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コラム:手書きの大切さ


 ワープロにメール、今は何でもがキーボードから文字を入力するのが多くなりました。もしかしたら、手書きで文字を書くのは皆無になってしまっているのかも。そう思うくらい、身の回りの生活で「文字を書く」習慣が少なくなってきました。

 そんなとき、ふとメモがてらメッセージを書こうとすると漢字が思い出せないときがありませんか?いわゆる、ワープロ病です。電子メールで要件を伝えるのが日常茶飯事となった今、適切な漢字を用いず誤字から思わぬ解釈を受けてしまうトラブルが多くなりました。今回は、デジタル漬けの生活について一考してみます。

 パソコンや携帯ツールなどのデジタル機器から文字を入力するときは、キーボードでひらがなをタイプして変換キーを押すと漢字が表示されます。漢字候補がたくさんあるときは一覧表示され、適切と思ったものを選択します。その際、自分が知らなかったり使ったことのない漢字でも、妥当と判断するとつい使ってしまいがちです。「躊躇(ちゅうちょ)」のような難しい漢字でもここぞとばかりに使おうとするときがあります。
 ところが、やみくもな漢字変換に慣れてしまうと目で見たものを思い出して使うため、漢字の意味や使い方は記憶の奥に眠ってしまいます。そのため、手で漢字を書こうとするとすぐさま文字が浮かんでこなかったり、このときに使ってよいのかどうか判断できないことが頻繁に起きます。漢字そのものの本質的な意味を忘れてしまっているためです。キーボードで入力している漢字も、単に表示されたから使っているだけで、意味や使い方を知らずに無造作に漢字変換するようになります。こうなってしまうと、大切な要件を伝えたり面識のない人と意見交換をしているときに漢字の誤解から思わぬ解釈の行き違いを招くトラブルが起こります。

 最近、書いて覚える習慣が薄れてきました。つい前までは、雑紙に漢字を反復練習して読みや書き方を体で覚え、実際に使うときも筆記具を使って手書きしていました。こうした利用は、身につけたものをなかなか忘れることはありません。今、こうした手書きの大切さは見直されるときではないでしょうか。

 キーボードから入力された文字は整然としてきれいです。手書きは個性と文字の乱れがおもむろに出て避ける人も少なくありません。それでも、時には自ら手書きをする機会を見つけて文章をつづるようにしてみるのも大切であると考えます。学力低下が問題視されていますが、気がつかずに自分自身の学力を手書きを通してかいま見るかもしれません。しかし、それはマイナスではなくプラスの機会を得たもの。あらためてよい表現を見つけられるものです。

 時には鉛筆とメモ用紙を使ってふと文字を書いてみてはいかがでしょうか?


2001年 4月21日発行 第59号


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