興への道のりはまだ険しく、がれきの処理や除染、復興予算の使い道など、さまざまな課題が露呈しました。

 2012年は明るい話題と暗い話題の入り混じる一年でした。明るい話題と言えばロンドンオリンピック日本選手団の活躍でした。サッカー女子なでしこジャパンの悲願の銀メダル獲得や野獣のような鋭い視線で相手をなぎ倒した柔道女子松本薫選手の金メダルのほか、体操では内村航平選手は目を見張る演技を見せてくれました。男子サッカーU-20がスペインを下したグラスゴーの奇跡も興奮しました。

 京都大学の山中伸弥教授が、iPS細胞の発表から6年という異例のスピードでノーベル医学生理学賞を受賞したのも大きなニュースでした。そして、東京スカイツリーの開業や金環日食で日本中がわいたのも明るい話題でした。

 一方、消費税増税法案の可決成立、尖閣諸島の国有化と中国国内での反日デモ、韓国の竹島との対立など内政・外交ともに苦難と立ち向かわなければならない話題も多い一年でした。また、大津いじめ自殺問題で浮き彫りになった学校教育現場の深刻な現状も衝撃を与えました。

 さて、毎年12月は「メーリングリストこの一年」と題してメーリングリストに関する一年を振り返る特集を組んでいました。今年からは幅を広げて、インターネットで起きた出来事の中から気になったニュースを取りあげ、一年を締めくくります。

● 口コミサイトでの「さくら投稿」が表面化

 口コミサイト「食べログ」での作為的な書き込みが発端となり、内部関係者や口コミ投稿業者が消費者になりすまして「さくら」の書き込みをして店の評判を上げるステルスマーケティング(ステマ)の実態が表沙汰になりました。

 今年のネット流行語大賞では、ステルスマーケティングを略した「ステマ」が金賞を取り、インターネットでの「さくら」や「やらせ」投稿への関心をうかがわせています。

 さくら投稿は、発覚すれば店の評価や信用が失墜するのはもちろん、口コミサイトの運営にもマイナスの影響をもたらします。しかし取り締まる方法が今のところなく、防止のための模索はこれからも続きます。

● レンタルサーバー障害で保存データが復旧不可能となる事故が発生

 ヤフーの子会社でレンタルサーバーを運営するファースサーバーで、契約者が利用していたサーバー内の保存データがすべて消失する大事故が起きました。しかも最悪なことに、消失したデータの復旧が不可能という前代未聞の結末となりました。運営側の人為的ミスとシステム設定の不備が重なり、バックアップ用のデータまで消去してしまった異例の事態に、新聞やニュースでも大きく取りあげられました。

 サーバーを契約していた法人では、ウェブサイトだけでなく顧客データや売り上げデータまで消失したところもあり、その後の業務に支障を与えました。この事故は、不測の事態に備えて自主的なバックアップの必要性を示唆しました。

● ソーシャルゲームでのコンプガチャ廃止

 消費者庁は、ソーシャルゲームの有料アイテム販売方法であるコンプリートガチャ(コンプガチャ)が景品表示法違反に抵触するとして規制することを明言しました。これを受けて、ゲーム運営会社も相次ぎコンプガチャによるアイテム販売を廃止しました。

 コンプガチャとは、有料アイテムを購入した際、特定のパターンをそろえると希少なアイテムがもらえるくじのような販売方法です。希少アイテムは入手確率が低く、パターンをそろえるためには何回もコンプガチャを利用しなければならず、気がつかないうちに高額な支払いを強いられます。未成年者が親に内緒でコンプガチャを利用していた場合、覚えのない高額の請求書がきっかけで家庭内トラブルが起こるといった弊害ももたらしていました。

 ゲーム運営側にとってコンプガチャは大きな収入源でしたが、規制後は新たな収益手段を生み出す取り組みをしています。しかし、法律すれすれのきわどい販売手法を考案するなど、コンプガチャ廃止後の収益確保には暗い一面が見え隠れしています。

● facebook上場とLINEの台頭、無料通話アプリの躍進

 世界のSNSの代名詞ともいえるfacebookが今年、ナスダックへの上場を果たしました。上場前は大きな話題を呼んでいましたが、その後は株価がふるわず今後の先行きは不透明です。

 一方、韓国のLINEガ急成長を遂げています。内輪の仲間でやり取りするLINEは気軽なSNSとしてだけでなく、無料の通話サービスも利用できる点が人気を集めています。

 無料通話はスマートフォンの急速な普及が後押しして、commカカオトークなど新たな参入が相次ぎました。今後さらなる利用者の確保とサービス競争の激化が予想されます。

● パソコンの遠隔操作ウイルスと警察の誤認逮捕問題

 パソコンを遠隔操作するウイルスを仕込ませて、パソコンの所有者になりすまして殺人予告や悪質な書き込みをする事件はネットを震撼させました。警察は遠隔操作ウイルスの発覚の存在を知らず、IPアドレスを元になりすましの被害に遭った人物を犯人と断定して逮捕しました。しかし、遠隔操作ウイルス使った犯行がわかり、誤認逮捕を認め被疑者に謝罪しました。

 取り調べでは容疑者に自白を強要していたことも発覚し、インターネットでの犯罪予告の捜査に課題を残しました。

 遠隔操作ウイルスを使った真犯人は接続先の痕跡を残さないよう巧妙な手口で犯行に及んでいます。そのため捜査が難航し、現在も手がかりはつかめていません。

 何の目的でこのような犯行を企てているのかは不明ですが、罪もない人を巻き込む挑戦的な行為は断罪されなければなりません。

● ペニーオークション詐欺で有名芸能人の虚偽落札が発覚

 一回の入札ごとに手数料を取って商品を落札するペニーオークションを運営するサイトが入札詐欺容疑で摘発されました。

 その後の調べで、この事件は単なる入札詐欺だけでなく、多数の有名芸能人に報酬と引き替えに自身のブログでそのオークションサイトを利用して格安で商品を落札したなどと虚偽の宣伝をさせていました。発覚後、嘘の書き込みをした芸能人は相次いで自身のブログで謝罪する騒動にまで発展しました。

 ペニーオークションは入札するたびに少額の手数料を払ったり、あらかじめ購入した仮想コインを一回ずつ使って入札する方式で、一度に高額の入札ができず少額の入札を繰り返して落札者を決めます。その際、競争相手がいて落札できなくても入札手数料やコインは戻ってきません。ペニーオークションでは、もし競争相手が運営側の「さくら」や、ボットと呼ばれる自動入札プログラムを稼働させていた場合、入札者は落札できずに手数料や使用した仮想コインの購入費をだまし取られる危険があります。今回の詐欺事件もボットによる犯行でした。

 ペニーオークションを悪用した詐欺行為もさることながら、ブログでさくらを演じた芸能人は、人を欺く軽率な行為に自身のモラルを問われるでしょう。

● 楽天メーリングリストが幕を閉じる

 最後にメーリングリストに関するニュースを一つ。freemlに並ぶ老舗のメーリングリストサービスとして親しまれてきたInfoseek楽天メーリングリストが5月にサービスを閉鎖しました。ベンチャー企業のインデックスデジタル(現在のシナジーマーケティング)が開発したメーリングリストシステムを引き継いで運営してきましたが、サービスの見直しを検討した末に幕を閉じることになりました。長年メーリングリストを利用してきた人にとっては寂しいニュースでした。

 ライバル的存在のfreemlはスマートフォンに対応したサイト作りを一層強化し、躍進を続けています。

 今年のインターネットは、さくらではじまりさくらで終わる一年であった気がします。作為的な情報に振り回されないよう、私たちも日頃から注意が必要であると考えさせられた一年でした。


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