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特集:新生活!自分だけの電子印はいかが?

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 電子文書法(e-文書法)により、PDFなどの電子文書が公的文書として認められ、紙媒体ではなく電子ファイルによる書類の送付や保存が普及しています。企業内でも通達文書や企画書の承認処理を、印刷した書類ではなくディプレイに表示された文書ファイル上に電子印鑑システムを使って行われるようになってきています。そこで必要となるのが自分だけの印影をもつ電子印です。業務だけでなく、ちょっとした個人でのやりとりにも、認印やスタンプをワープロ文書やPDFファイルに活用できます。さらに、添付メールで電子署名を用いた電子文書法の基準を満たした文書として送付すれば郵送の手間も省けます。

 今回は、新生活の春にふさわしく自分の印鑑、それも電子文書用の電子印について取りあげます。なお ここで扱う内容は企業で導入されているような電子印鑑による承認システムや、認証局発行のデジタルIDを用いた電子署名には触れず、あくまでも個人の認印を注文して活用していく方法に限定して話を進めます。

● 電子印とは?

 電子印とは日常生活で使う印鑑やスタンプと同じで、ワープロ文書上に捺印するための自分だけの印鑑です。電子印を使うと簡単にそしてきれいな印影を表示できます。本物の印鑑と異なり形のある道具ではなく、オリジナルの書体でデザインされたフォントで、パソコンのフォントフォルダにインストールして使います。認印のような丸形の印影だけでなく、自筆のサインも作製できます。単なるフォントであるため、ワープロ文書はもとより、表計算ソフト、描画ソフトなど好みのフォントを扱えるソフトであればどれでも使えます。また、Adobe Acrobatなどスタンプ機能を持つPDF変換作成ソフトを使えばどのような文書でも捺印できます。

● どのような用途に使えるの?

 個人で電子印を用いるときは、たとえば回覧文書をメールで添付して確認のスタンプとして捺印したり、形式的な文書の捺印、あるいは自筆署名を盛り込んで文書全体の格式を高めるのに有用です。ただし、電子印だけの捺印は公的文書としては無効です。電子印はイラストと同じで、コピーして貼り付ければ誰でも印を複製できてしまうからです。契約書のような対外的な文書のやりとりを電子的に行うときは、別途電子署名を施さなければなりません。電子印だけで捺印の扱いをするときは、個人的な範囲で認められる文書に限られます。

● 印鑑の印影をイメージスキャナで取り込めばよいのでは?

 わざわざ電子印を作らずとも紙に普段使う印鑑を押してイメージスキャナで取り込めば事が足りると考える人もいるでしょう。ところがいざこれをやってみると満足のいく印影が得られません。きれいに紙に押印してもいざパソコンに取り込むと、色むらやぎざぎざが所々にできてしまい、印刷しても見栄えのよいい仕上がりが得られjません。電子印はパソコンで使うフォントとして提供されます。フォントはベクトルデータで構成されているので、なめらかな曲線を表現でき、ぎざぎざやかすれは一切ありません。さらにフォントは大きさを自由に変えられるので、自分の好みのサイズの印影を表現できます。もちろん、印影はどのサイズでもなめらかです。

● どこで注文すればいいの?

 電子印は自分で作れるフリーウェアもありますが、プロの職人に依頼する方が書体に沿ったできばえのよいものになります。もちろん、同じ印影はなく自分だけのオリジナルを作ってもらえます。

 フォント形式で作製してくれる電子印は以下のサイトから注文できます。認印だけでなく、会社で使う角印なども作ってもらえます。書体も豊富で好きなものを選べます。
  • SUNSALE
    ビジネスに役立つスタンプを収録した基本セットと一緒に目的の電子印を注文できます。TrueTypeフォントで提供。費用は4,800円から。

  • 日本書技研究所
    一回の注文で4書体の電子印を作ってもらえます。TrueTypeだけでなくOpenTypeのフォントでも提供してくれます。Windowsだけでなくマッキントッシュで使用するのであればこちらがおすすめです。費用は5,000円から。

  • 株式会社咽頭印材店
    EPS形式による電子印を作成してくれます(1,050円から)。そのほかに、USBメモリに電子印鑑ソフトをインストールした携帯電印パソポンという一体型グッズがあります。これは、USBメモリに電子印と捺印用のソフトウェアが組み込まれており、USB端子に接続すると自動的にソフトが起動してドラッグアンドドロップで文書に捺印できます。Microsoft Word やExcelでは捺印すると文書がロックされ、一太郎ではセキュリティをかけられます。印影データはUSBメモリ内にあるため、パソコンに印影データは残りません。また、パソコンへの専用ソフトのインストールは不要で、どのパソコンでも捺印ができるので、実際の印鑑と同じ使い方で捺印処理ができます。なお、このUSBメモリには実際の印鑑も取り付けられるようになっており、電子印と印鑑、さらにはUSBメモリの三役をこなせます。Just MyShopにてネーム印込みの販売をしています。
● 電子印の使い方

 提供された電子印はWindows、マッキントッシュいずれもフォントが格納されているフォルダにコピーするだけで利用できます。Windowsではコントロールパネルからクラシック表示を選び、フォントフォルダを探してその中にコピーします。MacOS Xでは個人フォルダごとにフォントをインストールできます。個人フォルダに入れておけば他の人がログインしてもそのフォントは使えませんので、自分だけの電子印として管理できます。フォントをダブルクリックするとインストールできます。

 電子印の表示はきわめて簡単です。Microsoft Wordなどフォントを指定できる文書ソフトを起動して、フォントメニューから電子印のフォントを選び、指定された文字を入力すると印影が表示されます。黒い印影のままでは違和感がありますので、印影をドラッグして文字色を赤にし、フォントサイズを適度に調整すると体裁が整います。認印であればサイズは36ポイントくらいが適当です。ExcelやPowerPointでも同様にできます。

 Microsoft Wordで名前に重ねて捺印をしたい場合は、メニューから挿入を選び、テキストボックスから横書きを選択しします。テキストボックス内をクリックして、前述の方法で印影を表示します。最後にテキストボックスをダブルクリックして、書式設定のダイアログを表示させ、レイアウトから折り返しの種類と配置を前面に設定します。最後にテキストボックスをドラッグして所定の位置に移動すると任意の場所に重ねて表示できます。

 もともと捺印は最後に行う手続きであり、最初から原文に印をつけるのは不自然です。捺印の形式を実現するにはスタンプ機能のあるPDF作成ソフトを使います。

 PDF作成ソフトのAdobe Acrobatでは、メニューからツールを選び注釈の項目からスタンプを選択すると好みのスタンプを捺印できます。最後に保存して捺印つきのPDF文書が完成です。あらかじめ印影を入力だけの文書をPDFファイルとして作成しておき、スタンプの管理から取り込めば、自分の電子印をスタンプとして登録できます。捺印の手続きをとった活用はAcrobatを使ったPDFファイルでの処理が一番適しています。特に、印刷できるソフトであればすべてPDFファイルに変換でき、捺印処理も共通の方法で行えるので大変便利です。

 AcrobatにはStandard, Pro, Suiteの三種類があり、いずれもスタンプ機能、電子署名機能が備わっています。Windows版とMacintosh版がありますので、お使いのパソコンに対応したパッケージをお選びください(StandardとSuiteはWindows版のみ)。
● 電子署名で正式な文書に

 電子署名こそが、電子文書における本当の捺印手続きです。冒頭でも述べましたが、単に電子印をワープロ文書やPDFにつけただけでは公的文書としては認められません。これを公的扱いにするには電子署名をします。電子署名にはSelf-Sign方式によるデジタルIDを用いた自著署名機能がAcrobatに組み込まれていますが、信用性に欠けます。個人的な範囲であればこの方法でもよいのですが、対外的なものを添付メールで送るには第三者機関による認証局発行のデジタルIDを用いた電子署名を使います。

 認証局による電子署名は、たとえば日本ベリサイン社が有料でサービスを提供しています。個人でも取得できるものがありますが、電子文書でも有効なデジタルIDは個人事業主または企業に在職している人のみしか発行してもらえません。そもそも業務用ですので、個人レベルではあまり必要ありません。

 電子署名については機会を改めて特集を組みます。

 紙の文書での捺印同様、これからは電子文書用にも専用の印鑑ももっておくとよい時代になってきました。私も今回作ってみましたが、オリジナルの電子印を氏名の部分に押印するとと文書としてインパクトがあります。興味・関心がありましたら検討してみてください。

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