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よもやま話:15年続いたメル友から音信が途絶えた日

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 今回は、とりとめのない切ない話です。感傷的な内容ですがお許しください。

 私には、ネットワークをはじめた頃からのメル友がおり、15年近くメールのやりとりを続けてきました。その人とはこれまでに100通以上のメールを出し合ってきました。そのメル友からメールが届かなくなり、とうとう今年の正月に送ったメールはプロバイダからエラーメールとして戻ってきました。相手の方はかなりの高齢で、最近は入退院を繰り返しているとのメールを最後に途絶えてしまいました。昨年に受け取ったメールは数えるに足らず、そのような矢先に送ったメールはUser unknown、つまりプロバイダを解約している通知でした。そのメールを開いて脳裏をよぎったのは、受け入れがたい憶測でした。真実がわからないだけにせつなさをかみしめる思いです。

 知り合ったきっかけはパソコン通信のニフティサーブ(現在の@nifty)の掲示板でした。メール友達募集の掲示を見たとき、利用者IDが近い番号とあって好感を持ちさっそくメールを送りました。相手も同じ印象をもったようで、メールを送りあうようになりました。まだまだインターネットが普及しない1990年半ば、この時代のネットワークといえばパソコンとモデムをつなぐパソコン通信でした。そして私はまだ20代前半の学生で、相手は現役を引退されたご年配でした。年の差はあれど、身近な出来事からスポーツ、時事など幅広い話題を書き綴っては返信していました。阪神大震災や地下鉄サリン事件といった出来事にも言及していました。

 地味ながらもメールの交換は途絶えることなく続きました。インターネットが普及してプロバイダが変更になったときも連絡がすぐ寄せられました。私がオランダ赴任中もこちらから欠かさずメールを出していました。それが一昨年頃から途絶え勝ちになってきました。やりとりしているメールでも頻繁に体調について書かれており、しばらく入院してメールが出せなかったり、退院して体調も優れているといった近況が書かれていました。そして、体調の不具合をほのめかすメールが届いたのを最後にメールが届かなくなりました。メールだけのやりとりで住所を教えあうことはしていませんでした。十分信頼できる関係であったので、聞こうと思えば聞けたのですがあえてそれをしませんでした。

 プロバイダが変わればすぐ連絡をくれる人が、今回は音信不通のまま連絡が途絶えたとき、何か暗い面持ちがよぎりました。断定こそできませんが15年のメル友との別れが来てしまったと・・・・。

 メル友は長くて半年続けばかなりのものです。当時たくさんの人ととメール交換をしてきましたが、一ヶ月以上継続してやりとりしたのはごく一握りの人だけで、途中で終わってしまいました。まして1年以上続けば幸運と言ってよいほどです。それが10年以上続くとなればそれはかけがえのない関係です。メールがふっと途絶えたときの虚無感は切ない思いでした。期待を込めて送ったメールがエラーメールで戻ってきたとき、今まで受け取った中で最も悲しいメールでした。

 今ではこうした長いつきあいをするメル友は誰もいなくなりました。それだけに、寂しい思いをどことなく隠せないでいます。


2008年1月23日発行 第280号


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