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コラム:twitterで拡散希望はやめよう

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 twitterで時々見かけるのが、「拡散希望」と書いて自分の投稿を不特定多数の人に広めようとする行為です。twitterでは拡散希望と書いて投稿しないよう日頃から注意の呼びかけが流れています。それにもかかわらず、東日本大震災発生時はtwitterに拡散希望の投稿が大量に流れ、しかも受け取った人が内容を確かめもせずにあたりかまわずリツイートしたために無駄な情報の氾濫を招いたり、中にはデマを広める結果にもつながりました。

 twitterでなぜ自分の投稿に「拡散希望」とつけてはいけないのか、あるいは拡散希望と書いた投稿をリツイートするのはいけないのか、その理由と影響について書いていきます。

● twitterの特徴や性質を知ろう

 twitterはふと思いついたことや身近な出来事を短いメッセージとして発信できる手軽さがあります。その反面、予期せぬ影響力をもたらすのを見落としがちです。

 twitterには次のような特徴をもっています。
  1. 自分の投稿は、関心を持ってくれる人(フォロワー)だけでなく、不特定多数の人にも知れ渡る。
  2. twitterはパソコンだけでなく、携帯電話やスマートフォンで利用している人も多いので、投稿すればリアルタイムでまたたく間に伝わる。
  3. 投稿を読んだ人はその内容を自分のフォロワーに転送する「リツイート」機能により、口コミのように情報を広めることができる。
  4. リツイートされた内容を受け取った人がさらにリツイートすることで伝言ゲームのように情報が広まり拡散していく。
 これらをふまえて、「拡散希望」と投稿することがなぜ問題になるのか説明していきます。

● 「拡散希望」と書いてリツイートを促したらどうなる?

 インターネット中の人の力を借りたい、あるいは自分の発言を広めて人のために貢献したいとばかりに、「拡散希望」と書いてリツイートを求める投稿をしたら果たしてどんな事態を招くでしょうか。

  • 拡散希望と書いた投稿をフォロワーやtwitter内の検索から見つけた人が同調して他の人にリツイートする。
  • リツイートした人から受け取った投稿をさらに別の人がリツイートする。
 最初に投稿を流した人は期待通りの結果になったと喜ぶかもしれません。ところがそれだけでは済まなくなるのです。
  • これなら自分も同じ事をしようと別の人が拡散希望と書いて新たな投稿をする。
  • twitter上であらゆる拡散希望の投稿がリツイートされて同じ情報があふれかえる。
  • その結果、自分が読みたい情報が重複した内容で埋もれて見つけ出せない。
  • 大量のリツイートはtwitterのサーバーに負荷をかけ、最悪の場合アクセスできなくなる。
 このように、一人が拡散希望と書いて投稿するとまたたく間に大勢の人が同じ事をしてしまうため、不必要に同じ情報がかけまわり、本当に大事な情報を埋もれさせてしまうのです。そして、twitterのサービスに多大な負荷をかけアクセスしてもつながりにくい状況に陥ってしまうのです。

 さらに、それだけではすまないのです!

● 「拡散希望」は歯止めのかからないチェーンリツイートの始まり

 たとえば、拡散希望と書いて人探しや献血を求める投稿を流して無事に目的が果たせたとします。しかし、拡散希望と書かれた投稿は収束せずにリツイートされ続けるのです。これがtwitterで問題となるチェーンリツイートです。しかも、事態を収束させる内容の投稿をすれば、それがまたチェーンリツイートとして流れ続けてしまいます。

 さらに危険なのは、情報の出所や連絡先も記されていない拡散希望の投稿を、事実であるか確かめもせず鵜呑みにしてリツイートすれば、デマを広めてしまうのです。

 こうした理由から、拡散希望と書いて大勢の人にリツイートを呼びかけたり、拡散希望と書かれた投稿をリツイートするのは絶対にしてはならないのです。

● チェーンリツイートを起こさないために

 拡散希望に限らず、大勢の人に同じ情報を伝えるよう呼びかけるチェーンメールやチェーンリツイートは、情報の氾濫だけでなくデマや悪意のあるいたずらを助長しかねません。また、たとえ内容が事実で善意のある意図であっても、チェーン化する投稿は情報を収束できない事態を招きます。

 twitterの場合、チェーンリツイートを防ぐため以下の点に注意してください。

・ 見ず知らずの人からの情報はリツイートしない

 まったく知らない人からの投稿や、信用性の不確かな投稿はリツイートせず、自分の手元で止めるのが賢明です。リツイートしてフォロワーに伝えてもかえって不審な内容と受け取られるだけです。

・ 連絡先や詳細案内のURLが書いてない投稿を鵜呑みにしない

 発信元の連絡先や、経過や詳細を知るためのURLがない投稿はチェーンリツイートとなり歯止めがかかりません。デマを助長する危険もあります。  

・ 有効期限が不明な内容は自分の手元で止める

 募集などの呼びかけは期限が明記されていなければいつまでも流れ続けます。有効期限の不明な内容は他の人に転送しないのが得策です。

・ 私的な用件は適材適所に連絡する

 人探しや献血などの呼びかけは、情報を受け取った人が公的機関に直接連絡すれば解決できます。リツイートしても確実に対処できる保証はないので何の解決にもなりません。

・ 公式・非公式問わず情報の選別をする

 リツイートをする際、公式リツイートを使えば情報の出所を明確にできるので、災害や緊急時の情報は公式リツイートを使うのが得策です。しかし、これも注意が必要です。twitter以外の手段で誰でも容易に知ることのできる情報をやみくもに公式リツイートすれば同じ内容が氾濫します。また、フォロワーが関心をもたないような情報を独りよがりに公式リツイートしても無意味です。公式・非公式問わず無差別なリツイートをせず、事前に内容を選別するのが大切です。

 もし、何らかの理由でtwitterで呼びかけをしたいときは次の点に配慮してください。

・ 大勢の人に呼びかける文言をつけない

 拡散希望や大勢の人に転送してほしいと書くのは絶対にしないでください。どんな内容であれ、チェーンリツイートを引き起こします。

・ ひらめきや思いつきに「拡散希望」と書かない

 ひらめきや思いつきを最高のアイデアとばかりに、拡散希望と書くのは厳禁です。大勢の人が同じ事をしたら情報があふれかえるだけです。特に災害時は軽率な投稿をしないよう気をつけましょう。

・ ブログやサイトのURLを書いて経過を知らせる

 募集や呼びかけをする際は、ブログや告知ページのURLを明記し、経過を知らせるようにしてください。募集が終了したことがわかるようにすればチェーンリツイートを収束できます。

・ 災害時に被災地以外から安否情報を求めない

 災害が起きたとき、被災地に親戚がいるので安否を知りたいと呼びかけるのは控えてください。同じ事を大勢の人がしたら情報があふれかえるだけでなく、チェーンリツイートが生じるため混乱を招きます。被災地では携帯電話やインターネットを使える状況なのか定かでないときにtwitterで安否を呼びかけても、望むような返答があるとは限りません。安否の確認は災害伝言ダイヤルなどを利用するのが最適です。

・ 個人的な用件の呼びかけをしない

 非常時以外でも人探しをtwitterで投稿しても効果が乏しく、かえってチェーンリツイートになりかねません。不特定多数の人に呼びかけるよりも最寄りの警察や公的機関に連絡する方がはるかに効果的です。

● 拡散希望をリツイートしても何の貢献にもならない

 最後に、twitterで拡散希望と書かれた投稿を受け取ったとき、自分は善意のボランティアができると思い込み、やみくもにリツイートする人がいます。しかし、その行為は残念ながら何の役にも立っていないのです。たとえば、人探しを依頼する投稿が届いたとき、リツイートして他の人に転送したとして何の意味があるでしょうか。自分は転送したことでよい仕事をしたと思うかもしれませんが、実際は他人に仕事を丸投げしたに過ぎないのです。本当に人のために尽力したいのであれば、受け取った情報を自ら適切な連絡先に伝えるべきです。リツイートを簡単にできる人助けと思い違いをしてはなりません。

 「拡散希望」と書いて投稿したり、「拡散希望」の投稿をリツイートするのは、はかりし得ぬ悪影響をもたらします。災害時のみならず、平常時にも拡散希望と書く投稿はしないように、そして災害時には感情に振り回されず、冷静な対応でtwitterを利用するよう心がけてください。

 追記:Twitterで拡散希望をしないよう、さまざまな機関が呼びかけています。


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2011年4月8日発行 第320号


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