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特別企画:Huis Vita Nova
〜ふれあいのコミュニケーション〜

第5話:酒場で気軽に人と話せますか?

 久しぶりの特別企画Vita Novaシリーズ。今回は、アパートの仲間に連れて行ってもらった酒場での話です。

 さすがに酒場は地元の人に連れて行ってもらわないとわからないし不安でしたが、オランダやドイツの酒場あるいはビアカフェといった店は初めてでも気軽に入れます。ビールを飲むときはカウンターで頼んでその場でお金を支払います。ビールは小さいコップ一杯で130円くらいとお手頃。通常、仲間と飲むときは一人が全員分のビールを頼んでその人が支払うのが習慣で、コップが空になったら別の人が注文して全員分払います。

 今回行った地元の酒場は、よく映画に出てくるようなこんじまりした雰囲気の店で、バーカウンターのほかに、数名が座れるテーブルやビリヤードテーブルが置いてあり、カウンターの奥にはたくさんのボトルが飾られていました。比較的年輩の人が集まる酒場でしたが、とにかく初めて入った私をマスターをはじめ、常連客が気さくに声をかけて歓迎してくれてびっくりとうれしさの両方がこみ上げてきました。日本だと、まわりの客は声をかけることすらなく、仲間と話している光景が特別に感じないごく当たり前の出来事です。後で、別の店にも行くのですが、そこでもとけ込みやすい雰囲気に包まれました。

 日本では酒を飲んで知っている人同士で会話するのに対して、欧米は周囲の人と酒を飲みながら話をするところが大きな違いです。カウンターに座ったとたん、となりの人から気さくに声をかけられ、そこからどんどん話が弾んでいくのです。するとさらに隣の人が会話に加わり、席の離れた人からも声がかかるなど、初対面でありながらいつの間にか仲間としてつきあっていくようなそんなアットホームなやりとりができてしまうのです。マスターもそうした雰囲気作りをさりげなく作って会話を弾ませる配慮(うまいタイミングでビールをくれる)ところがにくいです。ものの試しに私から別の人に話しかけると、これまた好意的に応対してくれて、そこから新しい会話が始まります。しだいに別の人がグラスをもって近づいてきたり、どんな人とも酒場では同じ仲間としてふれあっていくのがごく自然にできてしまうのがなんとも不思議で、肌で感じるコミュニケーションを体験しました。今回はありませんでしたが、特別なイベントがあったときはみんなで肩を組んで歌ったり踊ったりするそうです。

 メーリングリストでもこうした雰囲気を比較的作りやすいのですが、それには参加者の気持ちが大切です。日本ではパーティなどで見ず知らずの人が急に声をかけて話をしようと接してくる人をどことなく警戒したり、なれなれしい態度に避けたがる傾向があります。また、自分からなかなか接していこうとする積極性がないのもコミュニケーションの不得手な一面を表しています。ネットでのコミュニケーションのよいところは、初対面の人でも外面を気にせず接していけるので、こうした接しにくい「壁」を取り払うことができます。メーリングリストはまさに絶交の社交場で、「はじめまして」と挨拶をしたり、自己紹介を披露して人と接していけるチャンスがいっぱいあります。あとは、自分がそれをできるかどうかの気持ち次第。しかし、これがなかなかできないものです。ひとつの方法として、誰かが自己紹介のメールを出したらすかさず自分も同じように自己紹介メールを投げてみる手があります。一人でやるのは不安なので、ちょっとしたタイミングをうまく利用してみると意外とうまくいきます。そして、管理人は酒場ではマスターのような存在。アットホームな雰囲気を作る努力は大切です。

 メーリングリストは、送られてくるメールを読むのではなく、自分が話の輪に参加していくことが一番の楽しみです。酒場でビールを一人飲んでいてもどことなく物足りないですよね。それと同じなんです。大勢の人と気さくに話をする新鮮な楽しさを味わえれば、インターネットライフをさらに充実できるでしょう。

 最後に、異国での飲み過ぎには注意を。いい気になってけんかを売ったらそれこそ大変。小柄な日本人では太刀打ちできない人ばかりですから勝ち目はありません。

2001年11月19日発行 第85号


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