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緊急特集:AB型RH(-)献血を求めるメールが起こした問題

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注: この記事で取り上げられている献血の募集はすでに終了しています。該当機関への問い合わせや、献血を募るなどの活動は絶対に行わないでください。

 まずは、タイトルを読んで何のことかさっぱりという方のために事の発端から説明します。

 現在、インターネット上でAB型RH(-)型の献血を求めるメールが飛び交っており、いわゆるチェーンメール(無限に流れ続けるメール)になりつつあります。内容は、日本医科大学多摩永山病院で妊娠中の女性が帝王切開をしなければならなくなり、7月上旬に手術をするとのこと。問題はその人の血液がAB型のRH(-)であるため、十分な輸血用血液の確保が難しく、同じ血液型を持つ人に採血を求めたいといったもの。最後に、多くの人に連絡してほしいと明記してあります。

 このメールの内容は事実で、デマやいたずらではないとの公式発表がされております。

 さて、今回の献血メールはインターネットを利用する上であってはならない問題を引き起こしてしまいました。いわゆる、チェーンメールです。

 今回のメールでの献血依頼は、大学側が公式に行ったものではなく、誰かが個人的にインターネットで呼びかけようとの動機からメールを流したものとみられています。ところが、最初にメールを送信した人が慎重さを欠いてしまったために事態を問題にしてしまったもようです。

 人命に関わる問題をどうしてメールで呼びかけてはいけないのか?そう思う人も少なくないでしょう。ところが、善意ある内容であっても結果としてインターネット中を巻き込む重大な事態を招くことがあるのです。

 内容をもう一度振り返ってみましょう。問題となる点は次の通りです。
  • 献血の募集期間が明確でない。
    7月に手術と書いてありますが、正確な期日が書いてなければ7月以降もメールは流れ続けます。そして、今なら2000年の7月だろうとおおよそ見当がつきます。しかし、これが来年の今ごろ流れる恐れも十分あります。つまり、明確な日付が書いていないために、永久にメールが流れ続ける危険性を含んでいるのです。

  • 多くの人に連絡してほしい
    これがチェーンメールとなる一番の問題発言です。言い換えると多くの人にこのメールを転送してほしいと同じ受け取り方ができます。この一言と不明確な期日表記が今後永久にチェーンメールとして蔓延する恐れを作り上げてしまっているのです。
 きっと、最初にメールを流した人はこれらへの危機意識はもっていなかったでしょう。今回のような例は過去にもあり、今では知る人ぞのみ知る話になっています。

 人命に関わる救済の募集依頼を不特定多数の人に呼びけける際は慎重に行わなければなりません。とはいえ、もし身内で同じような出来事が起きれば藁をもつかむ思いで行動に出ると思います。

 そのようなときに考慮しなければならないのは以下の点です。
  • メールの内容の有効期限(年月日まで)を明記する。
  • 「大勢の人に伝えてほしい」と書くのは禁句。自分以外の人がそれを新たに転送するよう促してはいけません。
  • デマを防ぐため、文責、連絡先を記載する。当然、悪意のあるいたずらやひやかしなどマイナスのリスクを負うことも覚悟してください。
  • 募集の終了告知をするため、メールに全ての情報を記述せず詳細をホームページで公開する。つまり、URLを書いておけばその後の経過を伝えられるので、メールを無効にすることができる。
 これだけでは実際十分とはいえません。場合によっては、メールの内容が改ざんされる危険があります。それゆえ、たいへんリスクの大きいものであることは十分念頭に置いておくのがよいでしょう。

 最後に、もし今回の献血のメールが届いたときの対処として次の点を心得ておいてください。
  • 見ず知らずの人には回さない。たとえばメーリングリストなどです。かえって、情報の氾濫を広げてしまいます。
  • 個人的に私信で送るときは、むやみに転送しないよう追記すること。心当たりのある人に限定し、相談程度にとどめる方がよいでしょう。
 さすがに、デマやいたずらと違って届いても即破棄とは言えないのが現状です。なお、期日から判断して7月以降はいっさい広めないように心がけなければなりません。無限に流れ続けるメールにはしてはなりません。

 インターネットの善意が人を救う大きな手立てとしてあり続けてほしいです。


2000年 5月27日発行 第12号


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