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よもやま話:iPadは感動の使い心地

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 2010年最大のヒット商品に確定しそうなアップルのiPadを発売開始の5月28日に入手しました。「あんなでかいものいらない」、「ネットブックで十分だ」と冷淡視する人もいますが、いざ使ってみてどんな印象か紹介します。入手したのは32GメモリのWi-Fiモデルです。

 iPadの詳細はアップルの公式サイトをご覧ください。

 写真入りでのiPadの紹介・解説記事もありますので、こちらもぜひご覧ください。

● iPadの概要とありがちな誤解

 iPadは、指先で画面に触れながら操作する多機能携帯情報端末です。ノートパソコンと同じようにメールやインターネット、文字入力はもちろんのこと、写真や動画、音楽の視聴もできます。アプリと呼ばれる専用ソフトを取り込めばゲームや電子辞書など娯楽からビジネスに至るまで幅広い活用ができます。そして、電子書籍と呼ばれるデジタル編集された文庫や雑誌も購読することができます。電子書籍は今後国内で数多くの参入・販売が見込まれています。

 iPadはB5サイズくらいの大きさですがキーボードがないため、ノートパソコンやネットブックと異なり片手でもちながら操作できます。そのため、机や膝の上に置く必要がなく姿勢を気にせずリビングや外出先で手軽に使えるのも特徴です。また、携帯電話よりも画面が大きいため、目をこらしてデータや文書を読む負担が少なく、ゆったりとした気分で閲覧ができます。

 こうした利点とは別に、iPadには偏見的な誤解もあります。第一に「iPadは電子書籍を読むためだけの道具」と思われています。しかし、前述したようにiPadはインターネットや音楽、ゲームなど、あらゆる情報やサービスを利用できる端末であって、その機能の一つとして電子書籍があります。本は紙の方がよいからiPadなんていらないというのは別の問題です。二点目は、iPadを「ネットブックの小型版や携帯電話の拡張版」といった既存の端末の延長と受け取っていることです。iPadの位置づけは小型携帯端末とノートパソコンの中間にあり、ネットブックや携帯電話の代役ではありません。それらを求めるのであれば既存の製品を選択するのが賢明です。既存の端末と比較するのではなく、まったく新しい利用形態をもつ情報端末と受け取るのが正しいです。

● 手にした第一印象は

 本体はねじのない平板と言えば素っ気ないですが、それほどシンプルなデザインです。大きなカルテのような、あるいは小型の液晶テレビをスタンドから外しただけのものといった印象です。手にとるとなじみやすく、片手でもっていても疲れません。これがネットブックであれば重心の関係でもちにくさがありますが縦、横いずれでも持ってもバランスはよいです。

 液晶画面はまぶしいくらい明るく、文字もくっきりと鮮明です。小さい文字もパネルの表示部分をつまむと拡大できるので、自分に適した大きさの文字で読めるのがうれしいです。画面が大きいので文章全体の構成を見渡せるのはiPhoneや他のスマートフォンにはない使いやすさです。なお、液晶が大きいためタッチ式のスマートフォン以上に指紋の後が目立ちます。使い終わったら液晶画面の汚れを拭き取る習慣をつけておくのがよいでしょう。

 スリープ状態から起動までは1秒とかかりません。ロック解除操作をすればすぐさまメニュー画面が表れます。電子辞書を使って調べ物をしたいときにこの素早い起動は大いにたすかります。ブラウザや音楽プレイヤーの起動も待たされるストレスは全くありません。

 メールの読み書きも快適です。タッチ式のキーボードは携帯電話とパソコンの中間的な作りで、日本語入力は候補が選択できる連想式を採用しています。片手で本体を持って、もう片方でキーを打つには扱いやすいです。キーの感触はありませんが、キーを押すとクリック音が出るのでタイプしていても違和感がありません。

 タッチ操作は快適そのもので、写真やサイト、書籍閲覧時のページめくりは手作業の感覚と遜色なく、デジタルデータを扱っている気がしないほどです。加速度センサーがしっかりできているので、勢いよく指を動かせばそれに応じた動きをするところがすばらしいです。iPhoneやiPod touchよりも大きい画面で操作ができるので軽快です。

● ネット接続やアプリの操作感は快適

 先行発売したアメリカでは、Wi-Fi接続での受信感度が悪くネットにうまくつながらないという事例が出ており、日本でも購入の不安材料になっていました。実際、Wi-Fi接続をしてみましたが私のところではまったく問題はなく、11nでの高速通信が安定かつ快適にできています。宅内を隅々まで持ち歩いて感度を調べてみましたが、異常に感度が落ちることはありませんでした。なお、私が使っている無線LANルータはアップル純正のAirMac Extreme (Time Capsule)です。他社の機器でもWPA, WPA2での暗号化通信であれば特に目立った問題はないようです。自宅に無線LANがなく、iPadで自由にネットを利用するのであればアップルから発売されている安価なAirMac Expressを導入するとよいです。自宅内で契約しているプロバイダの回線を経由して無線LANを利用すれば3G回線は使わないためソフトバンクへのデータ通信費はかかりません。

 アプリについてはたくさんは試していませんが、軽快に動作しています。Skype, You Tube, radiko.jpなど入れてみましたが、いずれも問題なく快適に利用できます。You Tubeを横サイズのフルスクリーンで表示させると、スマートフォンよりも鮮明で迫力のある映像が楽しめます。しかも、寝そべりながら鑑賞できるのはうれしいです。iPhoneアプリをiPadの等倍モードで表示するとかなり大きな文字で表示され最初びっくりします。等倍モードでは、表示が引き延ばしになるせいかイメージ画像はやや解像度が粗くなるのが難点です。

 iPadの大きな利点は大きな液晶画面とどこにでも持ち運べてどんな姿勢でも利用できる点です。特に大きな画面は目に優しくたくさんの情報や迫力ある映像を映し出してくれます。これらの恩恵は、iPadを大きなiPod touchと冷笑する人の意見を軽く受け流せるくらいのすばらしさがあります。

● iPadは日本でヒットするか?

 私はためらいなく「イエス」といえます。このiPadは日本人好みの端末です。iPadはパソコンのような込み入った作業をするための道具ではなく、情報を受け取って閲覧したり、調べ物をしたり、見たり読んだりなど受け身の活用に適した端末です。情報サービスなど与えられたものを利用する受け身の活用を好む日本人にとってはiPadはこの上ない絶好の端末です。しかもバッグに入れて持ち運べ、デスクのないところでも気軽に取り出して使えるのはネットブックにはない長所であり、目をこらさなくても大画面で情報を閲覧できる点はスマートフォンにはない利点です。機能性、携帯性、操作性いずれをとっても、他社が今後追随するには差が開くほど群を抜いた出来映えです。

 大人のおもちゃという人がいますが、使い方次第で頼もしい戦力になる道具といったほうが正しいといえます。想像以上に洗練された優れた機能性端末です。「これはすばらしい」と声を上げて絶賛してもあまりあるくらいです。

 発売が開始されてからは、店頭でiPadを触って試すことができるようになりました。一度どのようなものかぜひ手に取ってみることをおすすめします。意図的に揶揄する気持ちさえなければ、iPadのすばらしさをきっと肌で感じとれるでしょう。


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2010年5月31日発行 第308号


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