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特集:2001年総括、IT不況とメーリングリスト


 2001年もあとわずか、ネット業界もIT不況でふるわず、同時多発テロによる経済面への影響が大きく暗い年越しを迎えることになりそうです。本当に先行きが見えない、そんな印象を強く感じます。
 さて、メーリングリストのこの一年を振り返るのが今回の特集です。IT不況に大きく揺られた一年でした。

<昨年の勢いがなくなったメーリングリスト業界>

 昨年は、メーリングリスト開設サービス会社が軒並み急成長を遂げ、株式会社化などネットベンチャーの旗手といえるくらいの飛躍がありました。ところが、今年は吸収、合併など大手のサービスが大会社のサービスの一部となったり、無料メーリングリスト開設サービスが広告収入が見込めずサービス終了を余儀なくされたりと、独立して事業を維持することが難しくなってきました。そのいくつかを紹介します。

○ EasyMLがInfoseekの一部に
 無料MLプロバイダで有名だったのEasyMLのインフォキャストがインターネットモールの最大手である楽天の完全子会社化となり、同様に吸収されたインフォシークとサービスを統合させたインフォシークメーリングリストに転身。無料メーリングリストが大型検索サイトの一部となりました。

○ eグループもヤフーと本格的に相互運用開始
 eグループは昨年にYahooとの合併しましたが、いよいよ相互の提携が形になってきました。ヤフーのサービスにeグループのリンクがされ、人の流れが作られています。今後はヤフーサービスの一環としてより親密な関係になっていくのでしょうが、EasyML同様大型検索サイトの一部としてメーリングリストが融合した印象を強く残します。

<広告収入とメーリングリスト事業の密接な関係>

 無料メーリングリストのほとんどは、配送メールに広告を配信させる方式で、その広告収入が財源となっていました。インターネット広告の新しい手法としてバナー広告が注目され、メーリングリストの配信広告も同様に大きな関心と可能性を示唆されていました。ところが、広告配信をしても思うように収益があがらず、また広告に注ぐ費用も不況の影響で制限をやむなくされるため、今年はバナーやメール広告が激減したと言われています。広告収入だけを未婚で事業を勧めていたネットビジネス会社は苦境に立たされ、メーリングリストサービスでも新規開設を停止するなど、思わぬ誤算が生じ、サービス向上もできず厳しい状況となっています。

<オプトインメールが急成長>

 あらかじめ利用者が関心のあるジャンルを登録すると、それに該当する情報をメールで配信するオプトインメールサービスが大きく成長しました。オプトインメールを専門に扱うベンチャー企業もありますが、大手インターネットプロバイダでも新規サービスとして事業に乗り出すようになってきました。的確に関心のある人に情報を提供できるという狙いがあるのか、広告を依頼する側もこうしたサービスに関心を寄せる傾向がある模様です。
 しかし、こうしたオプトインメールも質が問われています。単に依頼主からのサイトリニューアルだけの情報や自社のプレゼント情報の宣伝だけにしか利用されないなどの理由から、ダイレクトメールと同様の配信と同化しつつあります。今後は利用者を満足させるためのサービス向上が課題となるでしょう。

<ふくれあがるダイレクトメールの量>

 メールアドレスを大量に入手して望みもしない商用メールを送りつけてくる「迷惑メール」は実に多くなりました。安易に費用のかからない効率的な宣伝方法と大きな勘違いをしているケースが多く、その悪影響などまったく意識していない無神経な営業方針も強く問われるようになりました。利益さえ出れば人のことはどうでもよいという考えが形として表れた行為でもあります。迷惑メール防止条例が検討されるなど、法的な準備が着々と進められていますが、一部の地域にしか適用されず世界規模での法的措置が望まれます。
 法律面のみならず、迷惑メールを出すことが結果的に自社のイメージを悪くする自覚意識を経営者側が理解しなければならない事実ももっとアピールしていかなければなりません。

 振り返ってみると、電子メールでのサービスそのものが急変したり、悪用されるケースが目立った一年のような気がします。悪いことばかりが目立つ現代、「くじけず乗り切る」精神は持ち続けたいと思うばかりです。

 2002年、新たな時代に新たな飛躍を願っています。


2001年12月22日発行 第89号


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